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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.30
2016年2月29日発行
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目次

エグゼクティブサマリ

日本の電力業界において、4月から電力小売が完全に自由化されることはご存知かと思いますが、それに続き、発送電分離やガスの導管開放など、これまで規制によって守られてきた社会インフラ業界も開放の方向に向かっています。その一方で、セキュリティというテーマにおいては心配な面もあります。約30年前、一足先に自由化された電気通信ですが、中でもインターネットはオープンなインフラとして米国から広がり、今や電気通信のインフラであると言っても過言ではない存在となってきていますが、その過程ではセキュリティに関わる事件や事象が数多く報告されてきました。IIJは電気通信事業を営む者として、電気通信事業法を順守して事業を行っていますが、その中に通信の秘密の保護という条項があります。社会インフラが開放されていく過程で、通信の秘密とセキュリティの確保は単にそこで運ばれる情報だけにとどまらず、すべての社会生活が安全に保たれる環境を維持していくことが非常に重要になってきます。社会インフラの開放はそういう意識を再確認する機会であると同時に、セキュリティの重要性が高まることにより、インフラに何かあったときの影響が更に大きくなることを再認識することにもなっている今日この頃です。

本レポートは、このような状況の中で、サービスプロバイダとしてのIIJが、インターネットやクラウドの基盤を支え、お客様に安心・安全に利用し続けていただくために継続的に取り組んでいる様々な調査・解析の結果や、技術開発の成果、ならびに、重要な技術情報を定期的にとりまとめ、ご提供するものです。

1章では、日々のインシデントや期間中に起きた出来事を中心に、これまで取り上げた攻撃や事件のその後を追跡し分析しています。特に今回はクラウドセキュリティに関連する国際標準として策定されたISO27017を取り上げて説明していますが、サービスを提供する側と利用する側で見方を変える必要があり、それ以外の国際規格と合わせてどのように使うべきか解説しています。

2章では、昨年発表した新しいクラウドサービスである「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」について解説しています。SDNによって実現された制御システムを核として新しい機能が追加され、多様性と性能のパブリッククラウド、俊敏性と柔軟性のプライベートクラウド、及び新型のネットワークサービス「IIJ Omnibus(オムニバス)サービス」との組み合わせという最適解を提供することが可能となっています。

3章では、ハイレゾとDSDストリーミングについて解説しています。 "音"の伝送は、デジタル伝送時代の初期からPCM方式が主流となっていますが、日本発の技術であるΔΣ(デルタシグマ)変調によるデジタル伝送がDSDストリーミングの核となっています。本章では、その歴史を紐解きながら、昨年実施したライブ・ストリーミングの様子などを紹介しています。日米欧亜の各国でDSDストリーミングを楽しんでいただきましたが、これは自前の大容量バックボーンを持ちコンテンツ配信の実績を積んで最適な運用が可能なIIJのインフラがあって初めて実現できたものと言え、インターネットの大容量化がもたらしてくれた新たな世界の創造を予感させるものとなっています。

IIJでは、このような活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながらも、日々改善し発展させていく努力を続けております。今後も、お客様の企業活動のインフラとして最大限に活用していただけるよう、様々なサービス及びソリューションを提供し続けて参ります。

山井 美和

執筆者プロフィール

山井 美和 (やまい よしかず)

IIJ 常務執行役員 サービスオペレーション本部長。1999年6月IIJに入社と同時に株式会社クロスウェイブコミュニケーションズへ出向し、WDM・SONET網構築、広域LANサービスの企画、データセンター建設に従事し、2004年6月に帰任。帰任後は、IIJサービスの運用サポート部門を統括し現在に至る。同時にIIJのデータセンター事業を統括し、国内初の外気冷却を用いたコンテナ型の「松江データセンターパーク」の立ち上げを主導している。


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