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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.37
2017年12月19日発行
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目次

エグゼクティブサマリ

前号でお知らせしましたように、IIRではコンテンツの見直しを行っており、この37号は見直し後の第2号となります。35号まで定期的に掲載しておりましたインターネットセキュリティのサマリーにつきましては、wizSafe Security SignalというWebサイトでIIJのSOCチームから月次で観測レポートを出すことになりました。9月分から掲載されて おり、よりタイムリーな情報発信に努めて参りますので、そちらもぜひご覧ください。

IIRはIIJで研究・開発している幅広い技術のご紹介を目指しており、私たちが日々のサービス運用から得られる各種データをまとめた「定期観測レポート」と、特定テーマを掘り下げた「フォーカス・リサーチ」から構成されています。

1章では、今号の定期観測レポートとして、IIJのネットワーク・サーバインフラを運用するなかで得られる情報をもとに、BGPの経路、DNSのクエリ、IPv6のトラフィック、モバイルのトラフィックなど、インターネットの現状を見つめてみました。これらの情報をIIRでご紹介するのは初めてで、まだ現時点の途中経過しかご報告できないものもありますが、今後は定期的にご紹介していく予定です。

2章から4章はフォーカス・リサーチです。2章ではWindowsに搭載されているバックアップ関連の機能であるVSS(Volume Shadow Copy Service)を取り上げました。VSSはスナップショットを作成することができ、攻撃者が使用した攻撃ツール、一時ファイル、改ざんされたファイルなどの復元に利用できるため、デジタルフォレンジックにおいて非常に重要なデータの1つとして認識されていますが、デジタルフォレンジックの技術調査を行うなかで、VSSを有効にしていてもユーザデータがスナップショットに正常に保存されない事象を確認しました。その原因と影響範囲、更には対処方法についてご紹介します。

3章は、放送局でも急速に関心と期待が高まっているVideo over IP技術についてです。インターネットの普及と共に、様々なメディアがIP(Internet Protocol)をインフラとして用いるようになりました。雑誌・新聞や、CD・DVDで配信されていた音楽や映像のコンテンツなどもIP上で配信されています。今、注目されているのは、放送局で扱うような圧縮されていない音声・映像信号をIPネットワークで扱おうというものです。本章ではVideo over IPが必要とされる背景や、規格化の状況、IIJで行っているPoC(Proof of Concept)の活動についてご紹介します。

4章では、SDN、SD-WANの次と言われているIntent-Based Networking(IBN)を取り上げました。IBNにおいて、ユーザは業務的に実現したいポリシーを規定し、ネットワークがその実現可能性を検証して、自動でそのポリシーを実現します。そして、ネットワークはその状態を常時監視し、それを維持・最適化します。IIJではゼロ・トラスト環境を前提としたセキュリティの新しい仕組みをIBNで実現しようとしています。本章では、その取り組みの具体的な内容や、今後の展望についてご紹介します。

IIJでは、こうした活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながら、日々改善・発展させていく努力を行っています。今後も、お客さまの企業活動のインフラとして最大限に活用していただけるよう、様々なサービス及びソリューションを提供し続けて参ります。

島上 純一

執筆者プロフィール

島上 純一 (しまがみ じゅんいち)

IIJ 取締役 CTO。
インターネットに魅かれて、1996年9月にIIJ入社。IIJが主導したアジア域内ネットワークA-BoneやIIJのバックボーンネットワークの設計、構築に従事した後、IIJのネットワークサービスを統括。2015年よりCTOとしてネットワーク、クラウド、セキュリティなど技術全般を統括。2017年4月にテレコムサービス協会MVNO委員会の委員長に就任。


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