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Technical Now 株式会社仙台銀行 ゼロトラスト型リモートアクセスとタブレットで業務効率化と営業力強化を実現

IIJ.news Vol.176 June 2023

仙台銀行では、営業職員にモバイル端末を配布し、場所を問わず、社内システムにアクセスできる業務環境の構築を目指して、ゼロトラストネットワークアクセス機能を備えた「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」を導入。高いセキュリティが求められる金融機関のリモートアクセス環境として、セキュアかつ安定した機能により、業務効率化と営業力強化を実現した。

(左から順に)
仙台銀行事務部システム課代理 佐々木 健太郎 氏
同経営企画部DX推進室主任 足立 麻菜美 氏
同事務部システム課長 池田 美香 氏
同経営企画部DX推進室主任 三浦 若菜 氏
同経営企画部DX推進室長 髙橋 悠飛 氏

[導入前の課題]営業力強化に向けてモバイル端末の必要性が高まる

――従来のモバイル環境は、どのような状況でしたか?

髙橋:
タブレットを使ったモバイル環境はありましたが、一部の役職員が行内で利用するという運用制限がありました。法人の事業者向けサービスでは、対面で信頼性の高いコミュニケーションが求められます。営業力を高めるためには、対面の営業をサポートする渉外ツールが必須です。いつでもどこでも営業職員が渉外ツールを利用できるモバイル環境の整備が急務でした。

――渉外用タブレットのネットワークセキュリティに関しては、どのようなお考えでしたか?

髙橋:
渉外用タブレットを利活用する業務は広範にわたります。セキュリティ面で穴があるのは問題外ですし、「できることは多いけれど遅い」といった性能面の不足は、避ける必要がありました。
池田:
従来はインターネットなど外部ネットワークと行内のネットワークの接続を分離することで、端末のセキュリティを担保していました。しかし、渉外用タブレットは外部に持ち出して、行内のシステムやファイルサーバーを利用できる必要があり、従来とは別の経路で接続や認証をしなければなりません。
佐々木:
さらに、目が届かない外部での利用になりますから、出先でも一定水準以上のセキュリティを担保し、利用状況などのモニタリングができる必要もありました。

[選定の決め手]リモートアクセス環境構築をワンストップで提供

――IIJ以外の他社のソリューションも比較検討したのですか?

佐々木:
認証用のActive Directory(AD)をMicrosoft Azure上に構築するソリューションや、リモートデスクトップに近いソリューションなど、複数ベンダの提案を比較検討しました。我々の要件を詰めていくと、単にリモートワークで使えればいいというだけでなく、アクセス制御からゼロトラストに対応した管理まで含めたトータルなパッケージが必要と判断しました。そこで、2013年に新勘定系システムを構築した際にネットワークからセキュリティまでワンストップで提供してもらったIIJに、「まるごとお願いできる都合のいいものはないだろうか」と相談しました。

――IIJとは以前からお付き合いがあったのですね。

佐々木:
すでにネットワークのセキュリティ面や基盤としての回線のほか、ローカルのADやファイルサーバーの構築もIIJに提供してもらっていました。外部からのAD連携や認証、ファイルサーバーへのアクセスも、行内からと同じ仕組みで実現するには、実績のあるIIJにお願いするのが自然な流れでした。

――IIJから提案のあった「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」(ゼロトラストネットワークアクセス)に対する最初の印象は?

池田:
IIJフレックスモビリティサービス/ZTNAは、リモートアクセス機能と、セキュリティなどゼロトラスト対応の機能が一体になっているサービスで、探していたソリューションに合致していました。リモートアクセスを導入すると、これまでの行内外の境界のセキュリティだけでなく、モバイル端末のセキュリティも同時に管理しなければならず、リモートアクセスのソリューションにセキュリティ機能を吸収できることが評価のポイントでした。
佐々木:
IIJフレックスモビリティサービスは、独自の通信方式により、リモートアクセスの速度や安定性の評価が高く、実際にフレックスモビリティを試験してみたところ、一般のモバイル回線による接続やインターネット回線と比較してもスピードが出ていることが確認でき、快適性は確保できることがわかりました。

――渉外用タブレットの導入規模を教えてください。

佐々木:
当初は100台から導入を始め、最終的には渉外用タブレットを400台導入する予定です。それぞれにIIJフレックスモビリティサービス/ZTNAのライセンスとモバイル通信用のSIMを導入しますが、一度に全営業職員にタブレットを配布するのは現実的ではないので、数段階に分けて導入を進めています。

[導入後の効果]運用開始後はトラブルもなく業務効率も向上

――導入スケジュールを教えてください。

足立:
2022年9月頃に要件定義が終了し、行内の設定を本格的に渉外用タブレットに入れてキッティングして、12月から一部店舗で稼働を始めました。2023年2月に仙台市外の支店、3月に仙台市内と対応を広げて、2022年度中に全店で稼働する予定です。ただ、調整が必要なことが発生し、当初の予定よりスケジュールが押してしまいました。

――調整が必要なこととは?

佐々木:
動作検証の過程で端末ローカルに導入するセキュリティ製品と、フレックスモビリティサービスの制御のあいだに食い違いが生じたのです。従来から使っているセキュアブラウザなどのポリシーとフレックスモビリティとのあいだで許容範囲が異なり、通信できなくなるといった事象です。調整は想定以上にかかりましたが、追加の動作検証や確認を行なうことで解決しました。

――導入後の状況や見えてきた効果はどうお感じですか?

髙橋:
渉外用タブレット導入と同時に業務改革の一環として、これまで紙で発行していた通帳などの預り証の発行管理をデジタル化する「預かり物件管理システム」の稼働を始めました
三浦:
2022年12月から一部の店舗で預かり物件管理システムを利用していますが、大きな混乱などなく、自然に使えています。これまで外出から行内に戻り、夕方以降にしていた業務が、出先でのすきま時間にできるようになり、とても便利に使っています。

――フレックスモビリティサービスのZTNA機能についてはいかがですか?

佐々木:
管理者が事前に設定値を入れておけば、許容した内容や業務だけの通信に限定できるので、安心して使えています。IIJフレックスモビリティサービス/ZTNAには、トラフィック可視化の機能もあります。今後、トラフィックのモニタリングを活用する際に、画面が直感的に見やすく、運用監視のストレスがない点が良いと感じています。

――今後の取り組みについて教えてください。

髙橋:
渉外用タブレットの機能強化を図るだけでなく、営業ツールとしてのポテンシャルを最大限発揮できる機能を提供していただき、営業力強化とサービス向上につなげていきたいです。
池田:
行内のネットワーク環境にはまだ課題がありますので、IIJには引き続き、新しい提案をしていただきたいです。

株式会社仙台銀行

  • 本社:宮城県仙台市青葉区一番町2-1-1
  • 設立日:1951年5月25日
  • 資本金:227億3500万円(2022年3月末)
  • 支店数:72カ店(本支店68カ店、4出張所)
  • 従業員数:716人(2022年3月末)

2021年に設立70周年を迎えた宮城県仙台市に本拠地を置く第二地方銀行。「宮城県の金融円滑化への貢献」を企業使命として、地域社会から信用されることがすべての基本であることを示す行是「信為萬事本(しんをばんじのもととなす)」を掲げる。近年は、ローンや口座開設、諸届をWEB完結型にシフトするほか、バンキングアプリの提供などで非対面のサービスを充実させている。

  • ※ 本記事は2022年12月に取材した内容をもとに構成しています。
    記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。
  • ※ 会社名およびサービス名などは、各社の登録商標または商標です。

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