IIJ電子＠連絡帳サービスを機能拡張、市区町村の「緊急通報システム」との連携により高齢者等の見守り・防災を強化

茨城県常総市が、デジタル田園都市国家構想交付金を用いて先行導入

2024年2月1日
株式会社インターネットイニシアティブ

当社は、在宅医療介護に関わる専門職の情報連携を推進する「IIJ電子＠連絡帳サービス（以下「電子＠連絡帳」）」において、市区町村で導入が進んでいる高齢者のセーフティネット「緊急通報システム」とのデータ連携機能「見守り連携」を追加し、本日より提供開始いたします。本機能は先行して、茨城県常総市に「デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装Type1」を用いて導入されており、当社は今後、他の自治体にも導入を推進してまいります。

電子＠連絡帳は、高齢者や児童福祉等の在宅医療介護に関わる専門職（医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャー等）が相互に情報連携するためのICTプラットフォームです。現在、全国70を超える地域に導入され、在宅医療・介護連携、重層的支援体制整備、医療的ケア児をはじめとした子供向けの支援などに幅広く活用されています。
今回連携する緊急通報システムは、多くの市区町村で高齢者の見守り体制強化のために導入されており、急激な体調の変化や転倒、火災の発生といった緊急事態に、配布された専用端末の「緊急ボタン」を押すと、通報を受けたコールセンターが、現場への急行手配や救急搬送要請等を実施します。相互通話が可能なため、緊急時のみならず普段の暮らしの相談などにも活用されています。今回、この緊急通報システムで得られた支援対象者の日常生活や健康状態、救急搬送といった対応内容の情報を、電子＠連絡帳とデータ連携させることで、電子＠連絡帳の利用者である医療介護福祉関係者や行政側にも情報が共有され、平時の見守りや、災害時の安否確認などの対応を強化することができます。

茨城県常総市での導入事例

茨城県常総市は、デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装Type1を用いて、既存の緊急通報システムと、同市が電子＠連絡帳を使って運用している在宅医療・介護連携電子ネットワーク事業「電子＠連絡帳 JOSOシステム」を連携させ、2023年11月17日より運用を開始しました。
同市では、支援対象者からの緊急通報対応のほかに、月に1回、支援対象者にコールセンターから日常の様子や体調をヒアリングする「お元気コール」を実施しており、これらの情報を電子＠連絡帳と連携させることで、行政職員や専門職との情報共有に加え、電子＠連絡帳の「救急情報連携オプション（※1）」や「災害時連携オプション（※2）」を活用し、消防との連携や災害時の安否確認にも活用できるようにしました。このデータ連携により、市職員、医療・介護関係者、消防等の組織横断的な支援体制づくりを実現しています。なお、一連の取り組みは、「Digi田（デジでん）甲子園2023（※3）」本選に選出されました。

（※1）救急情報連携オプション：電子＠連絡帳の在宅医療・介護の多職種連携において蓄積された、患者とその近親者やかかりつけ医などの関連情報を、消防・救急隊に連携するオプションです。
（※2）災害時連携オプション：要援護者のリスト・マップを作成し、地域内にどのような支援対象者が所在するかを平時から把握。災害が発生した場合には、医療・介護・福祉関係者と行政が「電子＠連絡帳」を用いて地域の要援護者の安否確認し、情報共有と支援活動を行うオプションです。
（※3）Digi田（デジでん）甲子園2023：地方公共団体、民間企業・団体など様々な主体がデジタルの力を活用して地域課題の解決等に取り組む事例を幅広く募集し、特に優れたものを内閣総理大臣賞として表彰する取組です。

緊急通報システムと電子＠連絡帳の連携イメージ

提供価格

（表示価格はすべて税抜き価格です。）

基本サービス	IIJ電子＠連絡帳サービス　200,000/月（※）市区向け：100GB、患者登録数5,000名までの価格です。（※）町村（離島）は個別見積もり
オプション料金	災害時連携（要援護者マップ）　100,000/月救急情報連携　100,000/月地域資源連携　150,000/月ここのーと（患者・家族連携）　50,000/月見守り連携　*個別見積もり

IIJは今後とも、IIJ電子＠連絡帳サービスを地域のくらしを支えるプラットフォームとして活用し、住民の皆さまが「住み慣れた地域で支え合い、人々が生きがいを持って安心・安全に暮らす、データ連携によるスマートシティづくり」の実現を支援しています。

（参考情報）IIJ電子＠連絡帳サービス

IIJ電子＠連絡帳サービスは、名古屋大学医学部附属病院先端医療・臨床研究支援センターとの共同研究により開発したSaaSです。高齢者や児童福祉等の在宅医療介護に関わる専門職（医師、看護師、薬剤師、介護ヘルパー、ケアマネジャー等）が相互に情報連携するためのICTプラットフォームとして、2017年4月より提供しています。