「イニシアティブ」を取り続ける

IIJを設立して4半世紀、25周年を迎えました。インターネットは、20世紀最後の大きな技術革新であり、21世紀には、巨大な産業のエンジンとなると確信していた技術者が集まり、すべてがゼロの状況で始めました。インターネットという言葉を知る人も稀、市場もなく、理解者もいなかった時代です。

通信とコンピュータが同じ技術基盤になることで、国政から、産業・経済、人々の暮らし方に至るまで、すべてを変える技術革新に対応し、インフラからサービス開発まで、「インターネット」を担うのがIIJの使命でした。設立後、ブラインドすらない解体間際のビルにオフィスを構えたのが、その始まりです。数年間の独占事業を経て、インターネットの発展のために、厳しい競争がインターネットの世界を広げるのだと、新たに参入する企業に対し、技術的な支援を行ったのも、インターネットが巨大な市場になることを見越していたからです。結果として、インターネット接続を提供する企業による激しい顧客獲得競争となり、インターネットを利用する人々の裾野を一気に広げました。

いまやIT企業が、世界の時価総額のトップ10の過半を占める時代になりました。にもかかわらず、ITの世界は、ようやく序奏を終えた段階であると思います。将来を考える時、その可能性の大きさに目がくらむような変化が脳裏に浮かびます。将来に向けて、「イニシアティブ」という社名に表現された思いを、日本だけでなく、グローバルに展開していくことが、IIJの目指す方向です。

株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役会長 鈴木 幸一