ページの先頭です
2026年4月1日
株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役 会長執行役員 鈴木 幸一
おはようございます。
インターネットは、100年に一度起こるような大きな技術革新であり、20世紀最後の技術革新とも言われてきました。しかし、日本ではその意義が十分に理解されるまで時間がかかりました。日本は比較的平和な時代が長く、軍事技術を背景に発展した技術革新に対して後ろ向きだった面があります。インターネットも、当初は学術研究として捉えられ、ビジネスになるものとは考えられていませんでした。
当時の通信の世界は電話が中心で、電話会社という巨大なインフラを担う会社が大きな存在感を持っていました。しかし、電話会社には、インターネットに関する知識はほとんどありませんでした。そんな中でIIJを立ち上げた際に集まったのは、Unixやソフトウェアの開発者、アメリカの状況を知り、電子メールなどを扱っていた人たちです。いわゆる「変わった人」「外れた人」と見られる人たちでIIJはスタートしたのです。
日本は、近代以前から独自の技術や表現に強みを持ってきました。例えば演劇の世界では、イギリスではシェイクスピアの時代、舞台装置をほとんど使わず、役者の言葉によって情景を想像させる表現が主流でした。一方、日本では歌舞伎に代表されるように、回り舞台などの仕掛けを用いた舞台技術が発達し、技術的な工夫においては世界的にも高い水準にありました。戦後も日本は技術力によって製造業で世界を席捲していましたが、インターネットという100年に一度の技術革新においては、その流れに乗るのが遅れたという側面があります。
インターネットの技術的な発想の原点には、一部の通信が失われても全体が機能し続けるという考え方があります。これは軍事的な背景から生まれたもので、将来の利用を見据えた構想でした。そうした背景があり、ベトナム戦争の時代は、アメリカでは軍事関係の仕事に就くことで徴兵を免れることができたため、インターネット技術の分野に多くの若者が集まりました。スタンフォード大学周辺にも、同様に軍事関係の仕事に就いた、少し変わった人たちが集まり、後にシリコンバレーと呼ばれる地域が形成されるのですが、そこに私もいたことがあり、シリコンバレーでの経験がIIJという会社を立ち上げる一つのきっかけにもなりました。そこから世界ではインターネットが急速に拡大していったのですが、やがてネットワーク技術と半導体によるプロセッシング能力が向上し、膨大なデータを瞬時に集め、解析し、予測することが可能になりました。これが現在のAIにつながっています。
そのAIの発展に大きく貢献したネットワーク技術において、IIJには世界レベルの技術者がおり、献身的で真面目に働くという意味では、IIJは世界で一番立派な運用会社だと思います。そういう会社に皆さんは入りました。
これから2050年頃までは、インターネットをベースとした技術革新が続き、世の中は大きく変わっていくと考えています。すこし前に中国に行った際には、現金が使えない状況になっており、そこまで進んでいるのかと感じました。しかし日本もあっという間に変わり、スマートフォンがなければ何もできないような社会になりつつあります。
IIJは、そうしたデジタル化を支えるネットワーク技術を日本で担ってきました。そうした誇りを持ち、自分なりに面白さを見つけてください。
仕事をしていく中では大変な時期もあると思いますが、あまり深刻になりすぎると行き詰まることもあります。上司の話も、すべてを真正面から受け止めるのではなく、聞き流すくらいの余裕を持つことも大事です。今日のような曇りの日もありますが、いつか晴れる日は来ます。人生は長いものです。出だしは真面目に取り組むことが大切ですが、続けていくことに意味があります。
よろしくお願いいたします。
以上
ページの終わりです