IIJ.news Vol.192 February 2026
サステナブルな未来に向けた活動にチャレンジしているIIJの社員を紹介する「サステナ・レポート」。第4回は、農業IoTに携わっている花屋誠さんです。
紹介する社員
IIJネットワークサービス事業本部 IoTビジネス事業部 アグリ事業推進部 副部長
花屋 誠
執筆者プロフィール
IIJ 執行役員 経営戦略本部 サステナビリティ委員会 事務局長
川上 かをり
—— IIJでのキャリアと今のお仕事について教えてください。
花屋:
2007年に中途入社して法人向けネットワークインテグレーションを担当していましたが、2018年から農業IoTに携わっています。キッカケは2017年、農水省「経営体強化プロジェクト」で水田の水管理の省力化に関する研究課題に、IIJの取り組みが採択されたことです。現在は水田だけでなく、ミカンなどの露地栽培、トマトやメロンといったハウス栽培の環境モニタリング、水利施設(河川や用水路)の水位管理や獣害対策の罠センサなど、LoRaWAN®*を活用した「スマート農業」を幅広く展開し、農業に関わるさまざまな課題解決のお手伝いをしています。
—— センサで何をしているのですか?
花屋:
露地栽培では土壌水分を測定しています。ミカンなどは水をいっぱい与えればいいわけではなく、適度な水分量があります。しかし、屋外だと雨、湿度、日射などの条件が複雑で、水分量の判断がむずかしく、従来は農家さんの経験と勘に頼っていました。それに対しIoTなら、センサを入れて土壌の水分状態をデータで把握して適切な潅水が行なえるので、作物の品質向上だけでなく、収量増加にもつながります。
—— IIJならではの強みはどこにありますか?
花屋:
センサからアプリ、クラウドまでを一貫して提供し、現場の声をすぐに反映できる点です。水田センサは、基板回路から設置しやすさを意識して設計・製造しました。ゲートウェイとセンサ間にLoRaWAN®を使用したり、スマートフォンのアプリなども自社で作って提供しています。さらに、活用事例を紹介するワークショップを開催したり、アプリの使い勝手などは農家さんの声をじかに聞いて、改善につなげています。
—— やりがいに感じることや心に残るエピソードはありますか?
花屋:
利用者の声が直接聞けるところです。使用効果を実感した農家さんからお礼を言われた時は素直にうれしいです。もちろんその裏には苦労もあって、静岡で水田センサの実証実験を行なった際、ファームウェアのバグ修正のためにノートPCを持って田んぼに入り、300本の水田センサのファームを書き換えたこともありました。
—— 考え方に変化や気づきはありましたか?
花屋:
毎日、口にしているお米や野菜の生産現場における苦労や課題を知り、農業IoTを普及させることで持続可能な農業に貢献したいと考えています。
- *LoRaWAN®はLPWA(Low Power Wide Area:省電力かつ長距離通信が可能な無線通信技術)の一種で、IoT向けの長距離広域ネットワークの通信規格。

水田センサを設置する様子(千葉県白井市)。複数メーカのIoT機器を連携し、データ分析を実証している。(写真右が花屋)