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コラム|Column

ベトナム人気質

2014/08

近年、IIJのプロダクトやノウハウをパッケージ化し、国外のパートナーやお客さまに提案する機会が増えています。しかし、日本方式のITがそのまま受け入れられないこともあります。そこには、彼らの文化的な特質が関連しているようです。今回はベトナムでの事例を紹介したいと思います。

私自身、ベトナムに出張することが多く、少しでも彼らの文化や気質を理解しようと、公私問わず、ベトナム人と食事する機会を大切にしています。気の合う仲間とベトナム家庭料理を肴にビールを飲む——私もその輪に加わりながら、大いに楽しんでいます。

会食が終わりに近づくと、決まってちょっとした悶着が起きます。皆が皆、勘定を我先に払おうとするのです。気がつくと、何かしら理屈をつけて誰かが全額を払っており、出しかけた私の財布はいつも宙に浮いてしまいます。一般に、ハノイを中心としたベトナム北部は、プライドとメンツを重視します。会計時の悶着には、その一端が垣間見えているのです。

加えて、性格のほうはやや懐疑的で、打ち解けた仲になるには時間がかかります。しかし一度、胸襟を開くと、それまでとは打って変わって親切になります。家族を紹介したり自宅に招いたり、家族同様に接してくれます。

ビジネスシーンも例外ではありません。メンツやプライドを傷つけないように言葉を選び、少しでも理解してもらえるよう心を砕くことが重要です。また言葉や資料に加えて、極力、実物を見せることが懐疑的な彼らには有効です。一度、信用されれば、いろいろと融通を利かせてくれることもあります。

ベトナムでは、日本製品への信頼が厚い一方、日本の製品やサービスは多機能で様々な付加価値が備わっているため、複雑で使いこなすのに苦労する、と言われることがあります。

あるベトナム人曰く、「ベトナムではシンプルなものが受け入れられる。なぜかって?ベトナム人は、基本的に怠惰だから、説明書を読むのが面倒なのさ」。
大いにうなずいてしまうほど、ベトナム人の側面をよく捉えていると思います。

グローバル事業本部グローバル事業開発室 松元 涼

本記事は、弊社広報誌のVol.123 (2014年8月発行)に掲載されています。
グローバルトレンド「ベトナム人気質」
IIJ グローバル事業本部 グローバル事業開発室 プロジェクトマネージャ 松元 涼
https://www.iij.ad.jp/news/iijnews/2014/pdf/vol123.pdf