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事業等のリスク

 IIJグループの事業の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、平成30年3月期有価証券報告書提出日(2018年6月29日提出)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

※以下内容は、平成30年3月期有価証券報告書より引用転記しております。

1. 当社グループの事業展開について

(1)事業展開について

 当社グループの営業収益の大半は国内の顧客からのものであり、平成30年3月期の営業収益に占める国内売上高は約97%であります。国内景気の低迷、経済情勢の変化等により、企業のネットワークサービスの需要、システム投資及び支出意欲の動向、個別案件の進捗状況や採算等が影響を受ける可能性があり、特に、システムインテグレーションについては、国内景気及び設備投資の状況に強く影響を受ける傾向があります。景気動向、投資意欲の減退等の様々な要因により、顧客の需要が当社グループの想定どおりに伸張しないあるいは減退する場合、また、品質面での差別化が困難となり価格低下や契約解除が進む場合には、当社グループの想定どおりに営業収益を拡大あるいは維持することが困難となり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループは、インターネットに関わる技術力を基盤として、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス及びシステムインテグレーションを提供することを基本方針としております。当社グループが、技術優位性を維持できず、競合他社に対して差別化要素があるネットワークサービスの開発及び提供やシステムインテグレーションの提供を継続して行えない場合には、当社グループの想定どおりに事業を展開していくことが困難となる可能性があります。
 法人向けネットワークサービスにおける原価は、回線費用、減価償却費、人件費、外注費、地代家賃等の売上増減とは直接的に連動しないものが多く、新たなサービスの開発や設備投資及び人員の増加等により順次増加する傾向にあります。法人向けネットワークサービス及びシステム運用保守との継続的取引において、特に大口顧客によるサービス提供契約の全部又は一部の解約や大幅な価格の見直しが生じる場合、クラウドコンピューティングサービスを始めとするネットワークサービス及びシステム運用保守による売上が想定どおりに伸長しない場合には、増加費用を賄うことが困難となる可能性があります。
 個人向けネットワークサービスでは、法人向けネットワークサービスに比べて相対的に市場変化が速く、売上及び利益の変動が大きくなる可能性があります。当社グループの個人に対する認知度は高くなく、個人向けモバイルサービスにおいて、代理店販売やMVNEとの他社へのサービス提供による間接販売を積極的に推進しております。個人向けモバイルサービスに関して、MVNO市場が想定より拡大しない場合、市場トレンドを捉えられず売上が想定どおりに伸長しない場合、競合が激化し顧客獲得が想定どおりに伸張しない場合あるいは販売価格が下落する場合、代理店及びMVNE提供先が増加せずあるいは減少した場合、通信料等の費用が想定以上に発生する場合等には、当社グループの想定どおりに営業収益及び利益を拡大あるいは維持することが困難となる可能性があります。

(2)事業投資等について

 当社グループは、中長期を見据えた継続的な成長のために、新サービス及び事業の開発等の事業投資を積極的に行っており、人材獲得や機器等取得及びソフトウェア開発を含む設備投資を強化しております。平成29年3月期末及び平成30年3月期末における従業員数はそれぞれ3,104名及び3,203名であり、平成29年3月期及び平成30年3月期における従業員数の増加はそれぞれ124名及び99名でありました。平成29年3月期及び平成30年3月期におけるキャピタル・リースによる資産の取得を含む設備投資額はそれぞれ16,531百万円及び20,828百万円であり、減価償却費はそれぞれ10,894百万円及び12,365百万円でありました。当社は、東日本地区にて事業拡大に伴い分散するサービス基盤を集約するため、平成30年3月期において、需要に応じ順次拡張が可能なシステムモジュール型の自社データセンターの建設を決定し用地の取得に約12億円を支出いたしました。
 当社グループは、平成21年12月よりクラウドコンピューティングサービスの提供を開始し、データセンター、サーバ、記憶装置、通信機器及びソフトウェアの購入並びに開発等に継続的に投資を行っており、減価償却費等の費用が先行的に生じております。平成29年3月期及び平成30年3月期におけるクラウドコンピューティングサービス関連売上高はそれぞれ157億円及び179億円であり、各期における国内のクラウドコンピューティングサービスに係る設備投資額はそれぞれ36億円及び79億円(西日本における平成31年3月期分の設備投資約30億円を含む)でありました。当社グループは、今後もクラウドコンピューティングサービスに関わる設備投資を国内外で行っていく予定であります。
 当社グループは、平成20年1月より主としてNTTドコモから卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて法人及び個人向けにモバイルサービスを提供しております。平成29年3月期及び平成30年3月期におけるモバイルサービス関連売上高はそれぞれ267億円及び353億円であり、平成29年3月期末及び平成30年3月期末における契約回線数はそれぞれ186万回線及び235万回線でありました。モバイルサービス関連売上高及び契約回線数等の規模増加に伴い、NTTドコモから賃借するモバイル通信回線の帯域を増加する必要があり、販売代理店に対する販売手数料及び広告宣伝費も増加いたします。当社グループは、フルMVNOとのサービスを平成30年3月に開始しており、顧客管理システム及び社内システム等への投資並びにNTTドコモのネットワーク改修に伴う通信料等で月額約1億円の固定費用の増加があり、当該サービスは当面は費用が先行する見通しであります。
 当社グループは、主として海外に進出する国内企業のネットワーク及びシステム利用ニーズに対応するため、海外におけるクラウドコンピューティングサービスを含むネットワークサービス及びシステムインテグレーション提供との国際事業に注力をしております。平成29年3月期及び平成30年3月期における国際事業の売上高はそれぞれ64億円及び61億円であり、営業損失及び利益はそれぞれ1.8億円及び0.2億円でありました。当社及び㈱IIJグローバルソリューションズは、平成28年3月期から平成30年3月期において海外連結子会社10社のうち6社に対し総額1,008百万円の資本供与を行い、平成30年3月期末において海外連結子会社4社に対し総額313百万円を貸し付けております。また、平成28年3月期から平成30年3月期において海外持分法適用関連会社2社に対し総額389百万円の資本供与を行っております。これら海外関係会社は、米国や欧州に加えて、IT関連市場の成長が見込まれるアジア地域(シンガポール、タイ、中国、香港、インドネシア及びベトナム)にて事業を行っており、今後も他地域での海外子会社の設立及び現地事業者との合弁等による拠点追加を行う可能性があります。国際事業において、不十分な統制によりFCPA(連邦海外腐敗行為防止法)に違反する場合等には、当社グループの信頼性を損ねる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 後記の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク 3.当社グループの事業運営について (2) グループ経営について」に記載のとおり、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しており、ATM機器の追加設置にあたり継続的にATM機器を取得しております。
 当社グループは、IoT関連事業、配信事業、フィンテック事業、ヘルスケア事業等の新規事業開発に取り組んでおります。配信事業においては、民放15社とCDNサービスを提供する合弁会社JOCDN㈱を設立、運営しており、本書提出日現在、当社は同社に対し142百万円を出資し当社の持分法適用関連会社としております。フィンテック事業においては、大手金融機関他の国内有力事業者18社とデジタル通貨の取引と決済を行う合弁会社㈱ディーカレットを設立しており、本書提出日現在、当社は同社に対し1,830百万円を出資し当社の持分法適用関連会社としております。デジタル通貨の取引及び決済関連市場は、未成熟で発展途上であり、また競合も強まることも想定され、同社の事業が想定どおりに立ち上がらないあるいは伸長しない場合、当社にて想定以上の持分法投資損失あるいは減損の計上、若しくは追加の資金拠出が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。同社は、まだ行政による仮想通貨交換業登録を受けておらず、また、今後同社が犯罪収益移転防止法を始めとする法令及びガイドライン等に抵触する場合、若しくは情報漏洩等の不祥事が生じる場合、同社への行政による事業の制約、法的責任の追及及び企業イメージの悪化等を招き、当社グループの事業遂行に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、これらの事業投資及び支出を基に継続的な売上及び利益の成長を展望しておりますが、投資及び支出が効果的でなく想定する事業効果を発揮できない場合、競合等により想定どおりの事業進展が困難となる場合、先行的な設備及び開発投資を必要とする事業の売上が想定よりも伸長しない場合、市場規模が想定よりも拡大しない場合又は市場の拡大に想定以上の時間が掛かる場合、需要に見合わない過度な投資を行う場合、設備等の陳腐化が発生する場合、一部の事業に多くの人員を配置したことによりその他の事業に人員が不足する場合、規制が新設又は強化される場合あるいは規制の緩和が想定よりも進展しない場合等には、当社グループがこれらの事業投資及び支出から想定する売上及び利益や期待するキャッシュフローを実現することができず、これらの事業投資の価値の一部あるいは全てが毀損し減損や除却等が生じ投資回収が困難となる可能性があります。当社グループの予想を超える市場あるいは競争環境の変化が生じたこと等により、大規模な設備が必要になった場合等には、想定を超える追加的な投資、資金支出あるいは人的資源の投入等が必要になる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(3)通信回線、ネットワーク機器、施設設備等の外部への依存について

 当社グループは、インターネット接続サービス等の提供にあたり、通信回線を外部から調達しております。バックボーン回線についてはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱(以下、「NTTコミュニケーションズ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)等、アクセス回線についてはNTT東日本、NTT西日本及び地域電力系通信キャリア等、MVNO形態にて提供するモバイル通信回線についてはNTTドコモ及びKDDIより調達をしており、通信回線の安定的な提供をこれらの通信キャリアに依存しております。当社の国内バックボーン回線費用に占めるNTTコミュニケーションズからの調達割合は、平成30年3月期において49.3%であり、モバイル通信回線の殆どはNTTドコモより調達しております。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、これらの通信キャリアの提供する電気通信サービスに大きな混乱があり代替手段の調達ができず当社グループの提供するネットワークサービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループは、ネットワークに使用するルータ等通信機器のいくつかの製品を少数の購入先から調達しており、購入先である第三者に依存しています。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、当社グループの購入先が良質の製品を適切な期間内に納入できず当社グループが代替調達先を獲得できない場合には、当社グループのネットワークを増強することができないあるいは増強が遅延する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループは、データセンター等の施設設備、事務所設備の多くを第三者より賃借しております。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、当社グループが、これら施設設備について計画どおりに調達あるいは契約更新ができない場合には、当社グループの事業展開の制約となり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 日本では、主に地域電力事業者が各地方において電力を供給しております。電力料金の急激な値上げが発生し、当社グループにて、その値上げについて施設設備調達先と負担を調整するあるいは顧客にその値上げ分を転嫁する等の適切な対応手段が取れない場合、電力事業者からの電力供給が不安定あるいは不足する状況となり代替する電力を調達するために追加的費用が生じる場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に一定の影響が及ぶ可能性があります。

(4)当社グループが提供するサービスの信頼性について

1)サービス品質の維持及び適正な運用について

 当社グループは、顧客のネットワーク利用の進展及び信頼性に対するニーズの増加等に対応するため、サーバ、通信機器及びソフトウェア等への投資を増やすことで、提供サービスの品質維持、改善することが必要となる可能性があります。当社グループはこれまで、このような設備等の管理を適切に行いサービスの品質を維持しているものと認識しておりますが、設備等の管理を適切に実行できずにサービスの品質が低下し、当社グループのサービスの差別化が適切に行えない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループの想定を上回る設備投資が必要になった場合、あるいは過度に設備投資を行った場合等には、費用が大きく増加し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

2)サービスの中断の可能性について

 当社グループのネットワーク及びシステムは、火災、地震及びその他の自然災害、電力不足、停電、通信障害、ならびにテロ等の当社グループがコントロールし難い事由により、停止あるいは遅延等の影響を受ける可能性があります。コンピュータクラッキング、コンピュータウイルス、人的過失及びインターネット利用者等の偶発的又は故意による行為等に起因するサービスの中断も当社グループのサービスの提供を妨げる可能性があります。当社グループのネットワーク及びシステムは、通信回線の二重化等の耐障害性を重視した設計としておりますが、サービスの提供が中断し当社グループの信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

3)個人情報等顧客情報の取り扱いについて

 当社グループは、個人情報を含む国内外の顧客情報を保有及び管理しております。当社グループはこれらの情報資産の適切な管理に最大限の注意を払っており、また、個人情報の保護に関する法律やこれに関連する総務省及び経済産業省制定のガイドラインの要求事項遵守等に努めております。しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。欧州連合(EU)において、平成30年5月25日より個人情報保護を目的とする新たな規則であるGDPR(一般データ保護規則 General Data Protection Regulation)が施行されました。当社の連結子会社 IIJ Europe Limited は、当社グループ内で統一された情報管理ルールを文書化したBCR(拘束的企業準則 Binding Corporate Rules)を英国の監督機関に申請しており、これに対応する予定でありますが、意図せず規則に違反し高額な制裁金が課された場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(5)技術革新について

 インターネットを含む通信サービス業界においては、技術、業界標準、顧客ニーズ及び競合環境の変化が速く、頻繁に新商品及び新サービス等の導入がなされております。新技術を使用したサービスの導入又は新たな業界標準の確立等により、当社グループの提供する既存のサービスの市場性が低下する可能性があります。当社グループは、技術優位性を維持していくために技術研究開発に注力し最新の技術動向等を注視しておりますが、重要な新技術の利用権の取得、変化する技術及び業界標準の導入あるいは顧客ニーズに合った新サービスの開発、導入及び品質確保等ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 また、当社グループが必要な技術の進展を追求していくために、研究開発等に当社グループが想定する以上の時間と費用が必要となる可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

2. 外部環境について

(1)価格競争について

 ネットワークサービスにおける価格競争は厳しく、また、システムインテグレーションにおける競合も激しく、競合他社はサービスの開発及びマーケティングを強化しております。低価格競争が更に進展する等競合他社との差別化が有効に図れない場合には、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションの売上が想定どおりに増加しないあるいは利益水準が悪化する可能性があり、また、販売促進のために多額の費用を投じる必要が生じる可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(2)設備投資及びネットワーク関連コスト等について

 バックボーン等の通信回線費用、通信機器に係わる費用、ネットワークオペレーションセンター等のネットワーク運営費用、ネットワーク運営に係わる人件関連費用等のネットワーク関連コストは比較的固定的な費用が主なものですが、これらの変動が当社グループの損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。インターネットトラフィックの急激な増加等が生じた場合、バックボーン回線の調達単価の上昇により回線調達費用が増加する場合、当社グループが想定するよりも大容量の通信回線が必要となった場合、必要とする通信回線が調達できない、あるいは過度に通信回線を契約した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、国際回線及び通信機器等の一部費用を外貨建てで支払っており、円建てで支払っているものについてもその価格は外貨建てで算定されるものもあり、為替水準の変化が当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、モバイルサービスの提供に関して、主としてNTTドコモより卸電気通信役務の提供を受け、当該役務に対して「電気通信事業法」及び総務省が策定する「第二種指定電気通信設備制度の運用に関するガイドライン」に基づき算定された帯域当り単価と契約帯域を掛け合わせた通信接続料を支払っております。帯域当り単価は毎年改定されるもので、平成29年3月期及び平成30年3月期における利用契約帯域に係る帯域当り単価は、平成29年3月期のNTTドコモ他の費用実績他に基づき平成30年3月に改定され、前年単価比18.2%減となりました。当社グループは、年度末に単価が確定し通知をされるまで、過去の実績等を鑑み期中において一定の想定で単価減少を見込む費用処理をしており、年度末に見込みと確定した単価の差異により費用の変動が生じる可能性があります。顧客との契約回線数あるいは通信トラフィックの増加に伴い、NTTドコモ他との契約帯域を増加する必要があり、通信接続料は継続増加する傾向にあります。通信接続料の帯域当たり単価が上昇あるいは想定より低下しない場合、通信トラフィックの増加等により想定よりも多くの契約帯域が必要となる場合には、当社グループの損益状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)外注について

 当社グループは、外注を活用しており、外注コストの変動が当社グループの損益状況に影響を及ぼす可能性があります。今後外注単価が上昇する場合、適切な外注工程管理ができない場合、外注費用に見合う売上を計上できない場合あるいは必要となる外注人員を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(4)競合について

 当社グループの法人向けネットワークサービスの主な競争相手は、NTTコミュニケーションズ及びKDDI等を含む通信キャリア及びそれらの関係会社等であり、また、システムインテグレーションにおける主な競争相手は、日本電気㈱、富士通㈱、㈱エヌ・ティ・ティ・データ及びそれらの関係会社等を含むシステムインテグレーター等であり、これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源及び幅広い顧客基盤等を有している企業があります。これら競合他社の中には、当社グループよりも低価格でサービスを提供するものや当社グループでは提供していないサービスを提供するもの等があります。競合先の営業方針及び価格設定は、当社グループの属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的に差別化を図れず当社グループが想定しているとおりの事業進展が図れない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループのクラウドコンピューティングサービスにおける競争相手は、上記の競合先の他にAmazon Web Services, Inc.やMICROSOFT CORPORATIONを含む外資系等があり、それらの競合先は多大な経営資源をクラウドコンピューティング及びアウトソース関連事業に投入する可能性があり、その場合には、近い将来、価格を含む激しい競争が生じる可能性があります。当社グループが、クラウドコンピューティングサービスについて競合他社との差別化を有効に図ることができない場合、想定する売上や利益を確保できない場合及びクラウドコンピューティングサービスへの投資が効果的なものとならなかった場合等には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループのMVNEを含む個人向けモバイルサービスの主な競争相手は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループ㈱を含む通信キャリア及びそれらの関係会社等並びにNTTコミュニケーションズを始めとするMVNO事業者であり、競合他社の多くは、当社グループに比べ高い知名度あるいは大きな資本力等を有しており、積極的な広告宣伝活動、低価格でのサービス提供及びその他のサービスとの組み合わせ販売による顧客囲い込み等を行っております。また、今後更に競合他社が新規参入し、これらの競争が激化する可能性もあり、当社グループがこれらの競合先に対し効果的に差別化を図れず想定どおりの事業進展が図れない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 なお、当社グループとNTTグループとの競合の状況については、後記の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク 4.NTTグループとの関係について (4) NTTグループとの競合について」に記載のとおりであります。

3. 当社グループの事業運営について

(1)人的資源の確保

 当社の代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一、代表取締役社長兼COOの勝栄二郎をはじめとする当社グループ各社の経営陣の事業運営に関する能力及び統率力等は、当社グループの事業推進にとって重要であります。また、当社グループの提供するサービスの安定的な提供は、当社グループの技術部門及びその他のスタッフによる継続した役務に依存しております。当社グループの事業が拡大するにつれ、優秀な経営陣を輩出し、技術、営業及び企画管理面にて適切な人的資源を適切な時期に確保していく必要があります。当社グループが、必要とする能力のある経営陣及び従業員を確保又は維持できなかった場合、必要以上に人員数を採用したこと等により人件関連費用を適切にコントロールすることができなかった場合、労働市場において想定よりも人件費が高騰した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(2)グループ経営について

 当社は、連結子会社及び持分法適用関連会社各社と協働し相乗効果を発揮した経営を目指しており、密接な事業連携が必要なため、当社グループ各社の役員には当社役員及び従業員が一部兼務をしており、当社からの従業員の出向も行っております。本書提出日現在、当社は関係会社として連結子会社16社、持分法適用関連会社8社を有しており、各社の損益状況は、連結子会社であれば当社グループの連結財務諸表に結合され、持分法適用関連会社であれば持分法損益として当社グループの連結財務諸表に取り込まれ、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社の各社に対する投資価値は、各社の事業状況によって変動する可能性があり、各社の損益状況が芳しくなくその損失の額が大きい場合等投資価値が減少する場合には投資効果を実現することができず、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社は、持分法適用関連会社であった㈱クロスウェイブ コミュニケーションズ(以下、「クロスウェイブ」といいます。)へ多額の投融資を行っておりましたが、平成15年8月のクロスウェイブの会社更生手続き開始の申立により、平成16年3月期までに、この投融資全額が損失となりました。当社グループは、平成15年3月期及び平成16年3月期にて、クロスウェイブに関する持分法損失、投資及び預託金(拘束預金)ならびに貸付金に対する評価損失及び貸倒損失として、それぞれ12,667百万円及び1,720百万円を計上いたしました。
 当社は、平成22年9月に、主としてWANサービス等を提供するIIJグローバルを、AT&TジャパンLLCより9,170百万円にて取得し、当社の完全子会社といたしました。平成29年3月期及び平成30年3月期の連結業績におけるIIJグローバルに係る営業収益はそれぞれ28,012百万円及び28,985百万円であり、営業利益はそれぞれ590百万円及び487百万円でありました。平成30年3月期末におけるIIJグローバルに係る償却対象及び非償却対象の無形固定資産の残高は合計で3,760百万円であり、同社が、想定どおりに売上あるいは利益を達成できず将来に渡り当該無形固定資産に見合う価値がないと判断する場合には、当該無形固定資産について評価損失を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 平成19年7月に設立した連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。当社は、本書提出日現在において、同社に対して累計2,575百万円を出資(出資比率:79.5%)しております。平成29年3月期及び平成30年3月期におけるATM運営事業セグメントの売上高はそれぞれ4,050百万円及び4,031百万円であり、営業利益はそれぞれ1,438百万円及び1,510百万円でありました。同社が、想定どおりにATM機器の設置を進めることができない場合、顧客の消費意欲減退によりATM利用回数が想定を大幅に下回る場合、利用者の減少が生じる場合、想定外の費用が生じる場合、関係各所との良好な関係を維持できない場合等には、同社事業の継続が困難となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社は、主として個人向け固定インターネット接続サービスを提供する完全子会社であった㈱ハイホーの全株式を、平成29年12月31日付けにて譲渡いたしました。
 当社は、当社グループ各社との協働効果を継続し、あるいは更に発揮するために、各社に対する出資比率の引き上げ、金融支援の提供、保証の供与、合併他によるグループ編成の変更を行う可能性があります。これら取引が当社の期待する協働効果をもたらさない場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、関係会社を新設し新規事業の立ち上げを行う場合があります。新設会社は事業立ち上げ時においては赤字になることが予想され、新設会社の事業が想定どおりに立ち上がらないあるいは伸長しない場合には、想定以上の損失を計上するあるいは追加的な資金拠出を行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループは、事業規模、顧客基盤及びサービス提供領域の拡大等のためM&A等を行う可能性があります。M&Aにより取得した事業が当社の期待する業績を実現できない場合や、取得した事業に係る大口顧客の解約、価格見直し又は取引規模縮小等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループ各社の資本戦略の遂行には、当社の資金調達又は株式の発行等が必要となる可能性があり、その資金調達又は株式の発行等の額が大きい場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社が支配的持分を有していない持分法適用関連会社について、当社及び連結子会社と当該関連会社との戦略に乖離が生じた場合には、当社の利害はこれら関連会社又はこれら関連会社の当社以外の株主の利害から乖離し、グループとして連携した事業運営ができず相乗効果を発揮できない可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

4. NTTグループとの関係について

(1)NTT及びNTTコミュニケーションズの出資経緯等について

 NTT及びNTTコミュニケーションズと当社グループとの資本取引は、平成8年1月の当社の資本強化のための第三者割当増資におけるNTTの資本参加、平成9年9月のインターネットマルチフィード㈱のNTT(その後、NTTの組織改編によりいずれもNTTコミュニケーションズに株主が変更。)との合弁による設立、平成15年9月のクロスウェイブの会社更生手続開始による財務損失を補うためのNTT及びNTTコミュニケーションズを主要引受先とする第三者割当増資の実施等があります。以降、NTTは当社のその他の関係会社に該当することとなりました。平成30年3月期末現在、NTT及びNTTコミュニケーションズはあわせて、当社の議決権比率の26.9%を所有しております。

(2)NTTグループとの人的関係について

 本書提出日現在、当社の取締役会は、社外取締役5名を含む13名により構成されております。そのうち、社外取締役(非常勤)である海野忍は、NTT出身者でありますが、社外取締役として当社の経営執行監視機能を担っており、当社の社外取締役への従事にあたり資本的関係又は取引関係その他の利害関係を取り決めたことはありません。

(3)NTTグループとの取引関係について

 当社は、インターネット接続サービス及びデータセンターサービス等の提供にあたり、アクセス回線等についてNTT東日本及びNTT西日本、国内バックボーン回線及び国際バックボーン回線ならびにデータセンター施設設備等についてNTTコミュニケーションズ、モバイル通信回線等についてNTTドコモの提供するサービスを多く利用しております。平成30年3月期における、これらに係る費用は35,183百万円でした。
当社は、ネットワーク関連及びクラウドコンピューティング関連等の機器調達にあたり、NTTファイナンス㈱とリース取引を行っております。平成30年3月期末における、同社に係るリース債務は3,089百万円でした。
 NTTグループとの商取引は、いずれも通常の商慣習の範囲であり、出資関係にあることによる特別な取り決めは存在しておりません。

(4)NTTグループとの競合について

 NTTグループにおいて、ISP及びネットワーク関連事業並びにシステムインテグレーション営む企業として、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、㈱エヌ・ティ・ティ・データ、NTTセキュリティ㈱、㈱エヌ・ティ・ティ ピー・シー コミュニケーションズ、㈱NTTぷらら等があります。
 当社グループの事業にて、これらNTTグループ企業との間において一部の案件に競合が生じることはあると認識しておりますが、NTTグループとの競合について特段の調整事項は存在せず、当社グループとして自主性をもった経営を推進しております。

5. 業績等について

(1)業績の変動について

 当社グループの最近2連結会計年度における四半期毎の連結業績の推移は、以下のとおりであります。

(単位:千円)

  平成29年3月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 年度計
営業収益(売上高) 36,179,251 37,944,019 39,478,682 44,187,107 157,789,059
うち、ネットワークサービス 22,075,151 22,760,615 23,644,770 24,515,300 92,995,836
うち、システムインテグレーション 12,366,306 13,402,020 14,089,702 17,890,665 57,748,693
うち、機器販売 729,699 736,959 740,991 786,800 2,994,449
うち、ATM運営事業 1,008,095 1,044,425 1,003,219 994,342 4,050,081
営業利益 836,319 1,111,383 1,207,617 1,978,988 5,134,307
税引前当期(四半期)純利益 994,070 1,111,285 1,327,675 1,994,130 5,427,160
当社株主に帰属する当期(四半期)純利益 529,259 578,675 802,327 1,256,249 3,166,510

(単位:千円)

  平成30年3月期
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 年度計
営業収益(売上高) 40,963,905 42,024,380 44,623,689 48,438,675 176,050,649
うち、ネットワークサービス 25,685,684 26,599,757 27,714,156 28,119,300 108,118,897
うち、システムインテグレーション 13,599,307 13,399,706 15,302,044 18,129,611 60,430,668
うち、機器販売 675,922 983,997 615,444 1,195,037 3,470,400
うち、ATM運営事業 1,002,992 1,040,920 992,045 994,727 4,030,684
営業利益 1,124,391 1,191,138 1,460,078 2,986,595 6,762,202
税引前当期(四半期)純利益 1,162,607 1,306,192 1,859,774 3,511,550 7,840,123
当社株主に帰属する当期(四半期)純利益 706,044 781,925 1,199,927 2,421,053 5,108,949

(注)営業収益には、消費税等は含まれておりません。


 当社グループの年間、半期及び四半期における営業収益及び営業損益の規模ならびに計上時期は、国内景気の動向、企業のシステム投資及び支出の動向、特にシステムインテグレーションにおける案件数の状況や大型案件の有無及びその利益率ならびに個別案件の進捗状況、継続的取引であるネットワークサービス売上の期中の積み上げ状況、ネットワークサービスにおけるネットワーク関連コストの推移状況、クラウドコンピューティングサービス及びモバイルサービスの収支状況、国際事業の進展状況、非償却無形固定資産の評価損失の計上の有無及び規模、M&A等による事業の取得の有無及び規模等により変動し、税引前当期純利益及び当社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の変動に加え、保有投資有価証券の価値の変動(主として、保有投資有価証券の売却及び評価損益の規模)、為替レートの変動、持分法適用関連会社に関する持分法投資損益の変動、税効果等により変動するため、当社グループの年間、半期及び四半期の業績は当社グループの今後の業績予想の目安とはならない可能性があります。
 当社は、特に重要な取引先の一部において、事業戦略や事業上の関係等を総合的に勘案し、中長期的に当社の企業価値を高め株主及び投資家の利益に繋がると考える場合に、その発行株式を政策保有株式として保有しており、また今後保有する可能性があります。これらの投資有価証券の価値が減少した場合には、売却損や評価損等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 事業等のリスクに記載する事象あるいはその他の事象の発生により、開示する業績予想数値を達成できない可能性があり、当社グループは、平成26年3月期、平成27年3月期及び平成29年3月期において連結業績予想を修正しております。特に、新たなサービス及び事業に係わる投資及び費用の増加に対する当該売上の規模及び計上時期は概して変動しやすく、業績の変動要素となりうる傾向があります。
 当社グループは、平成28年5月13日付の平成28年3月期決算短信において、平成29年3月期を初年度とする平成33年3月期までの5ヵ年中期計画を公表いたしました。当該中期計画における業績目標は、現時点で認識する市場及び経済の状況等を踏まえて作成しておりますが、売上及び費用等の各項目を積み上げて算出したものではなく、市場の変化、経済状況の変動及び競合状況の大きな変化等により、達成できない可能性があります。

(2)システムインテグレーションについて

 一般に、システムインテグレーション及び機器販売の取引は、多数の国内企業の決算月である3月末に偏重する傾向があります。当社グループの四半期毎の営業収益及び損益の変動は、特にシステムインテグレーションにおいて大きく、営業収益及び利益の金額は第4四半期に増加する傾向があります。当社グループがシステムインテグレーションにより売上及び利益を計上する能力ならびにかかる売上及び利益を実現する時期、特に大口案件における売上実現の時期及び利益の変動は、当社グループの営業収益、損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。
 システムインテグレーションにおいては、運用保守案件では継続的な売上計上が期待されますが、新規構築案件の案件数の状況や運用保守契約内容の見直し等により、売上及び損益が変動する可能性があります。クラウドコンピューティングサービス関連の案件が増加した場合、構築におけるハードウェアの売上部分が減少し、売上規模が変動する可能性があります。大規模な構築案件では、一般的に検収までの期間が長くなることがあり、より緻密なプロジェクトの進捗管理が求められ、また、案件獲得のため顧客に価格競争力のある提案をすることで収益性が低下する等の競合による利益率低下の可能性があります。システムの不具合、仕様の変更、想定外の人員稼動等の要因により当社グループが適切にプロジェクトの進捗管理を行うことができない場合には、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があります。システムインテグレーションにおいては外注を活用しておりますが、外注単価が上昇し、あるいは適切な外注工程管理ができず、若しくは外注費用に見合う規模の売上を計上できない場合等には、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループが、システムインテグレーションの案件の完遂に必要な技術者、外注先を含むソフトウェア開発要員を適切に確保できない場合には、売上計上が遅延し、あるいは契約が解消される可能性があります。また、顧客のデータを適切に取り扱うことができなかった場合には、訴訟の提起等の可能性もあり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(3)非償却無形固定資産の評価損失の計上について

 当社グループは、M&A取引を行った場合に、連結貸借対照表に非償却無形固定資産を計上する場合があります。平成30年3月期末現在の当社グループの連結貸借対照表における無形固定資産の残高は、8,787百万円でありました。このうち、電話加入権を除くのれん等の非償却無形固定資産の残高は6,082百万円でありました。また、償却対象無形固定資産(顧客関係)の残高は2,671百万円でありました。平成30年3月期末現在の当社グループの連結貸借対照表における無形固定資産のうち、IIJグローバル及び平成22年4月に吸収合併した㈱アイアイジェイテクノロジーに係る残高はそれぞれ3,760百万円及び3,852百万円でありました。事業の状況に重要な変化が生じている場合には、減損テストの実施により、非償却無形固定資産が減損していると判断され評価損失を計上する可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(4)M&Aについて

 当社グループは、今後も事業規模拡大のために、人材、顧客基盤、アプリケーション関連技術、海外事業基盤等の経営資源の拡充及び当社グループとのシナジー効果の発揮等を目的として、M&A取引を実行する可能性があります。M&A取引実行にあたって過大な経営資源を投入した場合、取引条件が良好ではない場合、想定する業績やシナジー効果が達成されない場合、適切なM&A取引を実行できず事業拡大のための経営資源を十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(5)保有投資有価証券の価値の変動について

 当社グループは、当社の関係会社以外にも、事業関係の強化を目的とした事業会社に対する出資、資金運用を目的とした株式等への投資、主として非上場企業へ投資を行う投資事業有限責任組合等へ投資をしております。平成30年3月期末現在の当社グループの連結貸借対照表における残高は、上場株式等の売却可能有価証券9,288百万円、非上場株式等1,014百万円及び出資金等1,072百万円でありました。当社グループは、今後も新たに投資有価証券を取得する可能性があります。当社グループは、これら投資有価証券の一部を処分することがあり、平成29年3月期及び平成30年3月期において、それぞれ217百万円の売却益(純額)及び1,068百万円の売却益(純額)を計上しております。これら投資有価証券の価値は、その時価、経営状況等により変動し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。また、投資有価証券を処分するにあたり経済的に有利な条件で処分できるかどうかは定かではなく、売却益の計上の額及びタイミングの変動により当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループは、平成29年3月期及び平成30年3月期において、保有する投資有価証券に対する減損損失をそれぞれ31百万円及び110百万円計上しております。今後も投資有価証券に対する減損処理を行う可能性があり、その場合、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 平成30年3月末現在の株価で算出される保有上場投資有価証券の含み益は7,525百万円でありました。当社グループが採用する米国会計基準の改定により、含み益の税効果控除後の益5,091百万円が、平成31年3月期期初に連結損益計算書に計上されずに連結貸借対照表のその他の包括利益累計額から利益剰余金に一括して振り替えられました。以降は、四半期決算毎に、株価変動による含み損益の増減が、上場有価証券評価損益として連結損益計算書 営業外損益のその他の収益(費用)に計上されます。保有する上場有価証券の株価が下落した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

6. 法的規制等について

(1)電気通信事業法について

 当社及び当社グループの一部は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法の規制を受けております。当社らの業務に関し通信の秘密の確保に支障があるとされた場合、その他当社らの業務の方法が適切でないとされた場合には、総務大臣より業務方法の改善命令その他の措置がとられる可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 また、平成26年に施行された改正電気通信事業法において、国民生活に重要な役割を果たす優良かつ大規模なサービスを提供する者として総務大臣が指定された事業者は、いわゆるキャリア系事業者と同等の規制の適用を受ける制度が発足しています。当社は現時点でかかる指定を受けておりませんが、近い将来当該指定を受ける可能性が高くなっています。指定を受けた後はより強い監督を規制当局から受けることとなり、当社の業務遂行が適切でない場合には、前記の業務方法の改善命令等の措置がとられる可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 このほか、平成27年に施行された改正電気通信事業法では、消費者保護を目的として、電気通信事業者及び取次代理店(媒介等業務受託者)を対象とした、説明義務の強化、初期解除制度の導入などの措置が為され、規制強化が行われています。当社又は取次代理店において業務の方法が適当でないとされた場合には、前記の業務方法の改善命令等の措置がとられる可能性があり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(2)インターネット等に関する法的規制について

 インターネットに関する法的規制については既に多くの制度が存在しますが、インターネット上の違法及び有害情報への対処の強化、サービス利用者の本人確認厳格化、青少年保護対策等の観点を中心に、規制強化の必要性が継続的に主張されており、これらの点について、具体的な対処義務を電気通信事業者に課する制度が検討、実施される可能性があります。制度の内容次第では、対応するための多くの処理コストや設備投資が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 一方で、インターネットの利用用途の多様化や役務を利用する当事者関係の複雑化により、著作権法等の既存の法令の適用関係において明快に解釈することが困難な事象も見受けられます。当社グループがこれらに対する対応等を誤り当社グループの信用が毀損した場合や、法令解釈が不明確であることを理由に当社の顧客が新規投資を抑制する行動をとった場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 また、個人向けサービスの契約者数が増加傾向にあり、消費者保護法を始めとする消費者保護関連法令が適用される事業領域が拡大しています。これらの法令に当社グループ又は当社グループの取次代理店等が違反した場合、行政による不利益処分、法的責任の追及及び企業イメージの悪化等を招き、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 このほか、当社グループの事業に関わる法規制が新設又は強化された場合には、当社グループの事業運営の自由度や迅速性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(3)知的財産権等について

 当社グループは、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害することのないよう万全を期しておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償の負担が生じる可能性があります。また、当社の役務に関わる基盤技術の重要な一部について第三者の特許取得が認められた場合あるいは将来特許取得が認められた第三者の技術が基盤技術の重要な一部を構成することとなった場合には、当社グループは、事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する必要が生じる可能性があります。このような損害賠償及びライセンス料の多額の負担が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 当社グループは、サービスの開発及び運用にあたりオープンソースソフトウェアを積極的に活用しておりますが、オープンソースソフトウェアについてはライセンス条件の法的位置付けに不明点がある等の問題があり、予期しない利用上の制約が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
 また、当社グループは自社が保有する知的財産権について適切な保護管理策を講じており、今後も講じていく考えでありますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難でもあり、当社グループの重要な知的財産権が第三者に不当に侵害された場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(4)外国法について

 当社は、日本国外に関係会社を有しており、かかる関係会社において当該国の法令を遵守するよう努めておりますが、国によっては、当該国の当該関係会社の行為に限定されず、企業集団全体に適用される法制度を設けている場合があります。例えば、米国のFCPA、EUのGDRP等が挙げられますが、当社グループとしてそれらの法制度への対応を誤った場合、多額の罰金が課せられるなどにより、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

(5)訴訟等について

 本書提出日現在、当社グループの財政状況に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟は提起されておりませんが、将来に亘り、サービスの不具合、システムインテグレーションの瑕疵や納期遅延、知的財産等第三者の権利の侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えい若しくは毀損、不適切な消費者対応、不適切な人事労務管理又は当社のADR若しくは当社の株式等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。
 これらの訴訟を起こされ、当社グループの責に帰すものと認められた場合には、また訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

7. 今後の資金需要について

 当社グループの平成30年3月期末における現金及び現金同等物の残高は21,403百万円と、前年同期末比556百万円の減少となりました。また、当社グループの平成30年3月期末における銀行借入残高は24,750百万円と前年同期末比7,000百万円増加し、リース債務残高は16,577百万円と前年同期末比1,373百万円増加いたしました。
 当社グループの設備投資は増加しており、今後もネットワーク設備、クラウドコンピューティングサービス関連設備、バックオフィス関連設備等の維持、更新及び拡張に関わる投資及び費用、サービス開発及び運営並びに事業開発に関わる投資及び費用、自社データセンター建設に関わる投資及び費用、人員拡大に伴うオフィススペース拡張等に関わる投資及び費用、事業拡大に伴う運転資金の増加、グループ事業拡大のための投融資及びM&A取引等に資金が必要となる可能性があります。当社グループは、通信機器等の購入は、リース取引による調達を主体としております。事業環境の変化に起因して、当社グループの事業において想定を上回る資金需要が生じる可能性があり、今後のリース取引を含む資金調達について、当社グループにとって好ましい条件で実行できる保証はなく、それが当社グループの事業進展の制約要因となる可能性があります。

8. その他

(1)株式の希薄化について

 当社は、平成25年7月に公募増資にて4,700,000株、平成25年8月に公募増資に関連したオーバーアロットメントによる売出しにかかる第三者割当増資にて700,000株の新株を発行いたしました。今後も、将来の戦略的M&Aや大規模事業投資等を目的とした資金需要に応じて、新株、新株予約権付社債又は新株予約権等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
 当社は、当社の取締役(非常勤取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員に対して、各々の退職慰労金及び退職金の代替として、新株予約権方式による株式報酬型ストックオプション制度を導入しております。当該新株予約権の概要は、後記の「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

(2)英文年次報告書との相違について

 当社グループは、英文年次報告書(以下、「Form 20-F」といいます。)を米国SECに提出し、開示を行っております。Form 20-Fは、日本及び米国における開示基準及び要領の相違等により、その様式及び内容について本書と異なります。

(3)国際財務報告基準(IFRS)の適用について

 当社グループは、平成31年3月期有価証券報告書提出時からの国際財務報告基準(IFRS)の適用を予定しております。平成31年3月期決算短信及び定時株主総会事業報告書における連結計算書類は米国会計基準が適用され、平成31年3月期本書における連結計算書類(IFRS)とでは、主として上場有価証券の評価損益の計上等にて業績数値が異なるものとなる見込みです。


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