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ビジネスもプライベートもIIJモバイル IIJmio「ギガプラン」誕生の道のり

IIJ.news Vol.165 August 2021

IIJmioがスタートして約10年が経った今、モバイル市場は大きな過渡期をむかえている。
ここでは、IIJmioの歩みを振り返ったうえで、注目を集めている「ギガプラン」の内容を解説したい。

執筆者プロフィール

IIJ MVNO事業部コンシューマサービス部 副部長

辻 久司

ポケットベルやアナログムーバの時代から、コンシューマー向け通信サービスに携わり2015年にIIJに入社。
現在は、IIJmioの各種サービスの企画からリリースまで全般的に携わっています。

モバイル市場の近況

IIJは2012年2月、個人向けモバイルサービスを「IIJmio」ブランドでスタートしました。当時のモバイル市場は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの三大キャリアが中心で、現在のサブブランドもなく、競合MVNOも少ない“ブルーオーシャン”への船出でした。

プランはデータ通信専用で、ミニマムスタート128(通信速度128kbps、月額945円)と、ファミリーシェア1GB(高速1GB、月額2940円、SIMカード三枚シェア可能)の二種類のみでした。

2014年、転機が訪れます。音声回線の提供が可能になり、メイン回線としての利用への道が開けました。さらには、サブブランドの参入、MVNO事業者の増加、取次代理店の拡大、SIMフリー端末の普及などが重なって認知度も一気に上がり、市場にブレイクスルーが起きました。IIJmioの加入者も、通信サービスに詳しい従来のお客さまに、通信サービスにあまり詳しくないお客さまが加わり、利用者層が拡大していきました。

2019年冬、新しいプラン(「ギガプラン」)の検討が始まったのですが、その頃は、相次ぐキャンペーンやセール、サブブランドとMVNO間の競争の激化、そして、健全な競争環境を目指した法改正など、モバイル市場が“レッドオーシャン”へ転じるなか、IIJmioも生き残りをかけた戦いを強いられていました。

IIJmioでは、2012年に出したプランをベースに機能追加やスペックアップなど増改築を重ねていましたが、サービス内容を大きく変えようとすると、さまざまな影響が出るため、開発規模・工数・時間がかかり、身軽には動けない状態でした。

「ギガプラン」プロジェクト始動

「IIJmioの生き残りをかけて、今までの概念にとらわれない新プランを作ろう!!」をテーマに掲げ、「市場・お客さま層・ニーズ」の変化に対する感度を上げるために、幅広い年齢層と部署、さらには「IIJmioに関わりたいから入社した」といったメンバーも参加して「新プラン」の議論が始まりました。

さまざまな意見が飛び交い、悪戦苦闘しながらも見えてきたのは、各々が語るお客さまイメージの“アンマッチ”でした。それはつまり、IIJmioをご利用いただいているお客さま層が広がり、ニーズが多様化していることの現れだったのです。

2020年秋、ようやく新プランのアウトラインが固まりました。それは左記の通りです。

  1. (1)経済的な料金プラン。
  2. (2)サービス開始当初からをIIJmio支えてくださった、通信サービスに詳しいお客さまのニーズと期待(「eSIMや5Gなどの新しい技術を使ってみたい」、「自分で自由に使いたい」、「縛られたくない」など)に応える。
  3. (3)ボリュームゾーンとなりつつある、通信サービスにあまり詳しくないお客さまのニーズと期待(「むずかしい用語や情報量を減らしてほしい」、「シンプルにしてほしい」、「他社と比較しやすくしてほしい」)にも応える。

2020年末の「ahamo」ショック

「さぁ、Kick Off して開発にとりかかろう!」としていた矢先の昨年末、NTTドコモの「ahamo」のニュース*1が飛び込んできました。MVNOが台頭して約10年、キャリア、サブブランド、MVNOのあいだは、品質・価格・容量などの点である程度の線引きがなされていたのですが、ahamoの発表により、そのあり方が大きく変わりました。「IIJmioの生き残り」という以上に、「MVNO全体の生き残り、存在意義」が問われる事態が発生したのです。

ピンチをチャンスに

大きな不安のなか、「市場が変わる時はピンチもあるが、チャンスも生まれる。我々はどちらに焦点を合わせるのか?」という事業部長のひと声で現場の意識が変わりました。

そして「新プランのアウトラインは十分通用する。焦点は価格だ」という認識のもと、種々の予測やリスクの検討は経営層にゆだね、最終的には「積極的にいけ!!」と力強く後押ししてもらいました。

IIJに限らず、他のMVNO事業者も同様の状況にあり、今回の判断次第では、今後のサービス展開、お客さま対応、MVNOの行く末に大きな影響を及ぼしかねない重要なターニングポイントでした。

2021年春、少しでも早くお客さまにサービスを届けるために、当初は6月だった予定を繰り上げて、4月1日に第一弾として「IIJ、個人向けモバイルサービスにおいて、シンプルで自由度の高い新プラン『IIJmio モバイルサービスギガプラン』を提供開始」*2、続いて6月1日に第二弾として「『IIJmio モバイルサービスギガプラン』において、6月1日よりデータ容量のシェアおよびプレゼント機能を提供開始」*3と(二回にはなりましたが)無事、新しいサービスをリリースできました。

「ギガプラン」の特徴

ギガプランは先述の通り、通信サービスに詳しいお客さまも、あまり詳しくないお客さまも、そして、現在利用中のお客さまにも満足していただけるプランになっています。

通信サービスに詳しい方には

今まで通り「自由に、自分流に」使えるように、音声、SMS、データといったSIMの種類は継続しています。また、新たにeSIMや5Gなどの先進機能を実装しました。現時点ではいずれの機能も使える端末が少なく、エリアが狭いなどフルに活用できる状況ではありませんが、それでも「eSIMの簡便性」、「5Gのアンテナピクト表示」、「いろいろ試してみたい」といった最先端の体験を少しでも早くお届けしたく、実装に踏み切りました。

通信サービスにあまり詳しくない方には

以前のシェア機能に対しては「わかりにくい」との声もありましたので、機能を刷新しました。また「シェアは嫌だけど、困った時は助けたい」というリクエストを受けて、家族内での「データ容量プレゼント機能」を新設しました。ほかにも「申し込みしやすい導線設計」、「利用量照会/残量確認」、「契約内容の確認」など、「わかりやすさ」を意識して、UI/UXの見直しも行ないました。さらには「WEBだけではわからないので、店員さんにも相談したい」というご要望もありましたので、従来通り取次代理店での取り扱いも継続しました。

現在利用中の方には

「eSIMでもシェアしたい」、「新プランに変更できるようにしてほしい」、「大容量のプランがほしい」などのニーズにお応えした新機能の追加、「翌月繰り越し」や「高速通信ON/OFF」といった人気機能の踏襲など、どのプランに変更しても、より経済的になる価格を設定しました。

なお、全てのお客さまに共通している「経済的に使いたい」というニーズに対しては、月額基本料金はキャリアやサブブランドはもとより、他のMVNOに負けない業界最安水準にしました。なかでもeSIMに関しては、「一度体感していただきたい」、「さらなる普及促進を」との思いから、いっそう踏み込んだ価格設定になっています。

これからのIIJmio

2021年2月、IIJmioは、下記のステイトメントを公表しました。

  1. (1)「自分たちが使いたい」サービス自分本位ではなく、お客さま一人ひとりを想い浮かべながら「自分自身でも使いたい」と思えるサービスを考え続ける。
  2. (2)「シンプルであること」、「自由度が高いこと」ある意味、相反するこれらのニーズに関して、創意工夫しながら、どちらの視点でも満足していただけるサービスを考え続ける。 

このステイトメントには、IIJmio「ギガプラン」が新たな業界スタンダードになるという確信とともに、不断の向上心のもと、サービスを刷新し続けていかなければならないという決意が込められています。

IIJmioは今後も引き続き、ユーザの皆さまに真摯に向き合い、メーカや取次代理店とも一緒に悩みながら、MVNOの牽引役として邁進していきたいと考えています。

  1. *1NTTドコモが新ブランド「ahamo」をリリースした背景には、菅新政権が目玉政策の一つに掲げた「携帯電話料金の値下げ」があると考えられる。「ahamo」の新プランは発表時、「キャリア品質で、しかもこの価格(20GB/2,980円)で出してくるのか!?」と業界に衝撃をもたらした。それと同時に、これまで低価格帯を主戦場としてきたMVNOにとっては、新たな死活問題となった。
  2. *2https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2021/0224.html
  3. *3https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2021/0525.html
IIJmio モバイルサービス ギガプラン

2021年4月1日、個人向けモバイルサービスの新プラン「IIJmioモバイルサービス ギガプラン」がスタートした。

同プランは、2、4、8、15、20ギガの5つの容量からプランを選ぶことができ、どの容量でもリーズナブルな月額料金となっている。回線は、NTTドコモ網、au網に加えて、IIJのフルMVNO基盤で提供するeSIMからも選択できる。

1つの契約で最大10回線まで利用でき、同一契約内のギガプラン回線であれば、容量やSIMの機能にかかわらず、データ容量のシェアが可能。また、ユーザ自身のスタイルに合せて回線やデータ容量を選択し、これまで以上に低廉な料金で、無駄なく、自由にモバイルサービスを活用できる。

5つのギガプランと4つの機能

シェア機能も刷新<プランの容量を足してシェア>


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