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グローバル・トレンド タイとベトナムの違い

IIJ.news Vol.176 June 2023

執筆者プロフィール

IIJ Global Solutions Thailand
IIJ Global Solutions Vietnam
President, CEO

松元 涼

筆者は2023年1月から、IIJ Global Solutions Vietnamに加えて、IIJ Global Solutions Thailandの社長職も兼任することになりました。これは、ベトナムとタイの二拠点を一体的に運営し、人材や営業網、保有技術などを相互に融通することで、インドシナ半島におけるIIJグループのプレゼンス拡大を狙うものです。

インドシナ半島の東西に位置するベトナムとタイは1000kmほどしか離れておらず、一見すると似たような文化圏とも思われがちですが、それぞれの性格は、歴史や宗教にもとづいて大きく異なります。両国拠点を同時にマネージメントする立場から、その違いを少しご紹介します。

タイは仏教の影響が強く、一般的に他者に対して融和的で、争いを好まず、物事を穏便に進める反面、あまり変化を好まない安定志向で、意思決定がいささか遅く感じることもあります。他方、ベトナムは急激な経済発展を続けており、高速道路や都市鉄道などの社会インフラ整備が急速に進んでいます。このような環境下で、変化に対して意欲的で、迅速な意思決定を求める傾向にあります。時には、他者を出し抜く強かさも必要です。

現地法人のマネージメントも、この違いを意識しながら行なっています。タイでは、なるべく社員の意見を汲み上げ、意思決定に至るプロセスを丁寧に説明することが求められます。業務責任を全うさせる厳しさも大事ですが、相互協力を促す雰囲気作りを心がけています。

一方、ベトナムでは、社員が会社の成長や変化を常に感じられるような運営を心がけ、リスクを許容して、新しいチャレンジを奨励します。プロセスやルールは状況に応じて柔軟に運用し、タイムリーな人事考課で成長や功績を適時に評価しながら、社員同士の競争を促すことも有効です。

タイはベトナムのことを競争相手ではなく地域の友人として捉えており、タイ首相が過去にそのような発言をしたこともあります。それに対し、ベトナムはタイを偉大な競争相手として考えており、この見解の違いは非常に示唆的です。

両国はASEAN域内において、今後も主要な位置を占めることは間違いなく、それぞれの長所を活かしながら、事業拡大を進めていきたいと考えています。

皆さまも、両国を訪問する機会があれば、こうした違いにも着目してみると面白いかもしれません。

タイ・バンコク

ベトナム・ハノイ


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