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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.25
2014年11月25日発行
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目次

2.6 甲子園実例

朝日放送が取り組んでいる夏の甲子園のWeb展開において、IIJはストリーミング配信サービスを提供しています。朝日放送の特設Webサイトには例年大量のアクセスがあり、その多くがストリーミングのライブ配信を受信しています。これを混雑なしにストリーミング提供するため、IIJの大容量のCDNサービス(IIJ大規模配信サービス・マルチデバイスストリーミング/Live)をご採用いただきました。

2014年の取り組みでは、配信プロトコルはHLS(モバイルデバイス向け)とHDS(PC向け)を利用しました。これら二方式のプロトコルをひとつのプラットフォームから配信しています。朝日放送では映像をエンコーディングし、IIJのインジェストサーバへアップロードします。この段階で使われているプロトコルはRTMPです。IIJのサーバはクライアントからのリクエストを判断し、on-the-flyでHLS/HDSの出し分けをしています。お客様側でHLSとHDSの2つのプロトコルのストリームを用意する必要がなく、かつお客様手持ちのRTMP対応エンコーダを継続して用いることができるため、この機能は好評をいただいています。

今回一番注目を集めた技術は広告挿入です。野球のイニングの間に、朝日放送からのトリガーで広告ムービーを差し込むということが行われました。今回は全ユーザに同じ広告を差し込みましたが、クライアントのIPアドレスやCookie、ユーザ認証などの技術と併用することで、広告のパーソナライゼーションが簡単に可能になります。冒頭に述べたように、今後のストリーミングビジネスではモバイルデバイスへの配信が大きなマーケットになります。モバイルデバイスは非常にパーソナルな存在ですので、そのような端末に対して広告挿入のカスタマイズができるということはビジネス上大きな可能性をもたらすと考えられています。

また、朝日放送としてモバイル向け甲子園中継は初の試みになりました。こうした試みを支えるのは、やはり安定した配信です。配信がすぐに途切れたりすると、ユーザのストリーミング滞在時間は減少してしまいます。ビジネス上の機会損失に直結しますので、サービス提供者としては細心の注意を払いサーバの安定運用に努めなければなりません。

図-4 2014年8月25日 甲子園中継決勝戦のトラフィックグラフ

試合が回を重ねる毎にトラフィックが増えていることが分かる。当日瞬間最大帯域としては108Gbpsを記録した。

2.コンテンツ配信

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