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株式会社スマートドライブ 様株式会社スマートドライブ

LTE通信型ドライブレコーダーにIIJのチップ型SIMが採用
高信頼な通信とトラブルフリーな安定性が認められ
新たなポートフォリオとして順調に契約数を拡大

車両管理に関わる様々な課題を解決に導き、ドライバーの安全と車両管理の効率化を実現するサービスを提供する株式会社スマートドライブ(以下、スマートドライブ)は、そのサービスを支えるデバイスとして、GPS搭載およびLTE通信型のSmartDrive Fleetドライブレコーダーを開発。通信手段には、IIJモバイルサービス/タイプI パケットシェアプラン(以下、IIJモバイルタイプI)を選択した。車載機器にとってリスクの多いスロット機構を廃止できるチップ型SIMを採用することで、高信頼な通信はそのままに、トラブルフリーな安定性を実現。パケットシェアによる低価格設定も奏功し、サービス開始1年を経て順調に契約数を伸ばしている。

導入前の課題

動画の取り扱いと通信方法、クラウド環境の作り込みを構想段階から模索

貴社のコーポレートミッションの基盤となる「Mobility Data Platform」についてご紹介ください。

雲野氏

ひと言でいえば、IoT時代の新たな移動にまつわるサービスを創造することをコンセプトとした、当社独自のプラットフォームの総称です。車などに取り付けたセンサーデバイスなどから取得できるあらゆるデータを取得・蓄積・解析することで、様々なモビリティサービスに利活用できるサービスの実現を目的としたものです。

株式会社スマートドライブ
執行役員 プロダクト部門長
雲野 裕介 氏

今回、IIJモバイルタイプIをご活用いただいたSmartDrive Fleetドライブレコーダーは、Mobility Data Platformで提供されるサービスのひとつということですか。

村山氏

その通りです。SmartDrive Fleetとは、車両管理に関わる様々な課題を解決に導き、ドライバーの安全と車両管理の効率化を実現するサービスです。走行経路・運転のクセを確認できる機能や、地図上に対象車両の位置情報を表示する機能のほか、車両の稼働・未稼働実績を確認する機能、自動で日報や業務記録を作成する機能などのサービスを提供しています。
それをサポートするデバイスのひとつがSmartDrive Fleetドライブレコーダーです。株式会社ユピテル様のモデルをベースに、GPS搭載およびLTE通信型のドライブレコーダーとして共同開発しました。急加速や急減速のような危険運転が発生した際は、車両の前後左右と車内の映像が前後各10秒間記録され、クラウドサーバ上に自動でアップロードします。それによりアプリケーションの地図上で場所と状況をピンポイントで確認しながら、映像による個別具体的な安全運転指導が可能になります。旧来のドライブレコーダーのように、SDカードを回収して映像データを保存する必要はないため、運用や管理を効率化し、管理者はドライバーの安全運転指導に注力できるようになるのがポイントです。

株式会社スマートドライブ
内部監査責任者 兼 生産管理室長
村山 嗣 氏

SmartDrive Fleetドライブレコーダーの開発過程でどのようなチャレンジがあったのでしょうか。

村山氏

2018年8月に共同開発がスタートしたのですが、中でも動画の取り扱いと通信方法の選定が大きな課題となりました。当社にはこれまで通信型のドライブレコーダーというアイテムが存在しなかったため、どのような方法で動画をアップロードしたらいいのか、どの程度パケット量を流せるのかなどの知見がありませんでした。また、今回初めてクラウド上に動画をアップロードするサービスを始めることになるので、その環境の作り込みや、ビジネスが成り立つ最適なサービスの組み合せを、最初の構想段階から模索し続けていました。

選定の決め手

チップ型SIMの供給対応とパケットシェアプランの設定が選定のポイント

SIMカードを選択する上でどのような条件や判断基準があったのでしょうか。

村山氏

当初はLTE Cat.1(最高伝送速度:下り10Mbps/上り5Mbps)なども選択肢に入れていましたが、イベントを検知して動画データを上げる際には、ある程度リアルタイム性が保たれていないと使い勝手が悪化します。さまざまに検証した結果、LTE Cat.4(最高伝送速度:下り150Mbps/上り50Mbps)を活用しようと決めました。また、通信エリアのカバレッジ状況については、フルMVNOであるIIJのモバイルサービスがNTTドコモのモバイル網を利用しているので、問題ないと考えていました。実はIIJモバイルサービスについては、以前に試作で検討したことがあり、基本的な機能や信頼性などの知識はあったので、候補には加えていたのです。それでも、複数社のSIMサービスを比較検討はしましたが、結果的に選択したのは、やはりIIJモバイルタイプIでした。

IIJモバイルタイプIを選定した決め手について教えてください。

村山氏

いくつか理由はありますが、中でもパケットシェアプランが非常に魅力的に感じました。開発当初は、ドライブレコーダーの通信量がどれだけかかるのか不確定だったので、固定料金設定でしか契約できない他社のサービスには不安があったのです。IIJモバイルタイプIのパケットシェアプランならば通信量に応じた形で月額料金を設定できるため、見通しが異なったとしても安心できました。また、チップ型SIMが供給可能なことも選定の後押しになりました。ドライブレコーダーは車のフロントガラスに取り付けるため、真夏の炎天下では車内温度が50~60℃まで上昇するなど、厳しい環境に置かれることになります。しかも走行中は振動も発生します。プラスチックのSIMカードを搭載する場合、スロットの構造を強化すればある程度の振動にも耐えることができますが、熱によるダメージや接触不良などの不具合につながるリスクは排除できません。車載機器はスロットなどの機構部品をできる限り少なくすることが重要です。そうした意味で、基板に直付けできるチップ型SIMの選択は必須だと考えました。

利用イメージ

プランを選定する際に、IIJからのサポートは役立ちましたでしょうか。

雲野氏

SmartDrive Fleetドライブレコーダーは、保存した録画データをクラウド上にリアルタイムにアップロードする仕組みですが、大容量データを保持するコストも料金設定に影響します。お客様に提供する価値としてそのコストが適切なのか、サービスとしての落としどころを見極めることが難しい作業でした。それについても、IIJからは的確なアドバイスを提供してくれたため、最適なプランを洗い出すことができました。現在はピンポイントの映像を保存していますが、常時録画したデータが必要だというお客様もいらっしゃいます。その場合は、大量データをアップロードするコストの問題も解決しなければなりません。データ量とコストの落としどころを探る作業が必要となるため、IIJの知見は今後も必要となるでしょう。

村山氏

また、PoC(概念実証)の段階ではマルチフォームファクターのSIMカードを活用していましたが、チップ型SIMを活用した経験がなく、有効性が未知数で少し不安でした。チップ型SIMはリール供給のため最小ロットが4桁で、試作のためだけに購入することも難しかったのです。しかし、IIJからトライアル用のチップ型SIMのサンプルを必要な数だけ提供いただくことができ、その柔軟な対応にはとても助けられました。

導入後の効果

トラブルなく安定した通信を維持することで様々なニーズに対応

現在、SmartDrive Fleetドライブレコーダーはどのような用途で活用されるケースが多いのでしょうか。

雲野氏

主に、陸運や流通加工、旅客輸送などの運輸業の企業にご利用いただいています。車両管理や安全運転の啓蒙と推進にご活用されるケースが多いようです。車両管理については、効率的に配送ルートを巡回するための情報として利用されているほか、ドライバーや外勤者の働き方改革の一環で長時間運転の防止や勤務時間の管理にも利用されています。一方、安全運転においては、急発進・急ブレーキの回数が多い方をピンポイントに特定し、操作の改善を促します。急ブレーキをかける危険なエリアが共通している場合も多く、地図上に可視化することで事故防止に役立てられています。
また、福祉施設関係の会社では、デイサービスなどの送迎車の位置把握や、到着予定時間の管理、効率的なルート設定などに利用されているようです。さらに、宅配や灯油の巡回販売車にもご利用いただくケースが増えています。そうした様々なニーズに応えることができるのも、IIJモバイルタイプIがトラブルなく安定した通信を維持してくれているからだと実感しています。

IIJモバイルタイプIはSmartDrive Fleetドライブレコーダーのサービス化を成功させたといえるでしょうか。

雲野氏

そう思いますね。2019年11月に提供開始して以降、順調に契約数を伸ばしています。ルートの最適化や業務効率向上などの面でお客様にメリットを提供できているのは間違いありません。また、事故が減ることによって、直接的な面での損害が減少したほか、間接的な面でも例えば損害保険契約料金の削減など、様々なフィードバックがあるようです。さらに、事故や危険運転の場合には明確な証跡が残るので、管理者の安心にもつながり、動画が存在することによって得られる情報が格段に増えたと好評です。
そのメリットを支えているのがIIJモバイルタイプIであり、プランも適切でした。想定より実際の平均パケット量が少なかったため、低価格を実現できとても満足しています。パケットの上限を超えても、通信がストップしたり、極端に速度が低下したりせず、高速な通信を維持したまま超過分は従量課金になるだけなので安心です。加えて、チップ型SIMの選択もトラブルフリーなど信頼性実現に十分な効果があったと考えています。

村山氏

SIMライフサイクル管理機能も有効でした。開通トリガを選択することで、工場出荷前に月額料金を発生させない状態で疎通テストが可能でした。在庫期間中は月額料金が発生せず、お客様が利用開始する時点から月額料金を発生させることができるので、こうしたIoT製品にはIIJモバイルタイプIは非常に適しています。

これからもIIJモバイルタイプIを活用する機会は増えそうでしょうか。

村山氏

当社は、自社製・他社製問わず様々なサービスをMobility Data Platformに連携させていくビジネスモデルを推進しているので、SIMをサービスに包含した形で提供する機会が増えることは十分に考えられます。その際にどのようなSIMを選択するのかは、使い勝手やコスト適合性などを勘案して総合的に判断しますが、IIJモバイルサービスが有力な選択肢になることは間違いありません。

最後に、IIJモバイルタイプIの総合的な評価や、今後のご要望などをお聞かせください。

村山氏

サービス開始から1年以上経て、IIJモバイルタイプIは全く問題なく運用されており、当初の選定に間違いはなかったと確信しています。ご利用中のお客様にヒアリングをしていくと、映像活用へのニーズは非常に高く、今後はライブストリーミングなどの大容量のデータ通信への対応が課題になると感じています。そのため、コストを抑えながら大量にデータを流せる最適な解決方法を、IIJに協力いただきながら探っていきたいと考えています。

雲野氏

SmartDrive Fleetドライブレコーダーの開発プロジェクトにおいては、通信回りこそがコストに直結する最大の難所で、当社にとっては経験のないチャレンジとなりました。IIJには様々な場面でサポートをいただいたおかげでなんとか乗り切ることができました。今後も、通信回りの開発パートナーとして末永く協力いただけることを希望しています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

株式会社スマートドライブ
本社:東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー12F
設立:2013年10月
資本金:28億4,100万円(資本準備金等を含む)
2013年創業。「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げる。あらゆる移動体のセンサーデータを収集する「データインプット」、収集したデータの利用価値を高める「プラットフォーム」、これらのデータを活用しサービスを創出する「データアウトプット」の各領域について一気通貫した事業を推進。メーカや系列を問わず、オープンにつながるプラットフォームをグローバルに展開することを目指している。

株式会社スマートドライブ

※ 本記事は2021年5月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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