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コラム|Column

グローバルなITを実現するために

2014/02

“グローバル化”が日本企業の緊急課題として語られる昨今、ITにはどのような役割が求められているのだろうか?

「グローバル化」という言葉が広く使われる以前、明治維新から戦後の高度成長期までの日本企業の国際進出は、欧米先進国から導入した技術を発展・改善して製品を作り、先進国市場に売っていくというものでした。それが、過去30年ほどのあいだに大きく様変わりしてきました。

先進国の市場で地元企業を脅かすまでの存在となった日本企業は、進出先での摩擦を避けるために、積極的に現地での生産を含めた“現地化”を進めました。一方で、新興国との関わりは、低コストの労働力を求めての進出から、新興国の市場そのものを狙っての進出に変化し、さらには新興国向けのより安価な製品を提供する必要にも迫られています。それと同時に、日本企業が提供するものも、製品からサービスへと大きくシフトしようとしています。

グローバル化の方向がまさしくグローブ(全地球)となり、その展開範囲も営業面や製造面といった会社機能の一部分のみから、経営戦略や人事などを含めた全機能へと広がり、日本中心の経営からグローバルな経営に変わっていくことが求められています。この変革をITがどうサポートできるか、そこが企業のグローバル化の過程において、今まで以上に重要な課題となっています。

グローバル化においてITに求められるもの

このようなグローバル化の変遷のなかで、ITに求められるものも大きく変わってきました。世界各地に分散・独立したシステムとして始まったITは、やがてネットワークで相互に結ばれ、今や経営にとって必須インフラとなっています。ITに求められるものは、より迅速なビジネス・デシジョンをグローバルかつ共通の理解のもと下せるようにすることと、より市場に近いところで機敏なビジネス展開を行なうための仕組みの提供だと考えられます。また、グローバル化を進める企業においては、人や物の移動は同じ国や地域だけに限られずグローバルに行なわれるため、それらの移動をシームレスにサポートできなければ、ITがグローバル化の足かせ以外の何物でもなくなってしまいます。

このような経営を支えるグローバルITを実現するための重要な第一歩は、本社でのITに関する戦略立案・実行体制を強化し、ITガバナンスをグローバルで確立することです。

本社で決定したITポリシーにもとづき、標準化されたプラットフォームやシステムの導入を行なうことがグローバルITの根幹となります。標準化によるメリットは多岐にわたり、単にITの導入コストを抑えるだけでなく、ユーザがどの拠点においてもシームレスにITを活用できるようにすることで、業務効率向上や品質改善、ひいては企業の競争力の強化にもつながります。

一方で、プラットフォームやシステムは、標準化は進めても一極集中で提供するのではなく、地域や国ごとに分散させることで、より柔軟なITの運用体制が整えられ、効率的に最適配置されたグローバルなITシステムが構成されます。

このようなITにふさわしいインフラのプラットフォームとして、我々はIIJ GIOとIIJバックボーンを広く展開し、グローバル経営を加速させる日本の企業の皆さまをサポートしていきます。

IIJ 執行役員 グローバル事業本部長 丸山 孝一

本記事は、弊社広報誌のVol.120 (2014年2月発行)に掲載されています。
IT topics 2014 「グローバル」
IIJ 執行役員 グローバル事業本部長 丸山 孝一
https://www.iij.ad.jp/news/iijnews/2014/pdf/vol120.pdf