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株式会社クラシアン 様 株式会社クラシアン

老朽化したネットワーク改変と
システムのクラウド化
本社移転も重なる再構築プロジェクトに一括対応

導入前の課題

分散事業環境の円滑な事業推進とコロナ対応が必須に

クラシアンでは、業務におけるネットワークの位置付けはどのようなものですか。

クラシアン 矢部誠氏

クラシアンは水回りの緊急メンテナンスで知られています。現場のサービススタッフは約700人、拠点は北海道から沖縄まで約80に上ります。分散した事業環境でスタッフは働いています。すなわち、業務のほとんどが遠隔で行われているのです。ご依頼の電話をいただいてから、訪問、見積り、受注、部材の引当、作業報告、請求処理などはすべてモバイル機器を使用しています。携帯電話の通話やタブレット、車載のドライブレコーダーなどのデータ通信など、かなり多くのネットワークサービスを使って事業を提供しています。それでもまだ業務には紙を使うことも多く、デジタルに置き換える必要性が高まっていました。

矢部 誠 氏
株式会社クラシアン
IT戦略統括部門 執行役員CIO
矢部 誠 氏

ネットワーク更新を検討することになった直接のきっかけを教えてください。

矢部氏

1つは新型コロナウイルス感染症の拡大です。それまでは音声通話が中心だったのですが、Zoomなどのオンライン会議のトラフィックが一斉に本社のネットワークに流入し、トラフィックの特性が激変しました。 元々、音声とデータは同じネットワークの経路を通っていて、その中でトラフィックのQoS(Quality of Service)の制御もされていませんでした。また、オンプレミスの業務システムが実装されているデータセンターと本社の間のネットワークの冗長化もされていませんでした。従業員からは「使いにくい」「遅い」「よく切れる」といった不満が多く聞こえるようになりました。また、基幹システム刷新が計画されており、クラウドシフトによってさらなるインターネットトラフィックの増加が見込まれることから、老朽化していたネットワークの刷新が求められるようになったのです。

最初から大規模なネットワーク更新に取り組んだのですか。

矢部氏

実は、元々はとても小さい別件から話が始まりました。現在の本社ビルには2022年9月に移転してきたのですが、旧本社のLANの配線が混乱状態にあり、それを整線してもらい、同時にWi-Fiの導入を進めようとしたことが始まりでした。 当時はLANケーブルが絡まり、フロアスイッチは数段にわたってカスケードされているような状況だったのです。

クラシアン 岐部康志氏

LANケーブルを踏んで断線したりしたほか、幹線ケーブルを勝手にフロアハブに収容され、LANの配線がループし、ネットワークダウンしたこともありました。とにかく、LANの配線を整え、Wi-Fiを導入し、旧本社のネットワーク環境をきれいにしたいという思いがありました。

岐部 康志 氏
株式会社クラシアン
情報技術部 部長
岐部 康志 氏

旧本社の配線の整理、Wi-Fi化と同時に、ネットワーク基盤の再構築についても検討が始まっていたのですね。

矢部氏

本社と支社、データセンターの間は、VPNサービスを使って、フレッツ網を足回り回線として接続していました。このネットワークを再構築して、信頼性や運用保守性を高めることが1つの目標でした。コミュニケーションの円滑化を進めるためにグループウェアとしてMicrosoft 365を導入することも視野に入れていたため、インターネット系のトラフィックがさらに増えることが想定されていたこともありました。ネットワーク基盤の整備の先には、基幹システムをオンプレミスからクラウドに移行してリプレースすることも構想に入れていました。

選定の決め手

ネットワーク基盤再構築から基幹システムのクラウド化まで総合的に対応

大規模な構想ですが、最初に着手したのはどの部分でしたか。

矢部氏

まずは現実的な課題解決に向けて、2021年8月に旧本社のLANの整線とWi-Fi化に着手しました。ネットワークの整備は、専門性があるIIJにお願いしました。IIJの技術力は知っていましたし、付き合いのあるベンダーから紹介されたことも理由としてありました。整線してもらいながらIIJの担当者にネットワークやシステムの現状について「何とかならないでしょうか」と話をしたことから、その後のお付き合いにつながることになりました。

ネットワーク基盤やクラウド化、Microsoft 365の導入に向けて、業者選定はどのように進めましたか。

岐部氏

この時点では、Microsoft 365の導入に向けて5社に提案を求めました。提案はMicrosoft 365の導入のライセンスの条件などの内容がほとんどでした。そうした中でIIJからは、ネットワークの見直し、認証基盤の再構築、クラウドへの移行を含めた総合的な提案がありました。

矢部氏

Microsoft 365の導入を要件に立てたためか、他社の提案はクラウドに移行したあとの話ばかりで、どうやってクラウド化するかの話はありませんでした。クラウド移行も含めて総合的にワンストップで任せられるIIJに依頼することになったのは自然な流れでした。
一方、基幹システムのリプレース、ネットワークの見直し、Microsoft 365の導入をプロジェクトとして進める中で、2022年9月の本社移転が急に決まりました。本社移転によるネットワーク構築が必要不可欠になる中で優先順位を検討し直した結果、ネットワークの見直しを本社移転に合わせて実施することが最優先になりました。 同時に業務システムのリプレースの準備を進め、Microsoft 365の導入は先延ばしにすることになりました。

導入することになったシステムの構成を教えてください。

岐部氏

ネットワーク基盤として、クラウド型のネットワークのIIJ Omnibusを導入することにしました。AWSやIIJ GIOなどのクラウドサービスとの接続を容易にするとともに、冗長化も実現できます。安定して稼働するIIJ Omnibusは、支社を含めて各拠点を接続するバックボーンとして優位性があると判断しました。
また、従来は各拠点までネットワークや機器の監視ができていませんでした。ネットワークを業務のインフラとして重要視するからには、ネットワーク監視は重要な要件です。IIJ Omnibusならば、機器の監視や保守がネットワーク側からできることも強みとして感じました。
システムの再構築で必要になったもう1つの作業が、認証基盤の整備でした。従来もActive Directoryを採用していたのですが、継ぎ足しに継ぎ足しを重ねた結果、現状に即さない混乱した状況に陥っていました。通常であれば既存のActive Directoryを手直しするところですが、状況を考えると新規に作成した方が作業やコスト面からメリットがあると判断し、完全に新規で作成し直しました。

業務システムのクラウド化についてはどのような構成にする計画ですか。

岐部氏

Omnibusを使ったクラウドネットワーク基盤からは適材適所で複数のクラウドサービスに接続します。 IIJのクラウドサービスであるIIJ GIOとAWS、Microsoft 365です。基幹システムのうち、業務系はAWSに移行を計画しています。一方でこれまでマシンルームのサーバで実行していたようなWindows系の管理サーバや社内系のシステムについてはIIJ GIOに移行する計画です。

利用イメージ

導入後の効果

複数プロジェクトが重なる中でスムーズに移行、ネットワークの利便性は向上

現在までのプロジェクトの進捗状況を教えてください。

岐部氏

ネットワークの共通基盤は、2022年9月の本社移転までに構築が完了しました。 本社に関してはネットワークの移行が終わりましたし、Active Directoryの再構築も終了しています。ファイルサーバもIIJのクラウド型ファイルサーバサービスに移行済みです。Microsoft 365に関しては、2022年10月現在、PoC(概念実証)の準備が終わったところです。業務システムの移行は、2023年夏頃を計画していて、その後にMicrosoft 365への完全移行とActive Directoryの切り替えを進めていく予定です。
拠点はまだ既存ネットワークで接続しているので、新規の拠点からOmnibusに接続しながら、既存の拠点も順次Omnibusに切り替えていく計画です。

ネットワーク基盤の再構築が終わった段階で、感じている効果があれば教えてください。

矢部氏

音声とデータの回線分離や冗長化などの基盤刷新によって信頼性が向上し、安心感を得ています。本社のメンバーからは「とにかくWi-Fiが速くなった」と驚きの声をもらっています。これまではZoomでオンライン会議をするとなるとWi-Fiでは重くて、モバイル通信でテザリングしていた程でしたから、Wi-Fiでスムーズに接続できることで業務効率が格段に上がって喜んでもらえています。

ここまでのネットワーク再構築などで苦労したことはありますか。

岐部氏

本社移転も含めて、タイトな期間に複数のプロジェクトが並走するので、その計画の見直しが大変でした。ステークホルダーの数が多くなるため、調整に手間が取られたのです。今回のネットワーク再構築とクラウド移行のプロジェクトでは、IIJにほぼすべての案件に関わってもらいました。 横串で見てもらえたことに感謝しています。

矢部氏

今回、IIJからはメンバーを派遣してもらってクラシアン側の要員として案件推進に尽力してもらいました。 この点でも感謝しています。

IIJについてご意見をお聞かせください。

岐部氏

今後、接続するチャネルが多様化したとき、IIJのネットワークにつないでいれば、個別に接続しなくてもIIJ経由で接続できる可能性があることは魅力です。

矢部氏

IIJは、信頼できるパートナーだと感じています。提案したことをすべてきちんとデリバリーできるベンダーが実は少ない中で、死活問題であるネットワークやインフラを任せられるIIJへの信頼感は大きなものがあると感じています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

株式会社クラシアン
本社:横浜市港北区新横浜3-1-9 アリーナタワー13階
創業:1991年6月21日
資本金:1億円
年商:191億1,000万円(2022年3月度)
従業員数:1,161人(2022年9月現在)
テレビCMを通じて知名度が高いクラシアンは、水漏れやトイレのつまりなど水回りの困りごとを解消する水回りの緊急メンテナンスを祖業として提供する。2021年に30周年を迎え、緊急メンテナンスだけでなく、水回りの修理交換対応、トイレやキッチンのリフォームなど幅広く水回りの困りごとに対応できるようにビジネスを拡大している。家庭向け以外にも、法人向けの事業にも取り組み、水回りのサービスを総合的に提供する企業へと飛躍を続けている。

株式会社クラシアン

※ 本記事は2022年10月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

導入事例

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