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IIJ.news Vol.193 April 2026

刻々と変化するICT分野のなかでも、海外市場はいっそう不確定要素が多く、見通しが立ちにくい。
そうした状況に対応するために何が必要なのか? ここではまずIIJのグローバル戦略のアウトラインを述べる。
IIJ 常務執行役員 グローバル事業本部長
丸山 孝一
IIJグローバル事業本部 副事業本部長
菊地 泰敏
前回、小誌でグローバル特集をお届けしたのは約10年前になります。この間、日本企業の海外ビジネスの傾向は様変わりしました。
旺盛だった日本企業の海外進出数は、新型コロナ禍を機に減少傾向に転じましたが、現在では以前の水準まで回復しています。進出企業の業種や規模は多様化し、進出先はこれまで製造業が多かったタイ・中国などから、インドや南西アジア・中東、さらにアフリカにまで広がっています。
ビジネスを支えるICTにも大きな変化がありました。以前は日本本社がハブとなり、本社側にセキュリティなど必要な機能を集約させることが、ITシステム全般の統制を図るうえでの最善策と考えられていました。しかし今では、世界の各地域にオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境を構築し、グローバル全体で統制を図りつつ、各国・エリアごとにICTニーズやセキュリティを担保するという考え方が浸透しつつあります。
こうした環境変化のなか、IIJグループはグローバルに事業を展開する日本企業に対し、世界10カ国・16都市にある事業所を通じて、さまざまなサービスを提供しています。新規拠点・店舗開設時のICTインフラ構築などに加え、M&Aで買収した現地企業のICTインフラの環境調査といった事業拡大フェーズにおけるサポート、さらにはSASEなどを活用したグローバルネットワークの再設計・再構築まで、刻々と変化するお客さま固有の課題解決をお手伝いしています。近年、日本企業の海外拠点を狙ったサプライチェーン攻撃も急増しており、セキュリティ強化やセキュリティ・インシデントへの緊急対応なども増えています。
広範かつ複雑化するICTニーズに対応する人材は世界各国で不足しており、日本企業の海外拠点ではセキュリティに精通した人材はおろか、IT担当者を採用することすら困難であるため、喫緊の案件が生じた際にIIJの各国事業所が迅速に対応できる点は、多くのお客さまから高い評価をいただいています。
もちろんIIJが事業所を構えていない国や地域においても、日本で長年培ってきた技術力を生かした支援を行なっています。例えば、データ通信需要が著しく増大しているウズベキスタンにおけるデータセンター構築を含むインフラ整備や、コートジボワールでのデジタル母子手帳のアプリケーション開発、さらにはウクライナの復興支援のためのマイクロデータセンタープロジェクトなど、幅広い地域で変わりゆくICTニーズに対応しています。
地政学的リスク、気候変動、AIをはじめとした新技術への対応など、多くの不透明・不確定な情勢のなか、日本企業は収益拡大の道を模索し続けています。
私たちはそうした日本企業がグローバルで抱えている課題、ひいては世界の国や地域が抱えている諸問題の解決に向けて、ICT面から貢献できるパートナーでありたいと考えています。IIJは設立以来培ってきた技術力を生かして、今後もグローバルでご利用いただけるサービス・ソリューションを開発していくとともに、お客さまの多様なニーズに応えるために、M&Aを含む新たな事業分野への拡張を積極的に進めてまいります。
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