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株式会社JAIHO 様株式会社JAIHO

ゼロから「映画配信サービス」を立ち上げ
IIJサービスを活用し約半年でローンチへ

2021年6月、映画のオンライン配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」がサービスインした。同サービスを提供するために設立したJAIHOには、システム構築の経験も配信の専門技術の知識もなかった。一方で映画専門のオンライン配信サービスとして、クオリティや機能は大手配信サービスと遜色ないものが必要であり、外部のリソースを活用するほかなかった。オンライン配信に不可欠な機能を備えるシステムをコストを抑えながら実現する検討を進めた結果、IIJの「IIJ Media Sphereサービス」などをベースにシステムを構築することになった。

導入前の課題

配信経験ゼロからのスタート

JAIHOでは、新しい映画のオンライン配信サービス「JAIHO」の提供を開始しました。映画配信サービスとしてのJAIHOはどのような特徴がありますか。

加畑氏

JAIHOは2021年6月に提供を開始した新しい映画配信サービスです。JAIHOは定額制のビデオ・オンデマンド・サービス(SVOD)の一種で、月額770円で利用できます。厳選された世界中の映画から毎日1本、新しい作品を配信します。作品の視聴期間は30日なので、常に30本の新しい映画が見られるわけです。既存の動画配信サービスでは、映画の数も膨大ですが、何を見ていいか迷っている方も多いと思います。JAIHOでは、アドバイザリーボードのメンバーである映画評論家や映画祭のプログラムディレクターなど映画のエキスパートが選んだ映画だけを配信するため、迷わずに厳選された作品を毎日楽しむことができます。

JAIHOを立ち上げるきっかけを教えてください。

加畑氏

もともと、私は映画配給会社を経営していて、長年にわたり映画の配給やビデオ販売、テレビ局などへの作品の提供などを手掛けてきました。そうした中で、コロナ禍による緊急事態宣言の発令で劇場の収容人数が制限され、映画配給ビジネスへの影響がありました。もっと大きな流れではレンタルビデオからオンライン配信サービスへのシフトがありビデオ販売に頼れなくなるという状況変化もありました。これまでは世界の映画祭に参加するなど忙しくて具体的な検討ができなかったのですが、第1回の緊急事態宣言の前後にゆっくり考える時間ができました。世界中の素晴らしい映画を日本に紹介することが、コストがかかる映画館への配給では難しくても、オンライン配信サービスならば可能になるだろうと考えたのです。ピンチをチャンスに変えるにはどうしたらよいかという発想でした。

配信に対する経験やノウハウはあったのでしょうか。

加畑氏

アイデアとしてオンライン配信サービスが浮かび上がりましたが、実際の経験はまったくありませんでした。配信システムの構築はおろか、顧客とのダイレクトマーケティング自体の経験がなかったのです。また、映画配信には独特の難しさがあります。デジタルコンテンツを配信するのでデジタル著作権管理を行うDRM(Digital Rights Management)が不可欠です。また海外の作品を配信すると、配信可能な国を制御するジオフィルタリング機能が必要になります。こうした機能を備えつつ、できるだけ手間やコストをかけずにシステムを構築し、サービスを提供するにはどうしたらいいか。思い描くサービスがゼロから構築できるのかが最大の課題でした。

構想を実現するにあたり、最初のアクションはどうしましたか。

加畑氏

まずはインターネットで「動画システム構築」などとキーワードを入れて検索しました。すると検索結果にいろいろと出てきますが、玉石混交といった印象がありました。そこで動画配信サービスなどの分野に詳しい知人に相談し、3社に絞り込んで連絡を取りました。連絡を取った会社の中にIIJも含まれていました。

選定の決め手

配信大手としての実績と柔軟な対応を評価

実際にIIJを含む3社に連絡を取ったというお話ですが、そのときの各社の印象はどうでしたか。

加畑氏

JAIHOで現在配信している作品には、米国大手映画制作会社や日本の大手映画制作会社の作品もあります。こうした会社は、セキュリティ要件が厳しいのです。映画のオンライン配信サービスを構築しようとすると、単に動画配信ができればいいというわけにはいかず、ご説明したようなDRMによる管理やジオフィルタリング機能が必須になります。連絡して見積もりを取った段階で、各社にDRMやジオフィルタリング機能の要件を提示しました。すると、なかなか明確な回答が得られないのです。そうした中でIIJはDRMもジオフィルタリング機能も前向きに捉えてくれていることが分かり、これなら大丈夫だろうと感じました。

IIJは好印象だったのですね。

加畑氏

東証一部上場企業ということもありますし、インターネットの先駆者として日本の業界を牽引してきた歴史もあります。更にセキュリティ対策についての知見やノウハウを多く蓄積していることも分かりました。周囲に聞いても評判が良く、実際に相談してみて信頼感が高まったということもありますね。

IIJにはどのようなシステムの構築を要件として提示しましたか。

加畑氏

大きく2つありました。1つが、DRMやジオフィルタリング機能を備えたコンテンツ配信・管理のシステムです。これに対してIIJは、動画配信機能や動画コンテンツ管理機能、安定した配信を可能にするCDN(Content Delivery Network)機能や、動画プレーヤー機能などの一連の機能を備えたオールインワンのVOD配信サービスの「IIJ Media Sphereサービス」を提案してきました。もう1つが会員管理に関連するシステムです。こちらは、上記サービスには含まれない範囲でしたが、個別構築で柔軟に対応できるということでした。

IIJの対応はどうでしたか。

加畑氏

会員管理に関しては、これまで経験がありません。IIJの担当者にそうした事情を話したところ、IIJのマーケティングに詳しい部署の人とつないでZoomでレクチャーしてもらい、非常に参考になりました。具体的には、利用者の年齢、性別、居住地から今後のプラットフォーム運営の分析をできるように、システムをカスタマイズしてもらうことにしました。システム面ではIIJとタッグを組んで、JAIHOという新しい映画配信サービスのプラットフォームを構築していったという印象です。

コスト面では想定との差異はありましたか。

加畑氏

3社に見積もりを取った際に、いずれも同様の金額感でした。実は当初考えていたコストよりもかなり金額が大きかったというのも事実です。それでも、既存の大手配信サービスと比べてクオリティ面で遜色ないサービスを作らないと、映画ファンに絞ったサービスだとしても選ばれるのは難しいという気持ちもあり、必要なコストだと考えることにしました。一方で、IIJにはコスト圧縮の努力をしてもらいました。JAIHO側では中小企業庁のものづくり補助金を申請して資金面の手当をしながら、IIJにコスト圧縮をしてもらうことで、想定したシステムづくりができたと思います。

やり取りをしていく中で困ったことはありましたか。

加畑氏

私たちは映画に関してはプロですが、配信システムなどIT業界のことは分からないことが多かったのです。映画業界とIT業界では、同じようなことを指すとしても言葉自体が違ったりします。そうしたときも、IIJの皆さんは丁寧に説明し、親身になって取り組んでくれたので、安心して任せられました。

利用イメージ図

導入後の効果

新サービスを想定に近い形でローンチ

検討からサービス提供まではどのような進め方をしましたか。

加畑氏

最初にIIJと話をしたのが2020年4月で、11月に正式契約をしました。この間、かなり綿密に打ち合わせや意見交換をしています。12月にキックオフ、2021年5月にシステムの引き渡しを経て、6月21日にサービスのローンチにこぎ着けました。
フルスクラッチでオンライン配信サービスの環境を構築するとなると、費用感がまったく合いません。今回はIIJのサービスを活用して、JAIHOのプラットフォームを作ってもらう形を取りました。

システム構築で苦労したことはどのような点ですか。

加畑氏

独立系の動画配信プラットフォームは、パソコンで視聴するスタイルが主流です。一方で、大手の既存サービスはテレビやスマホアプリでも見られます。こうした多様な視聴形態への対応には苦労しました。どうしても譲れなかったのはテレビでの視聴で、費用はかかりましたがAmazonのFire TVに対応することで実現しました。一点豪華主義のようなものです。一方で、スマホアプリへの対応や都度課金型のVODであるTVODへの対応は、残念ながらローンチ時には諦めなければなりませんでした。費用との兼ね合いが大きな要因ですが、最初からすべてを取り入れるのではなく、サービスを提供しながらユーザの反響を聞いて順次対応していけばいいと考えることにしました。

でき上がったサービスについて、どのような評価をしていますか。

加畑氏

諦めた機能もありましたが、それを除けば、想定通りかそれ以上のものができ上がったと考えています。IIJ Media SphereサービスはVODを提供する際の基本的な機能を備えています。その上で私たちの要望にしたがってカスタマイズできる自由度が高いので、当初の想定に近いものを作り上げられたと思います。「食わず嫌いだったインド映画を見てハマった」「セレクトショップのようで雰囲気がいい」など、JAIHOならではの映画の楽しみ方を体感してもらえているようです。

これからのサービスの拡充の予定を教えてください。

加畑氏

2021年10月には会員からのリクエストへの対応を始める予定です。作品ごとに課金して提供するTVODの機能も提供していきたいと考えています。更に、JAIHOでは単に映画を配信するだけではなく、双方向でコミュニケーションができるような機能を取り込んで映画ファンをつなぐコミュニティを作ることを目指しています。オンラインサロンのようなこともできればと思いますし、アイデアはいろいろとあるので、今後の機能拡充にもぜひIIJに協力してもらいたいと思います。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

株式会社JAIHO
本社:東京都渋谷区恵比寿西1丁目18番4号 アームズワン8階
2021年6月21日に提供を開始した定額制の映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」を運営する。JAIHOは、ヒンディー語で「勝利あれ!」を意味する言葉で、言葉の力強い響きを、「すべての映画を称える、悦びと感動の合言葉」としてサービス名に冠した。JAIHOは、常に30本のセレクトされた映画を楽しむことができる映画ファン向けのサービスである。

株式会社JAIHO

※ 本記事は2021年8月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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