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関西クラウドコンピューティングEXPO セミナーレポート

フルクラウドの幕開け
~企業システムをすべてクラウドへ~

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企業システムのフルクラウド化に向けて――現状とメリットを解説

企業システムにクラウドが活用されるようになって約10年が経過した。クラウドありきでシステムを構築する「クラウドファースト」への動きも活発化しているが、実際に日本国内ではどの程度クラウド化が進んでいるのだろうか。2017年2月に大阪で開催された関西では初の「クラウドコンピューティングEXPO」にて、IIJ 執行役員 クラウド本部長の立久井正和が「フルクラウドの幕開け~企業システムをすべてクラウドへ~」と題して講演し、豊富なデータからクラウド化の現状を解説すると共に、IIJのユーザー事例を交えてクラウドの活用法を紹介した。

未だオンプレミス志向が強い国内企業

国内初の商用インターネットサービスプロバイダとして1992年に創業したIIJが、クラウド関連事業に乗り出したのは2009年のことだ。クラウドサービスの「IIJ GIO」を中心に展開しており、ここ数年ではクラウド型ネットワークサービス「IIJ Omnibus」や、クラウド、ネットワーク、デバイスをすべて統合した「IIJ IoTサービス」を開始するなど、同分野で事業領域を拡大している。

クラウドを利用する企業は着実に増加の一途をたどっているように感じるが、立久井はITRが2016年11月に発表した「IaaS調査」から、「国内企業は依然としてオンプレミス志向が強い」と指摘する。同調査では、現行システムの稼働状況として最も利用率が高かったのが「自社拠点内のデータセンター(63%)」で、次いで「国内のデータセンター事業者(51%)」となっており、「国内のクラウド事業者(40%)」及び「海外のクラウド事業者(17%)」と比較すると大幅にオンプレミスでの稼働率が高かったのだ。

現行システムの稼動状況

また立久井は同調査から、IaaSを利用する上で重視するポイントとして「セキュリティレベルの高さ」や「データの保全性の高さ」、「可用性の高さ」を挙げた企業が多いことも指摘。IaaS導入の課題としても「セキュリティが不安」、「障害時の事業者の対応が不安」、「サービスの継続性が保証されない」などが挙げられていることから、堅実で保守的な企業が多く、クラウドのメリットよりも確実に運用したいという思いが表れている。そのため、クラウドの利用率を高めるにはセキュリティや事業継続性を確保することが重要だとした。

複数のクラウドの組み合わせが鍵に

さらに立久井は、同調査にてIaaSを利用するタイミングとして「新システムの構築時」を挙げた企業が29%となっている点に注目。これをIIJでは、クラウドを前提にシステムやサービスを設計する「クラウドネイティブ」とみなしている。また、IaaSを検討するきっかけが「事業部門からの提案」であるケースも32%で、立久井氏は「全体の約3割がクラウドネイティブと想定される」と述べた。

IaaSを利用するタイミングと検討するきっかけ

一方、IaaS利用のタイミングを「既存システムの再構築」とした企業は51%、「既存システムのインフラ見直し」とした企業は35%で、IaaS検討のきっかけが「IT部門からの発案」とした企業は45%だった。これらのケースを立久井は、オンプレミスで運用していた既存のシステムやサービスをクラウド上に移行する『クラウドイネーブルド』だ。クラウドネイティブとクラウドイネーブルドを使い分けることで、すべてのシステムがクラウドで運用され、コスト削減効果が最も高いフルクラウドに近づくことができるとしている。

次に、2015年に実施したユーザー調査(IIJ GIOカスタマーサーベイ)の結果も紹介。IIJ GIO以外で利用しているクラウドサービスを調査したところ、「IIJのみ利用している」との回答も27%存在していたが、「Amazon Web Services」、「Microsoft」、「Google」、「NTTコミュニケーションズ」など、複数のクラウドを挙げたユーザーも多く、「さまざまなクラウドを使い分ける企業が増加していることを実感している」と立久井。また、IIJ GIOの利用用途としては、「オフィスIT系」(34%)、「BtoCサービス基盤」(30%)、「コーポレート/キャンペーンサイト」(26%)などが依然多いものの、「基幹・業務系」での利用も24%にのぼっており、「クラウドに対する懸念はユーザーの中でもまだ存在しているが、利用するクラウドを見極め基幹系などで活用するケースも増えている」と述べた。

コスト削減効果が最も高いフルクラウド

IIJでは、クラウドネイティブとクラウドイネーブルドの双方に対応するサービスとして「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」を提供している。立久井は、同サービスを活用することで「フルクラウドの実現が可能だ」として、フルクラウドへの移行を推奨する。その背景として、システムの一部をクラウド化し、ハイブリッドクラウドでシステムを構築すると、クラウド化した部分はコストが下がったように見えるが、実際はシステムがサイロ化して運用負荷が増加し、コストが上がることもあるためだと説明する。

事実、IIJのユーザーである日本通運では、現在フルクラウドに向けてシステムを移行中だが、移行前に社内で5年間のコスト削減効果を試算したところ、クラウドの活用度が70%の場合でのコスト削減効果は26%で、オンプレミスでシステムを更改した場合のコスト削減効果30%をも下回ったという。クラウド活用度が100%の場合は40%のコスト削減効果が見込まれるとの試算が出たことから、同社はフルクラウドへの移行に踏み切った。現在日本通運では、新規システムをクラウドネイティブとしてAWSで活用し、既存システムをクラウドイネーブルドとしてIIJ GIOに移行、インフラ運用はAWSの部分も含め、IIJが対応しているという。

システムの短期利用でクラウドのメリットを享受

一時的に利用するシステムとしてクラウドを活用するケースはよくあるが、その短期利用の利点を生かしつつセキュアなクラウド基盤のメリットを享受したのは、総務省統計局と電通国際情報サービス(ISID)だ。

総務省統計局では、2015年にオンラインでの国勢調査を実施、世界最大規模のオンライン調査のIT基盤構築をIIJが支援した。またISIDは、2016年5月に三重県で開催された伊勢志摩サミットの入退場管理システムを担当、そのインフラとネットワークにIIJ GIOおよびIIJ Omnibusを利用した。両ケース共に、短期利用でありながら非常に高いセキュリティ基準が求められたケースで、クラウドのメリットを最大限に活用した事例といえる。

立久井は、「企業システムは今後すべてクラウド化されるだろう」と主張する。PCやスマートデバイスなどの一部ハードウェアは残るが、その他のシステムはすべてクラウド化される。今注目されているIoTの分野でも、これまで各現場に置かれていた管理装置がクラウドへと移行し、そこからさまざまな機能が提供されるようになっている。IIJでは、企業システムがすべてクラウド化されることを念頭に、システムからネットワーク、セキュリティまで、クラウドを支える技術を提供していくと述べ、講演を終えた。

関連のホワイトペーパー(PDF)をお読みいただけます

資料目次

  • フルクラウド時代の幕開け「One Cloud」が国内企業を後押し
  • IIJ GIOを中心とするエコシステムと「持たないIT」の中核サービス
  • 先進4社に見るIIJ GIOの導入効果
    • 【日本通運】巨大物流網を支えるITの構造改革。大規模システムのクラウド化を実現
    • 【戸田建設】ITシステムのフルクラウド化を目指し、IIJ GIOを軸にマルチクラウドを構築
    • 【ナブテスコ】サーバ200台を1年でクラウド化。運用アウトソーシングで工数を大幅減
    • 【ジクシス】持たざるITを徹底。初期構築コストを1/3に低減

形式:PDF(20ページ)

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