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IIJ.news Vol.193 April 2026

ベトナム
IIJ Global Solutions Vietnam Company Limited President, CEO
松元 涼
2026年は、IIJグループのベトナム現地法人であるIIJ Global Solutions Vietnamが、設立10年目を迎える節目の年です。筆者は設立当初からベトナムに赴任し、現地事業の責任者として事業拡大に携わってきました。筆者の目から見ても、この10年でベトナムは大きく様変わりしました。新しい空港、高速道路、高層ビルが相次いで建設され、人々の所得水準も着実に上昇しています。
2016年には「ベトナムの経済規模は埼玉県と同じくらい」と聞いたことがありました。一国の経済規模と一地方の県内総生産を単純に比較はできませんが、2016年の埼玉県の県内総生産は約23兆円で、当時の為替レートでおおよそ2100億ドルでした。一方、当時のベトナムのGDPは約2050億ドルだったので、規模感のみを数字で比較すると、そのように言えなくもありません。
では、2025年はどうでしょうか? ベトナムのGDPは5000億ドルを超え、すでに日本のGDPの8分の1程度にまで達しています。東南アジアでも有数の経済規模へと拡大し、もはや1つの県と比べるような存在ではありません。今年も経済成長率は6%台と予測され、引き続き高い成長を維持すると見込まれています。
わずか10年で国家の経済規模が2.5倍に膨れ上がる――これは目まぐるしく変化する事業環境のなかで、経営の柔軟性、変化への適応力、新しいものを積極的に取り入れる姿勢が強く求められることを意味します。
当社が提供するクラウドサービスの事業規模を見ても、その変化は明らかです。ベトナムの有力通信事業者であるFPT Telecomと当社が共同運営するクラウドサービス「FPT HI GIO CLOUD」の売上は、2017年から2025年にかけて30倍以上に拡大しました。これは目覚ましい経済成長にともない、企業のIT利用が急増したことを示しています。事業の柔軟性を確保し、ITリソースをオンデマンドで更新し、機能を継続的にアップデートできるクラウドサービスは、ベトナムにおける企業活動に不可欠な存在になったと考えています。
従来のようにハードウェアを都度購入する方法では変化のスピードに対応できないうえに、人材流動性の高いベトナムにおいて、属人的な運用は将来的なリスクになりかねません。当社のクラウドサービスは約10年にわたる運用実績を持ち、標準化された日本品質の運用を、日越のエンジニアが協力して支えています。
最近ではAWS(Amazon Web Services)などのパブリッククラウドと当社クラウドサービスを併用するマルチクラウド環境を導入する企業も増えています。当社はAWSを利用する企業向けに、設計から運用までを包括的に支援する「IIJ Managed Cloud for AWS」を提供しています。クラウド運用を高度に自動化することで、専任担当者がいなくても、標準化された運用サービスによってマルチクラウド環境を安定的に稼働させることができます。
目まぐるしく変化し続けるベトナムで、当社はこの10年、成長の現場に向き合ってきました。ベトナムの次の10年は、どのようなものになるでしょうか? 当社は次の10年も変化と成長を前提としたITサービス基盤の提供を通じて、企業活動を支えていきたいと考えています。

ホーチミン市街の様子
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