1. ホーム
  2. 法人のお客様
  3. クラウド
  4. IIJ GIOベストプラクティス
  5. ハイブリッドクラウド

IIJ GIOベストプラクティス - リファレンスアーキテクチャ

ハイブリッドクラウド

オンプレミスの環境をクラウドに拡張して、ボーダレスに利用する。それがIIJの考える「ハイブリッドプライベートクラウド」のコンセプトです。オンプレミスとパブリッククラウドとのハイブリッドでは実現が困難な、オンプレミスとのボーダレスな移行・ネットワーク・運用が可能になります。

その他の
ベストプラクティス
を探す(一覧へ)

最適な利用シーン

オンプレミスの環境をクラウドに拡張する「ハイブリッドプライベートクラウド」

適用可能なシステム

  • 時間とコストを抑えた既存システムのクラウド化
  • クラウドを一時的、短期的に活用し、ITインフラの俊敏性と弾力性を向上

アーキテクチャの概要とメリット

アーキテクチャ概要図

  • IIJ GIOの仮想化プラットフォーム VWシリーズ(以下、IIJ GIO VWシリーズ)を利用することで、オンプレミスのVMware環境と同じプラットフォームのクラウド環境が実現します。オンプレミスのVMware仮想マシンは、そのままクラウドでも動作可能。クラウドサービスの仕様に合わせた再設計や運用の見直しをすることなく、既存のシステムをそのまま移行できます。
  • 「ハイブリッドクラウド L2ネットワーク延伸ソリューション」を活用することにより、オンプレミスとクラウドをL2ネットワークで接続できます。クラウド移行の際のIPアドレスの変更やネットワークの再設計の影響を抑えることができます。
  • オンプレミスと同一のプラットフォームを利用するため、現在の運用ノウハウやツールをそのままクラウドにも適用可能。また、IIJ統合運用管理サービスを利用することで、オンプレミスとクラウドを統合的に運用監視できます。

アーキテクチャ解説

オンプレミスとの親和性が高い、ハイブリッドプライベートクラウドを実現

IIJ GIO VWシリーズを利用することで、オンプレミスとの親和性が高く、一体運用が可能な「ハイブリッドプライベートクラウド」を実現できます。

VMware仮想化基盤のクラウド「IIJ GIO VWシリーズ」

  • IIJ GIO VWシリーズは、仮想サーバではなく、VMwareの仮想化基盤を提供するクラウドサービスです。自由にOS、サーバスペック、ネットワークを構成可能なので、柔軟性と自由度が高いITインフラを実現できます。
[効果]
  • 管理サーバ(vCenter)を管理者権限で利用可能なので、オンプレミスのVMware環境と変わらない操作感で運用できます。
  • OSやミドルウェアの各種ライセンスを持ち込み可能なので、既存資産を有効活用できます。
  • 申し込み後即時利用が可能で、1日単位で契約できます。一時的、短期的な利用にも対応が可能です。
システム概要図

ハイブリッドプライベートクラウドの活用シーン

IIJ GIO VWシリーズを利用したハイブリッドプライベートクラウドでは、オンプレミスのVMware環境で動作している仮想マシンイメージがそのまま動作可能です。時間とコストを抑えたシステムのクラウド移行や、突発的なITリソース要求時にはクラウドを利用し、またオンプレミスに戻すなど、柔軟なリソース拡張、縮退が可能になります。オンプレミスとクラウド間でのITリソース最適配置で、ビジネスやシステムのライフサイクルに合わせたITコストの最適化を図ることができます。

利用シーン1:既存システムのクラウド化

  • オンプレミスのVMwareの仮想マシンイメージをそのまま移行できるので、移行の際に発生する各種作業、コストを最小化することができます。物理サーバのP2V移行も可能です。
  • クラウドで稼動するシステムをオンプレミスに戻すこともできるため、ベンダロックインを回避できます。
システム概要図

利用シーン2:迅速にITリソースを増減

  • オンプレミスのシステムはハードウェアリソースの調達から構築に2~3ヵ月かかってしまいます。一時的、短期的な利用をクラウドに任せることで、オンプレミスに余剰リソースを持つことなくITインフラの俊敏性と弾力性を向上させることができます。
  • オンプレミスは計画的なリソース拡張が可能になり、リソースの余裕ができたタイミングでクラウドのシステムをオンプレミスに戻せます。無駄のない調達と稼働率の向上が期待できます。
システム概要図

オンプレミスとクラウド間でボーダレスに仮想マシンを移行する環境の実現

オンプレミスとIIJ GIO VWシリーズ間で仮想マシンを移行する方式として、VMwareから提供されているvCloud Connectorや、vSphere Replicationが活用できます。

vCloud Connectorの活用で、仮想マシンを簡単コピー

  • vCloud Connectorは、VMware環境間で仮想マシンのオフラインコピーを行うことができるツールです。VMwareより仮想アプライアンスとして無償提供されています。
[効果]
  • vSphere ClientのGUIからの簡単な操作で、オンプレミスとクラウド間で仮想マシンのコピーができるようになります。
  • オンプレミスとIIJ GIO VWシリーズの間でvCenterやvSphereのバージョンが異なる場合でも利用できます。
システム概要図
対応するデザインパターン

vSphere Replicationの活用で、移行の停止時間を短縮

  • vSphere Replicationは、VMware環境間で仮想マシンのレプリケーションを行うツールです。オンプレミスからクラウドへデータをレプリケーションしておき、移行のタイミングでレプリケーションを解除してクラウド側で仮想マシンを起動することで、仮想マシンの移行を実現できます。
  • クラウドからオンプレミスに戻す場合は、クラウド側をレプリケーション元として設定し、レプリケーションを行います。
[効果]
  • vSphere Replicationはレプリケーション元の仮想マシンがオンライン状態で利用できるので、システム移行の停止時間を短くしたい場合に有効です。
  • 災害対策を兼ねる場合にも有効な方式です。
システム概要図
対応するデザインパターン

データ容量が多い場合のデータ移行方式

オンプレミスからクラウドにシステムを移動するにあたり、大量のデータをいかに短時間で移行するかは重要なポイントです。IIJ GIOへのデータ移行で活用された実績のある方式として、以下のパターンをご紹介します。

重複排除ストレージの仮想アプライアンスを利用

  • Quantum社のDXi Vシリーズは、VMware環境上に重複排除とレプリケーション機能をもつNASストレージを構築できる仮想アプライアンスです。
  • オンプレミスと IIJ GIO VWシリーズにDXi Vシリーズを構築し、仮想マシンのOVFイメージやバックアップデータをDXi Vシリーズに格納することでデータのレプリケーションを実現します。
[効果]
  • データの重複排除を行ったうえでレプリケーションします。データ移行を複数回に分けて実施する場合、2回目以降のデータ転送は差分データのみとなります。通信量を削減し、データ転送時間を短縮できます。
システム概要図
対応するデザインパターン

データ可搬ディスクの持ち込み

  • お客様にて仮想マシンイメージやデータのバックアップを可搬性のハードディスクに格納し、IIJ GIOデータセンターのハウジングスペースに持ち込む方式です。
[効果]
  • ハウジングスペースとIIJ GIO VWシリーズはデータセンター内で構内接続されるため、広帯域なネットワークでデータを移行できます。
  • 大容量のデータを一度に移行する必要がある場合に有効です。
システム概要図

オンプレミスとクラウドとのプライベート接続

オンプレミスとIIJ GIOとのプライベート接続は、WAN、インターネットVPN、構内接続の3パターンで構成することができます。コストや利用シーンにあわせ、最適な構成を選択できます。

WAN接続のパターン

  • 専用線やWANサービスでIIJ GIOとのプライベート接続をするパターンです。
[効果]
  • マルチキャリアで様々な回線を接続できるので、既存のWAN拠点の一部にクラウドを追加できます。
システム概要図
対応するデザインパターン

インターネットVPNのパターン

  • インターネットVPNによりIIJ GIOとのプライベート接続をするパターンです。
[効果]
  • インターネットVPNを利用するため、WANサービスの利用と比較して、安価なプライベート接続を実現できます。
  • 1つの契約で複数のお客様拠点を接続することが可能です。拠点側のVPNルータ(エッジ)はIIJが設置、管理します。拠点にネットワーク管理者がいない場合のプライベート接続に有効です。
システム概要図
対応するデザインパターン

クラウドリソースとの構内接続パターン

  • ハウジングスペースにお客様機器を持ち込み、クラウドリソースとの構内接続を行うパターンです。
[効果]
  • システム間の連携トラフィックが多く、広帯域や低遅延なネットワークが必要な場合に最適です。
システム概要図
対応するデザインパターン

「L2ネットワーク延伸ソリューション」による、社内ネットワークとのボーダレスな接続

IIJ GIO VWシリーズとのハイブリッドプライベートクラウドでは、「ハイブリッドクラウド L2ネットワーク延伸ソリューション」を活用することで、オンプレミスのネットワークをクラウドに延伸することができます。
社内のネットワークとクラウドをボーダレスに接続することで、現在利用中のIPアドレスがそのままクラウドでも利用できます。

社内のネットワークをクラウドに延伸

  • 「ハイブリッドクラウド L2ネットワーク延伸ソリューション」は、IIJ独自開発のルータ「SEIL」を利用し、社内のネットワークとクラウドのネットワークの間をL2トンネルで結び、ネットワークセグメントを延伸するソリューションです。
  • プライベート接続の形態を問わず、WAN接続、インターネットVPN、構内接続のどのパターンでも構成が可能です。
[効果]
  • L2延伸を行うことで、システムのIPアドレスを変更せず、クラウドに移行することができます。
  • クラウド移行に伴う社内からの接続先変更や、周辺システムとの連携に起因する業務影響から開放されます。
システム概要図
対応するデザインパターン

ハイブリッドプライベートクラウドのボーダレスな運用

IIJ GIO VWシリーズとのハイブリッドプライベートクラウドでは、お客様のVMware運用ノウハウやツールがそのままクラウドにも適用できます。また、IIJが月額でライセンス提供する「vRealize Operations」を活用することで、オンプレミスとクラウドを横断した高度なキャパシティ管理が実現できます。

クラウドでもオンプレミスと同じ運用ツールを活用

  • オンプレミスで利用される統合運用ツールやバックアップツールの多くが、vCenter ServerやvSphereの仮想マシンバックアップ用APIである、vStorage API for Data Protection(VADP)との連携を必要とします。 IIJ GIO VWシリーズではこれらの機能が利用できるため、オンプレミスのツールをそのままクラウドでも活用できます。
[効果]
  • オンプレミスで利用するツールをそのままクラウドで活用することで、運用の変更を最小限に抑えることが可能です。
システム概要図

vRealize Operationsの活用で、キャパシティの「見える化」

  • vRealize Operationsは、VMwareが提供する仮想化環境のキャパシティ管理ツールです。複数のVMware環境を統合したキャパシティ管理が可能になります。
  • IIJ GIOでは、vRealize Operationsを月額ライセンスで提供しており、オンプレミスへの適用も可能です。
[効果]
  • オンプレミスとクラウドを横断したキャパシティ管理を行うことで、オンプレミス側の仮想マシンの集約率を向上させる、クラウドに仮想マシンを移す、などの計画立案ができるようになります。より無駄のないハイブリッドクラウド運用が実現できます。
システム概要図

オンプレミスとクラウドの統合的な運用アウトソース

「IIJ統合運用管理サービス」を活用して、オンプレミスとクラウドの監視・運用をアウトソース。運用負荷とコストを最適化できます。

IIJ統合運用管理サービスの活用

  • IIJ統合運用管理サービスは、オンプレミスもクラウドも一元的に監視・運用する「運用管理のクラウドサービス」です。エージェントレス型の監視ツールを利用するため、オンプレミス、クラウドの区別なく、システムに影響を与えず導入が可能です。
  • 監視のみの利用から24時間365日のオペレーションまで幅広い運用が可能です。
[効果]
  • オンプレミス、IIJ GIO、他社クラウドまでをワンストップで運用することができます。
システム概要図

構成サンプル

構成サンプル図

サンプル例:既存システムをクラウドに移行

  • オンプレミス環境の既存システムをクラウドに移行して利用する構成
  1. ①プライベート接続はWANサービスを利用。IIJ GIOデータセンターにお客様WANルータを持ち込み、既存WANにクラウドを接続
  2. ②オンプレミスのネットワークをクラウドにL2延伸することにより、IPアドレスを変更せずにシステムを移行。
     オフィスや連携システムからのアクセス経路も変更が不要。
  3. ③移行対象のシステムは、vSphereReplicationを利用してクラウドに仮想マシンイメージをレプリケーション。
     レプリケーションによるデータの移行で、移行時の停止時間を短縮
用途 サービス品目 数量 備考
仮想化基盤 IIJ GIO
インフラストラクチャー
P2 VWシリーズ
ベースセット ベースセット/VW 1 vCenterなど
統合管理サーバ
追加ディスクオプション/VW
1 vCenterのバックアップディスクとして利用
VMware
vSphere
ESXiサーバ
VW12-128-FC 2
データストア FC 2TB:L20/VW 1
VM通信
ネットワーク
プライベートネットワーク
1Gbps/VW
1 プライベート接続とVMware仮想マシンが通信するネットワーク
プライベート接続
(WAN接続)
IIJプライベート
アクセスサービス
Type-A 100Mbps 1 WAN回線、WAN収容ルータはお客様にて準備。
IIJデータセンターサービス 1/8ラック 1 WAN収容ルータ設置用
IIJデータセンターサービス/
構内回線接続
構内配線 2 GIO接続用
L2延伸 ハイブリッドクラウド
L2ネットワーク
延伸ソリューション
SEIL/x86 (仮想アプライアンス) 2 オンプレミス側、IIJ GIO側に1台ずつ構築
ソリューション構築作業 1式
仮想マシンのレプリケーション vSphere Replication Appliance IIJ GIO VWシリーズの標準機能として利用可能
追加ライセンスは不要
2 オンプレミス、IIJ GIOに1台ずつ構築

※両サイトで同一バージョンのvCenterServerであることが必要です。IIJ GIO VWシリーズでvSphere Replicationが利用可能なvCenter Serverのバージョンは5.5です。

※本構成は実際の性能を保証するものではありません。

関連情報

ベストプラクティス
その他のベストプラクティスを探す(一覧へ)