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ぷろろーぐ 新春から天災、大事故が続いたが

IIJ.news Vol.180 February 2024

株式会社インターネットイニシアティブ
代表取締役会長 鈴木幸一

いつものことながら、あっという間に正月が過ぎて、節分である。年の終わり、年の始めは、年に1度しかないのだから、その時を逃すと、自らの来し方・行く末を思いめぐらすこともないはず。せめて、大晦日から元旦にかけて、なすこともない時間に、冷え冷えとした部屋にこもって、沈思黙考をしたらいいと思うのだが、ひたすらボンヤリしているうちに時が消え去ってしまう。

私も高齢者となって、来し方・行く末といっても、新しい未来が思い浮かぶはずもないのだから、ひたすら来し方を振り返ることになる。今さら、取り返しようのない過去の過ちや失敗を事細かに辿っても仕方ないと、ぼぉっとしているうちに、せっかくの休日もあっという間に日が暮れてしまう。

最近は正月といっても、お節料理を口にしながら酒を飲むわけでもなく、お客さんの訪問もなく、ひとり、夢うつつ状態でソファに横になっていたところ、ゆったりと揺れている。能登の地震である。テレビをつけたら、女性のアナウンサーが「津波が来るので、すぐに避難してください」と、悲壮な声で繰り返し、絶叫している。あまりの激しい叫びにひるんでしまったのだが、想定以上の大きな地震であった。その規模・被害については、連日報道されている通りである。

新年早々、能登半島の地震に続いて、羽田空港では着陸した旅客機が、滑走路の海上保安庁の飛行機と衝突、炎上するという稀な事故があった。着陸後、炎上した旅客機の乗客が、全員、無事に避難することができたというニュースには、なにより驚いた。帰省中の弊社の社員が、1歳の幼児ともども無事であったことに胸をなでおろした。それにしても、今回の事故において、客室乗務員の冷静な対応と、混乱もせず粛々と乗務員の誘導に従い、緊急避難をした乗客こそ、改めて日本の誇るべき姿だと、久し振りに感動したのである。あの状況にもかかわらず、冷静に行動した乗務員と乗客について、すぐに「日本人は奇跡としか言いようのない行動ができる。凄い国民性だ」と、何人もの海外の友人・知人からメールをもらった。

江戸末期から維新後まで、英国の外交官として日本に滞在していたアーネスト・サトウは「江戸は、火事に見舞われるのだが、驚くのは、彼らは火事で家や屋敷が灰塵に帰しても、決してへこたれない。翌朝、火事現場を眺めに行くと、朝早くから元気よく、関係者ばかりでなく、復旧に取り組んでいる。その姿は火事で失ったことで落胆するのではなく、すぐに復旧に立ち向かうのだ」と。「そのエネルギーには感嘆するばかりなのだが、もっとも重要な火事の予防に目がいかないようだ」。そんなことも語っている。

東日本大震災の折、私はパリにいた。テレビで震災を報じる映像を見て、すぐに東京に取って返した。震源に近い地域は、まさに悲惨な状況だったが、なんとか東京のオフィスに辿り着くと、まだ大きな揺れは続いていた。倒壊したビルや家屋を見ることはなかったが、東京でもあの時は震度5以上だったと聞く。

なんとなく、弱々しくなったと言われる日本であるが、度重なる天災から奇跡的な復興を繰り返しながら、歴史をつくってきた日本を、違った目で見るべきなのだと、ふと思うのだが。


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