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スポーツ×IT

スポーツ×ITが生み出す新たな価値

IIJ.news vol.196|October 2026

スポーツの現場で生まれる膨大なデータは、新たな価値を生み出す源泉だ。ここでは競技を支える技術から観戦体験の向上まで、スポーツ×ITの可能性と価値創造の広がりを考える。

『ITによって得られるデータは無限の可能性を秘めた宝(価値)の山』――私たちはデータ駆動型社会の到来に向けて、このような想いを抱きながら、新たな挑戦を続けています。さまざまな分野にIT技術を応用し、そこから得られるデータを用いて、社会課題の解決や新たな価値の創造など、新しい概念の導入に努めるなか、今、特に注目されている「スポーツ業界」における取り組みについて触れたいと思います。

おもなものとしては、スポーツそのもので活用されるITと、スポーツの周辺で利用されるITの2つの領域が挙げられます。

前者の領域では、リアルタイム性の高いレスポンスの実現と大量のデータを確実に保存して処理する高いスループットが必要です。通信方式、使用する半導体の性能、装置内部のデータの転送速度など「時間(µs/ns)」の世界の勝負です。

後者の領域は、スポーツを観戦するお客さまへのサービス提供がメインになります。平時は誰もいない場所でもイベント開催時には何千何万という人が来場することになり、大量の通信を同時に処理できる「帯域(Mbps/Gbps)」の世界の勝負です。

無線アクセス技術は両方の領域に威力を発揮でき、Wi-FiやBluetoothの利用もさることながら、ローカル5Gでは通常の携帯電話の基地局とは別の周波数帯域を使って、基地局と正確に同期した低遅延通信を可能にし、Starlink回線では地上網を経由しないインターネット接続を実現します。

データの処理はCPU/GPUを搭載したサーバの仕事ですが、広帯域の回線で接続された複数のサーバにより処理を分散することで、スループットを上げることができます。クラウドサービスを使う場合や遠く離れた場所のサーバを使うことも考えなければならず、全国に張り巡らされた各社の光ファイバ網を組み合わせることで、ワークロードシフトなど、現在提唱されている「ワット・ビット連携」の推進にもつながります。

ITによって支えられたこうした環境があるからこそ、モータースポーツ、サッカー、バスケットボール、野球などメジャーなスポーツで活用され、その周辺で生まれるビジネス環境を支えることができるのです。

今回の特集では、これまでIIJグループが関わってきた実証実験やスポーツ関連企業との協業によって生まれた実績を紹介します。そして、そこで生み出される価値創造や新たなビジネスモデルなど“スポーツ×IT”という舞台に関わる人たちに、どのような価値を提供し、どのような活用をうながすことができるのか、読者の皆さまにも感じていただければ幸いです。

執筆者
IIJ 常務執行役員 IIJエンジニアリング 代表取締役社長
山井 美和
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