最新の無線技術を体感できる「白井ワイヤレスキャンパス」を開設 | IIJについて

白井データセンターキャンパスにおけるローカル5Gの無線局免許を申請

2020年11月6日

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株式会社インターネットイニシアティブ（IIJ、本社：東京都千代田区、代表取締役社長：勝栄二郎）は、2019年5月より運用開始している白井データセンターキャンパス（千葉県白井市、以下白井DCC）内に、最新のモバイル技術を体感できる実験施設「白井ワイヤレスキャンパス」を開設し、2020年11 月9日よりお客様に公開いたします。
IIJは白井DCCを新しいサービスの開発に必要な実験の場としても位置付け、屋内外に無線基地局を設置したラボ環境を構築し、開設当初よりモバイル技術を用いた様々な実証実験を行ってきました。今般、お客様に最新の無線通信技術を実際に体験していただける施設として白井ワイヤレスキャンパスを公開いたします。

背景

ローカル5GやプライベートLTE（sXGP）など先進的な無線通信技術を、実務に活用してみたいというお客様の声は多いものの、具体的な利用シーンや導入要件の検討まで到っていないケースがほとんどです。その背景には、先進的な無線通信技術の多くは標準化や製品開発、法整備等が進行中であることが挙げられます。このため、市場で調達可能な対応機器が限られ、無線技術の特徴やパフォーマンス特性を検証・評価することが困難であり、実際の導入に向けてのイメージを掴みにくい状況になっています。そこでIIJでは、多種多様な無線通信技術を一カ所に集め、デモや展示を通じてお客様にそれぞれの特徴や実力値を体感いただく場として、また、端末や通信機器メーカーには、新製品の動作検証や、コアネットワーク設備との相互接続性の検証環境としてご利用いただけるほか、お客様と共同で無線通信ネットワーク運用の実証実験を行う場として、白井ワイヤレスキャンパスを開設します。

展示内容

2020年11月時点では以下のデモを用意しています。

1.プライベートLTEとパブリックLTEの自動切替: プライベートLTEとパブリックLTEのエリアを行き来した場合に、電波受信を自動的に切り替え、インターネットに接続できます（※1）。
2.プライベートLTEを利用した警備ロボットの遠隔監視と制御: 警備ロボット（ALSOK製フィジカルロボットREBORG-Z）をプライベートLTEにより制御し、白井DCC内の巡回監視や来訪者アテンド業務に利用します。今後、複数のプライベートLTE基地局で、館内・屋外における警備ロボットのシームレスな移動や、閉域接続によるセキュアな通信環境での実証を行う予定です。
3.Wi-Fi6: 混雑環境下における通信効率を大幅に向上させたWi-Fi6の実力値を、Wi-Fi5とのスピード比較で紹介します。
4.IoT向け無線通信技術である「LoRaWAN®」: LoRaWAN®対応のIoTセンサーやIoTプラットフォームを紹介します。
5.ローカル5G SA（StandAlone方式）を模した有線接続による映像伝送: 3Dモーションセンサーを利用し、手や指の挙動によってコンピュータ操作ができるデモです。5G SAのモバイルシステムとMEC（※2）による3次元動態解析を組み合わせたリアルタイム処理により、ローカル5Gの低遅延性と上り方向の大容量通信の世界観を体験できます。
6.セルラーLPWA（LTE-M）とSoftSIM: 携帯電話事業者の無線ネットワークにより長距離データ通信と低消費電力を実現する「セルラーLPWA」と、端末の小型化や低消費電力化に有用なIIJの「SoftSIM」を組み合わせた製品を紹介します。

（※1）関連資料 2019年6月5日付報道発表資料「国内初！東京大学とIIJ、パブリックLTEとプライベートLTEの統合連携に関する実証実験を開始」（https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2019/0605.html）
（※2）MEC（Multi-access Edge Computing）：端末に近い位置にサーバを分散配置することでデータ処理を超低遅延で実行できるようにする技術。

展示室のイメージ

白井ワイヤレスキャンパス紹介動画
https://www.iij.ad.jp/datacenter/museum/movie.html

ローカル5Gに関する今後の予定

ローカル5G NSA（Non-StandAlone）方式については、IIJが住友商事株式会社と共同で設立した株式会社グレープ・ワンが提供している地域BWA（※3）や5G NR（※4）の無線基地局を同社より調達し、白井DCCに設置する予定です。また、現在IIJは、白井データセンターにおけるローカル5G無線局免許申請を進めております。

ローカル5G SAについては、2020年末に予定されている6GHz未満の周波数帯（Sub6帯）割り当ての制度化に合わせ、2021年6月以降に、国内メーカーのコアネットワークと無線基地局を組み合わせた5G NRによる検証環境を構築する予定です。

（※3）地域BWA：地域の情報格差是正や公共福祉増進を目的に導入された2.5GHz帯の電波を用いた無線通信システム。
（※4）5G NR：5Gの高い要求条件に対応可能な、ミリ波を含む幅広い周波数帯をサポートする新たな無線技術。LTEの後継として開発が進められている。
（※）電波測定等のテストにあたっては、5G-NR(Sub6及びミリ波)に対応した小型オールインワン測定器であるViavi Solutions社の「CellAdvisor 5G」を使用します。本測定器は、無線区間の測定において必要となるスペクトラムアナライザ、ビームアナライザ、エリアマッピング機能を有しており、無線アクセスネットワークの研究や検証にも活用してまいります。

IIJでは今後とも、白井ワイヤレスキャンパスでの研究開発や実証実験を通じて、新しい無線通信技術の普及・推進を積極的に行ってまいります。

報道関係お問い合わせ先

株式会社インターネットイニシアティブ　広報部

〒102-0071　東京都千代田区富士見2-10-2　飯田橋グラン・ブルーム