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Internet Infrastructure Review(IIR)Vol.27
2015年5月27日発行
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目次

エグゼクティブサマリ

総務省が2015年4月3日に発表した「我が国のインターネットにおけるトラヒック総量の把握」という資料によると、2014年11月時点でのブロードバンド契約者の総ダウンロードトラフィック量の推定値は3.6Tbpsであり、前年同月比で、37.5%の増加となったとあります。この間のブロードバンド契約者数はほぼ横ばいで、ほとんど増加していませんので、ユーザが利用するコンテンツの大規模化が進んでいるということになります。

また、トラフィック総量としては758Gbpsとまだ比較的小さな数字ですが、いわゆるモバイルユーザのダウンロードトラフィックは、全体の増加率を超える45.5%増という高い増加率を示しています。今後はモバイルトラフィックの伸びが、全体のトラフィック量の伸びを牽引して行くでしょう。

一方、米国の大手映像配信サービス「Netflix」が今年の秋には日本でのサービスを開始すると発表しています。日本市場参入では先行しているhuluやアクトビラ、ひかりTVなどの国内事業者も対抗してサービスを投入してくることが考えられ、インターネット経由でのオンライン動画配信市場も今年後半に向けて大いに盛り上がっていくことが予測されます。トラフィックの面から捉えた、インターネットの利用の態様は、今後大きく変化して行くでしょう。

本レポートは、このような状況の中で、サービスプロバイダとしてのIIJが、インターネットやクラウドの基盤インフラを支え、お客様に安心・安全に利用し続けていただくために継続的に取り組んでいる様々な調査・解析の結果や、技術開発の成果、ならびに、重要な技術情報を定期的にとりまとめ、ご提供するものです。

「インフラストラクチャセキュリティ」の章では、2015年1月から3月までの3ヵ月間に発生した主なインシデントを時系列に並べ、分類し、月ごとに概要をまとめると共に、期間全体での統計と解析結果をご報告します。また、対象期間中のフォーカスリサーチとして、マルウェア同様に悪質化するPUA(Potentially Unwanted Program)の解析結果と使われている手法についての解説や、HDDのファームウェアを再プログラミングするマルウェアについて、また前号に引き続きID管理技術についてを報告します。

「メッセージングテクノロジー」の章では、2014年3月31日から2015年3月29日までの52週分の迷惑メールの動向分析を、IIR Vol.1(2008年6月)からの長期的トレンドと合わせてご報告いたします。またメールの技術解説として、2015年3月にRFC化されたDMARCについて解説し、それを利用するための環境づくりや、ドメインレピュテーション及びフィードバックを含めたメールエコシステムについて解説します。

「Webトラフィックレポート」の章では、ピークトラフィックが108Gbps、総リクエスト数が約19億を記録した、2014年8月の夏の甲子園、全国高等学校野球選手権大会のライブストリーミング配信の全配信サーバのログ解析を行い、結果として明らかになったアクセス規模やデバイスタイプによるアクセス傾向の違いについて考察します。

IIJでは、このような活動を通じて、インターネットの安定性を維持しながらも、日々改善し発展させて行く努力を続けております。今後も、お客様の企業活動のインフラとして最大限に活用していただくべく、様々なソリューションを提供し続けて参ります。

浅羽 登志也

執筆者プロフィール

浅羽 登志也(あさば としや)

株式会社IIJイノベーションインスティテュート 代表取締役社長。
1992年、IIJの設立と共に入社し、バックボーンの構築、経路制御、国内外ISPとの相互接続などに従事。1999年より取締役、2004年より取締役副社長として技術開発部門を統括。2008年6月に株式会社IIJイノベーションインスティテュートを設立、同代表取締役社長に就任。2012年4月に株式会社ストラトスフィアを設立、同代表取締役社長に就任。


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