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再考 データ連携・データ戦略 簡単・セキュア・スピーディにデータ連携を実現するIIJクラウドデータプラットフォームサービス

IIJ.news Vol.176 June 2023

IIJが2022年12月から提供している「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」。
本稿ではその特徴や代表的な利用シーンを紹介する。

執筆者プロフィール

IIJ クラウド本部 プラットフォームサービス部長

鈴木 透

IIJクラウドデータプラットフォームサービスの特徴

IIJクラウドデータプラットフォームサービス(以下、IIJ CDP)は、オンプレミスとクラウドサービスをつなぐハブとして、システム間のデータ連携を実現するPaaSサービスです。システム間のデータ連携とは、例えばオンプレミスの契約システムに登録された新規契約データを営業支援SaaSに日次で連携し、営業活動を実績管理するといったもので、さらに具体的には――

  1. (1)契約システムのデータベースから当日の契約データを抽出
  2. (2)抽出した契約データをデータベースレコードからJSON形式にフォーマット変換
  3. (3)営業支援SaaSのデータ登録APIを利用して契約データを追記

さらに複雑な連携処理では、複数のデータベースから抽出したデータを結合し、複数のシステムにデータを連携し、実行結果を担当者にメールで伝えるといった処理が考えられます。これまでこうしたデータ連携は、クラウドサービスのAPIや通信プロトコル、データフォーマットに合わせたデータ変換処理を都度プログラム開発することで実現してきました。IIJ CDPは、従来のプログラム開発に比べて、簡単・セキュア・スピーディにデータ連携を実現し、クラウドらしい低コストかつスモールスタートが可能なサービスです。

さまざまなクラウドサービス、アプリケーションにつながる

豊富な連携アダプタ

IIJ CDPでは、FTP、HTTP RESTなど一般的なデータ通信プロトコルのほか、Salesforce、AWS(Amazon Web Service)など主要なクラウドサービスのAPIや、Oracle Database、SAPなどアプリケーションのデータ連携方式に対応した連携アダプタを、あらかじめ約90種類用意しています。IIJ CDPを利用することで、お客さまは連携先のシステムとのインタフェースを個別に開発することなく、データ連携を実現できます。

ノーコードで簡単・スピーディな開発が可能

データ連携処理はノーコードツールを利用して開発できます。GUIからアイコンのドラッグ&ドロップで連携元から「データの抽出→データの加工→連携先へのデータ反映」という一連の流れを作ることができます。データ活用にともなうデータの集約や連携を素早く実現し、システム仕様の変更にもスピーディかつ低コストに対応できます。データ活用を内製化したいという企業にも適しています。

セキュアなプライベート接続

IIJのネットワークサービスを併用することで、IIJ CDPとお客さまのオンプレミス環境を閉域接続できます。インターネットへの到達性を持たせることができないオンプレミスのデータベースを閉域接続経由でIIJ CDPと接続し、オンプレミス環境の安全性を確保しながら、クラウドサービスと連携できます。加えて、IIJクラウドエクスチェンジサービスを併用することで、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platformサービスなど主要なクラウドサービスに接続して、完全に閉域のデータ連携環境を構築できます。

便利なデータマスキング機能

データベースやCSVファイルの特定データをマスキングする機能を標準提供しています。文字種・文字の長さを維持したマスキングや電話番号の下四桁といった部分的なマスキングに対応しており、電話番号、カード番号、会員番号などのマスキングが可能です。漢字や平仮名にも対応しているので、氏名や住所などもマスキングできます。また、データの持つ論理的・統計的な特性、ユニーク性や、データベースで参照し合うキー項目のデータの関係を維持したままマスキングすることもできます。これにより、保護すべき情報をマスキングしつつ、データベースのテーブル間のつながりを維持して集計や分析に使えるデータとして扱えます。

IIJ CDPのユースケース

1. オンプレミス~クラウド連携

典型的なユースケースとして考えられるのが、オンプレミスとクラウド間のデータ連携です。オンプレミスとIIJ CDPをプライベート接続し、オンプレミスの出島のようなかたちでクラウドサービスとのデータのやり取りを集約し、連携対象のクラウドサービスに合わせたデータ形式の加工やインターフェースをIIJ CDPに任せることにより、オンプレミス側の変更を最小限にデータ連携を実現します。このようなユースケースが有効なのは、システムのクラウド化によるオンプレミス側のデータ連携インタフェース変更の影響を抑えたいといったケースで、例えば、基幹システムのクラウドへのリプレースに合わせて導入するケースが考えられます。

2. マルチクラウド環境でのデータ利活用

オンプレミスや複数のクラウドサービスに分散したデータを集約し、分析に対応した形式にデータをクレンジングし、用途に応じてクラウド型のDWHやAIサービスにデータを展開していくユースケースです。複数のシステムのデータを組み合わせた活用の際、本サービスが中立的なハブとなってクラウドサービスとの仲介を行ないます。こういった活用が有効なのは、社内の顧客データやCRMのSaaSサービスをBigqueryやRedshiftに代表されるDWHやBIツールに連携させて分析を行なうケースが考えられます。

3. マスターデータ管理

データ活用に際しては、ばらばらに運用されているマスターデータを統合し、品質を向上させる必要があります。複数の事業、店舗とECサイトで顧客マスターや商品マスターのコード体系が異なるといったケースがその典型ですが、データに重複や不整合が多数あると、正確な分析や活用ができません。そこでIIJ CDPを活用して、コード体系がばらばらな複数のマスターを集約・統合し、変換表による関連付けや統一コードの付与を行なった統合マスターを作成。更新されたマスターの取り込み、連携先へのマスター反映など、マスターデータ管理を一気通貫で実現できます。

4. マスキングを利用した機微データの保護

個人情報のような機微データをマスキングするユースケースです。氏名・住所など個人を特定できないよう情報をマスキングしたうえで、クラウド上での分析利用や外部企業へのデータ提供などが考えられます。また、データマスキングはアプリケーション開発におけるテストデータの作成にも有効です。本番データの機微部分をマスキングすることで、本番さながらのデータ量とバリエーションを持つテストデータを簡単に作ることができます。

以上、IIJ CDPの特徴とユースケースをご紹介しました。IIJ CDPは操作性や有用性を体感していただけるデモやトライアル環境をご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。


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