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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.29
2015年11月25日発行
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目次

エグゼクティブサマリ

先日ハンガリーのブダペストで行われたTELECOM2015に行って参りました。ドナウ川の両岸に広がる美しい街並みと古い歴史や文化に触れることができました。このITU主催の展覧会はベンダーと通信キャリア双方の出展がメインですが、今回は中国企業が後援、アフリカや中央アジアからの参加が目立ち、欧米やアジアからの出展が少なかったのが印象的でした。従来は通信キャリアのサービスの紹介や商談の場だったTELECOMイベントの主役が、インターネット技術を核にした仕組みやインターネットを使いこなすスタートアップ企業同士のマッチングなどを中心とした、インターネットに置き換わってしまったのだと実感しました。「もはやインターネットは特殊ではない」いつでも手軽に使える通信インフラになってきていることを再認識してきました。だからこそ、そのインフラのセキュリティに常に気をつける必要があるのだ、と気を引き締めて帰国いたしました。

本レポートは、このような状況の中で、サービスプロバイダとしてのIIJが、インターネットやクラウドの基盤を支え、お客様に安心・安全に利用し続けていただくために継続的に取り組んでいる様々な調査・解析の結果や、技術開発の成果、ならびに、重要な技術情報を定期的にとりまとめ、ご提供するものです。

1章では、日々のインシデントの解説を中心に解説しています。最近のDDoS攻撃は、背景に犯罪や政治的なメッセージが含まれているなど、内容がエスカレートする傾向にあるようです。そんな中、フォーカスリサーチとして経路ハイジャックを取り上げて解説しています。IPアドレスを管理し、インターネットへの到達性を保証する裏方の一面を知ることができると思います。

2章では、コンテンツ配信技術にフォーカスしています。スポーツや音楽会などの中継放送はテレビでよく見かけますが、弊社では大容量のバックボーン回線を使ったコンテンツ配信を行っています。2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えてインターネットによる4K/8K伝送などを検証しており、その内容や将来の方向性について解説しています。

インターネット・トピックでは、コンテナ型データセンターを取り上げました。インフラの作り方の新しい方式として機能ブロックを組み合わせる電子ブロックのような思想。外気空調を積極的に利用し新しいデータセンターのコンセプトを作り始めています。そして、海外からも受注し様々な環境下でも安定して動いています。その背景や詰め込まれたノウハウについて解説しています。

IIJでは、このような活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながらも、日々改善し発展させていく努力を続けております。今後も、お客様の企業活動のインフラとして最大限に活用していただけるよう、様々なサービス及びソリューションを提供し続けて参ります。

山井 美和

執筆者プロフィール

山井 美和 (やまい よしかず)

IIJ 常務執行役員 サービスオペレーション本部長。1999年6月IIJに入社と同時に株式会社クロスウェイブコミュニケーションズへ出向し、WDM・SONET網構築、広域LANサービスの企画、データセンター建設に従事し、2004年6月に帰任。帰任後は、IIJサービスの運用サポート部門を統括し現在に至る。同時にIIJのデータセンター事業を統括し、国内初の外気冷却を用いたコンテナ型の「松江データセンターパーク」の立ち上げを主導している。


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