ページの先頭です


ページ内移動用のリンクです

  1. ホーム
  2. 株主・投資家向け情報
  3. 統合報告ポータル
  4. 人的資本

人的資本

人的資本についての基本的な考え方

当社グループは、経営理念に沿い、インターネットの世界において技術革新をリードし、付加価値の高いサービスを他社に先駆けて創出し、それらの安定運用を継続することで、日本のインターネットの発展を支えてまいりました。近年のDXに向けての潮流等を背景として、企業及び官公庁におけるIT利活用の範囲・規模は拡大を続けており、ネットワーク・システムを提供する当社グループの役割は今後ますます重要になっていくものと展望しております。その役割を果たす基盤は人材であり、当社グループは優秀な技術者の獲得・育成継続が更なる成長に向け非常に重要と認識しております。当社グループの技術者は、創業以来、大規模なネットワーク・サーバ群・データセンターの構築・運用、インターネット接続・クラウド・MVNO・IoT等の多様なネットワークサービスの創出・運用、インターネット関連技術の追求等の業務機会を通じて技術研鑽を継続しており、それらの成果は当社グループの技術力蓄積及び事業成長へと繋がっております。当社グループは、まだまだ成長途上との自己認識であり、今後の事業及び技術領域の拡がりとともに、新たなチャレンジ機会は増加するものと展望しております。当社グループは、これら機会を通して自己実現を目指す意欲的な人材の採用・育成を継続し、性別・年齢・国籍・障がいの有無等の属性に依らない能力重視の人材活用・登用と個々が担う役割・貢献度等を評価・報酬に反映することにより、従業員とのエンゲージメントをより一層向上させてまいります。

当社は従業員意識調査を実施しており、その総合満足度(※1)は高い水準で推移し、離職率(※2)は業界平均よりも低い水準を維持しております。

IIJ(単体)意識調査結果 - 総合満足度

IIJ(単体)離職率推移

  • (※1)従業員意識調査は年1回実施されるエンゲージメント調査(約50設問)であり、各項目は1(そう思わない)、2(どちらかというとそう思わない)、3(どちらともいえない)、4(どちらかというとそう思う)、5(そう思う)の5段階で評価がなされます。「総合満足度」は、「私は総合的に満足している」という設問についての評価結果となります。
  • (※2)離職率は期初に在籍した正社員のうち当該年度に離職した割合であり、業界平均は10%前後(情報通信業雇用動向調査、厚生労働省調べ)です。

人材獲得の方針

当社グループの人材戦略は、新卒採用の継続及び育成を主軸に、即戦力を中途採用で賄うとの基本方針であり、これを継続しております。当社は国内初の本格的インターネットサービスプロバイダーであり、インターネット関連技術を追求したい学生・技術者による認知度は高く、近年の厳しいIT人材の採用環境においても、単体約100名前後、連結170名超の新卒採用を継続しております。単体の新卒採用における技術者の割合は約7割であり、その母数のうち博士・修士の割合は約4割です。新卒採用の施策として、技術系部署(ネットワーク・クラウド・セキュリティ・IoT等)での実践的なインターンシップ機会提供により、技術者を志望する意欲的な学生と早期に接点を持ち、これら学生が当社での業務を通じた成長機会を認知してもらう取り組み等も推進しております。更なる事業成長には人材の継続拡充が必要との認識であり、2023年度の新卒入社規模は単体154名、連結 246名へと拡大し、2024年度以降も同等規模を継続する方針です。

IIJグループ新卒入社数

人材育成の方針

人材育成は業務を通じたOJT(On-the-Job Training)を根幹とし、従業員の年次や役割に応じた階層別研修、専門知識やスキル習得を目的とした部門別研修等にて補完しています。当社グループは、国内最大規模のインターネットバックボーン構築・運用、斬新なサービスの自社開発・運用等の業務機会を提供することが、意欲的な技術者層のモチベーション向上に繋がるものと考えております。営業職はネットワーク・システム等の知識が必要となりますが、技術基礎研修、IIJサービス理解研修やサービス理解テスト等により、これら知識の習得・定着を図っており、営業活動を通じたOJTを補完しております。営業部門主催によるトップパフォーマーの営業アプローチ・成功提案事例等を共有する勉強会等もあり、多くの文系出身者の営業が活躍しております。当社の新卒従業員はこれら業務における上司からの指導に加え、OJTトレーナー研修を受講した上司以外の従業員と個々の特性・志向を勘案した能力開発目標を設定し、一年を通して早期に自律的な業務遂行ができるためのサポートを受けます。2018年度以降、毎年約100名がOJTトレーナー研修を新たに受講し、トレーナー経験者は延べ550名を超えております。これら人材の増加は全社的なOJTレベルの向上に繋がるものと考えております。

OJTトレーナー制度 概要

当社は、若手従業員の育成が非常に重要と認識しており、OJTが有効に機能しているかを測る指標として、年次の従業員意識調査における若手従業員の「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」(※3)に関する評価結果を重要視しております。当社はこれらの指標の総合が3点台後半以上となるように評価結果の要因分析、改善対応に努めており、今後もそれを継続してまいります。

IIJ(単体)OJT評価指標

  • (※3)従業員意識調査は年1回実施されるエンゲージメント調査(約50項目)であり、各項目は1(そう思わない)、2(どちらかというとそう思わない)、3(どちらともいえない)、4(どちらかというとそう思う)、5(そう思う)の5段階で評価がなされます。OJT評価指標「チャレンジ」、「成長」、「上司サポート」は、以下の要素を包含する設問に係る評価結果となります。
    • 「チャレンジ」:チャレンジ支援、新しい発想・提案の受容、再チャレンジできる風土 等
    • 「成長」:現在の仕事での成長実感、成長支援の仕組み・制度 等
    • 「上司サポート」:上司・先輩からのアドバイス、上司満足度 等
    なお、これらの3指標について男女別で見ると女性の方が掲載年度において若干高い結果となっております。

当社はOJTを補完する新人研修(約1カ月間のビジネス基礎研修、技術職は追加で約1ヶ月間の技術研修等)、新任管理職・役員研修(課長・部長・役員向け組織運営・部下育成・意思決定等の研修)、階層別研修(リーダーシップ・マネジメント研修)、専門スキル開発(営業研修、技術研修、IIJサービス理解研修等)、グローバルキャリア開発(海外トレーニー制度、グローバルキャリア制度等)に加え、各部門主催による勉強会・研修(2021年度:337回開催)に参加する従業員も多く、部門の垣根を超えた活発な人材交流とともに自律的な能力開発がなされています。

各部門主催による主な勉強会・研修

IIJ Bootcamp 様々な技術が登場した経緯や特徴の違う代替技術等に関する座学に加え、TA(Teaching Assistant)のサポートを受け、実際にツールやフレームワークを触ることにより、実践的なスキル習得を目的とした若手技術者向け勉強会
SH-INFRA-OJT 各技術・サービス領域における社内第一人者が講師を務め、当社での業務遂行に必要な技術・業務知識等の習得を目的とした新卒技術者向け勉強会
IIJサービス理解研修 インターネット接続、クラウド、セキュリティ、モバイル/IoT等のテーマ毎に、IIJサービスのラインアップ・特徴、基礎的な技術概念、業界動向等を体系的に学ぶ基礎研修
その他の部門研修 プロジェクトマネジメント研修(プロジェクト計画、リスク評価・管理、監視・コントロール手法等)、ITサービスマネジメント研修(作業品質向上、運用の継続的改善を目的とした分析方法等)、成功事例共有会等

IIJ(単体)勉強会・研修等の開催回数

  • (※)Bootcamp:技術者向けハンズオン研修
  • (※)サービス・商材:主に営業・技術向けのIIJサービス・その他商材の勉強会
  • (※)管理系:管理部門主催(情報セキュリティ、財務会計研修等)の研修
  • (※)技術系:技術情報の勉強会
  • (※)部門研修(自部門向け研修):プロフェッショナルサービス技術研修等
  • (※)その他:外部講師による講演会等

また、キャリア申告制度(※4)や公募型の兼務制度であるセレクトジョブ制度(※5)等によるキャリア形成支援、担当業務から1年間離れて新技術の追求や新サービスのアイデア実現を目指すテックチャレンジ制度、専門領域での能力発揮を追求するエキスパート職の設置、タレントマネジメントシステムを活用した適材・適所な役割配置等の人事施策により、個々の従業員の経験・スキル等を勘案したキャリア開発・役割発揮をサポートしております。 

  • (※4)従業員が今後のキャリアの方向性を年1回申告し、上司・人事部が中長期的な視点での人材育成や異動・配置等を検討する制度。
  • (※5)従業員は各部門の公募(2021年度:70部門が参加)に応募し、他部門での半年間の兼務(目安:業務時間の20%)を通じて、未経験業務へのチャレンジや部門を跨いだミッション遂行を通じて多様な経験を積むことができる制度。

評価・報酬の方針

当社グループは、属性の別に依ることなく、多様な人材を受け入れ、様々な視点や価値観を尊重しながら、能力重視の人材活用・登用を実践しております。当社グループは事業規模・領域拡大による従業員の増加とともに、事業環境に最適な組織新設・改編等を柔軟に実施しております。組織における重要ポジションは継続して増加しており、今後も増加することが見込まれます。そのような状況のなか、自由闊達かつフラットな当社の気風は若手従業員の活躍を後押ししており、新卒入社従業員が30代前半から課長、30代半ばから部長等の重要役職に登用されるケースもあります。 

IIJ(単体)管理職者数推移

IIJ(単体)年齢別 管理職者数(2023年4月現在)

当社の評価・報酬制度の根幹として、従業員は現在の業務内容や貢献度等に応じた役割・グレード設定がなされます。報酬は、その役割・グレードに基づき決定される「基本給」と半期毎の業績評価に基づき決定される「業績賞与」にて構成されます。当社グループは中長期での事業成長と役割発揮を重視し過度に短期的業績で報酬全体に影響を与えるのではなく、業績変動は一定範囲で役割・能力に応じた報酬体系を基本とし、今後もそれを継続してまいります。

当社は事業成長に合わせた給与水準見直しを適時実施(前回:2019年度改定)しており、2023年度の新卒従業員給与及び既存従業員の給与レンジの改定(※6)を決定しております。

IIJ(単体)昇給率推移

IIJ(単体)平均年齢及び勤続年数の推移

  • (※6)2023年度新卒月額報酬改定(例、学士卒:256,667円/月・+4.8%)

当社グループは、技術・サービス部門に従事する従業員が全体の約7割を構成し、その多くは女性比率が低い理工学を専門分野とする大学他より採用しており、女性比率が低い特性があります。近年、当社の女性採用比率(中途・新卒)は増加しており、従業員女性比率の増加とともに、女性管理職比率(※7)も増加していくと想定しております。当社の2023年度の女性管理職比率は6.3%となり、2024年度の目標6%以上を早期に達成いたしました。当社の2027年度の女性管理職比率は8%以上とすることを目標としております。

女性管理職者比率推移

IIJ(単体)女性採用比率推移

  • (※7)各事業年度の4月1日時点の当社全管理職に占める女性管理職の割合

社内環境整備の方針

当社グループは従業員が心身ともに健康で安心・安全に働き続けられる環境及びワークライフバランス実現を支援するための環境の整備に積極的に取り組んでおります。

健康の維持・メンタルヘルスケア

当社は、健康診断又は人間ドック(年1回)並びにインフルエンザ予防接種の無料実施や産業医・保健師に定期的に健康相談ができる環境整備等に取り組んでおります。また、労働安全衛生法に基づくストレスチェック(※8)を年1回実施し、高ストレスにより面接指導が必要と考えられる従業員は、希望に応じ産業医との面談を実施しております。ストレスチェックの結果は、部長職以上の役職者に共有することで、職場環境の改善を役職者が主導して行う仕組みとしています。また、メンタルヘルス対策の一環として、ハラスメント研修やコミュニケーション研修(アンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーション研修等)を実施しております。

IIJ(単体)ストレスチェック - 総合健康リスク

  • (※8)仕事量、職場・同僚からのサポート等の観点から総合健康リスクが評価され、150以上:健康問題が顕在化している恐れのある水準、120以上:要注意水準との目安であり、全国平均値100よりも低い数値ほど健康リスクが低いと評価される。

過重労働の防止・有給休暇の取得推進

当社は、労働時間管理方針を策定し、労働基準法の遵守及び労働時間適正化に向けた取り組みを推進しております。残業の事前申請や各部門の残業状況レポート作成等により従業員の就業時間を随時把握しており、残業時間が一定水準を超過する場合には、各部門への注意喚起やヒアリング、超過者への産業医面談等を実施しております。また、年次有給休暇に加えて、アニバーサリー休暇等の特別休暇(※9)を従業員に付与しており、特別休暇を含まない年次休暇5日以上の取得を徹底しております。

月平均残業時間

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
月平均残業時間 19.4 21.3 24.7 28.1 27.7

有給休暇取得日数・取得率

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
年間平均取得日数(日) 14.4 13.2 10.2 11.3 12.6
年間平均取得率(%) 85.3 75.6 58.5 64.4 71.0
  • (※)上記有給取得日数・取得率には特別休暇を含まない。
  • (※9)主な特別休暇:健診休暇(年1日)、アニバーサリー休暇(年2日)、結婚休暇(7日)、配偶者出産休暇(3日)、子女結婚休暇(1日)

多様な働き方・ワークライフバランス等の推進

当社では、コロナ渦以前より、場所に依存しない働き方を大きなコンセプトとして、リモートワーク(育児・介護対象者から導入)、サテライトオフィス(移動時間の有効活用による顧客対応の高速化)、フリーアドレス(コミュニケーションの活性化)等を導入しております。

当社では各従業員のライフステージや価値観などを尊重しつつ、仕事と家庭生活の両立を支援するための環境整備に積極的に取り組んでおります。社内環境整備として、育児・介護休業制度、私傷病復職休暇制度等により、病気、育児、介護等においても仕事との両立が図れる諸制度を運営しております。当社は、次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」としての厚生労働大臣認定(くるみん認定)を目指し、男性及び女性の育児休業制度利用率を各々10%以上及び90%以上の維持を目標としております。

また、従業員の業務特性や個別環境に合わせて、フレックスタイム制度、ずらし勤務制度、短時間勤務制度等を運営しております。その他の施策として、IIJグループ持株会、財形貯蓄、マネーセミナーの定期開催等の資産形成支援、従業員が家族に対し職場理解を得る機会創出のためファミリーデー開催等の取り組みを推進しております。

IIJ(単体)育児休業制度利用率及び育児休業後復職率

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
育児休業制度 利用率(%) 男性 13.9 14.7 26.4 24.6 33.3
女性 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
育児休業後 復職率(%) 男性 100.0 100.0 100.0 92.9 100.0
女性 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

ページの終わりです

ページの先頭へ戻る