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株式会社HESTA大倉 様

モバイルバッテリーシェアリングサービスにIIJのSIMが採用
LTE通信によるコスト削減とお客様側の負担軽減を同時に実現

業界最安値を実現したモバイルバッテリーシェアリングサービス「HESTA デジタルチャージ」を展開する株式会社大倉(現:株式会社HESTA大倉。以下、大倉)は、レンタルバッテリースタンドの通信手段に、「IIJモバイルサービス/タイプI パケットシェアC」(以下、 IIJモバイルタイプI)を採用。設置先のWi-Fi環境に依存せず全国のあらゆる場所でサービスを展開できるIoTを実現するとともに、常時安定的な通信維持と通信速度の確保によりエンドユーザへのサービス提供に大きく貢献している。また、電源コードをコンセントに繋ぐだけで運用開始できるため、コスト削減とお客様側の負担軽減を両立しているという。

導入前の課題

Wi-Fiやローカル5Gよりも効率が高く通信が安定しているLTEが最適解

貴社の事業ポリシーをご紹介ください。

畢氏

弊社は、戸建住宅、ニュータウン開発、分譲マンション、リフォームなどの住空間の提供と、会員制リゾートクラブのリゾート事業を中心に全国で事業を展開しています。事業ポリシーは「現状に満足することなく、常に次代を見つめ、よりよい暮らしのための“選ばれる商品”を生み出す姿勢」です。創業60周年を経て、今後更に10年、20年先を見据えて、今を取り組んでいます。大倉は大阪で生まれ、地方の宅地開発に携わってきた企業として、衰退する地方の現状を見過ごすことができません。
そのため社会的使命として「地方創生」をやりきることに全社一丸となって取り組んでいます。地方創生の1つの解は、街のあらゆる機能をインターネットでつなぎ、最新の技術を街の機能に取り入れるスマートシティだと考えます。スマートシティを構成するのはスマートホームであるため、家電や住設機器をネットにつなぎ、スマートフォンから音声で自在に操作できるアプリを開発しました。また、街の住民が共有する流通・教育・医療などの機能もIoT化するとともに、オンライン診療システムや無人店舗システムも構想。更に「ローカル5G」事業の展開も検討しています。大倉が提案するスマートシティが安全・快適に機能するためには、高速で低遅延の通信環境も提供する使命があると考えています。

株式会社大倉 執行役員
HESTA デジタル事業開発部長
畢 嶸(ビ・ロン)氏

HESTA デジタルチャージの開発目的やビジネスモデルについてご紹介ください。

株式会社大倉 広報企画室 SNS担当
小林真由香氏

小林氏

HESTA デジタルチャージはモバイルバッテリーのシェアリングサービスです。標準的なレンタルスタンドは、モバイルバッテリーを8個装填できるデスクトップ型の8口モデルと、24個装填可能なスタンド型の24口モデルがあり、ともに大画面のデジタルサイネージ用液晶パネルを備えています。店舗などに設置する場合、初期投資は必要ありません。レンタル料金は、業界最安値の165円/24時間からとなっています。
スマートフォンが普及した今日では、その充電残量が日常的な関心事になっています。モバイルバッテリーをご自身で所有する場合はバッテリー本体や接続ケーブルを常に持ち歩かなければなりません。携帯販売店などに設置されている固定型充電スタンドを利用することもできますが、その場で待つかスマートフォンを一時的に預ける必要があるため行動が制限されます。HESTA デジタルチャージのレンタルスタンドが店舗などに設置されていれば、ユーザは必要な時だけモバイルバッテリーを持ち出して、充電しながら自由に移動でき、不要になったら別の場所にあるレンタルスタンドに返却することもできます。設置店側は、ユーザの来店促進を図ることができるほか、バッテリーレンタル売上の一部のレベニューシェアや、デジタルサイネージの広告特別枠利用などのメリットを受けることができます。また、全国の自治体においては、事故や災害などの緊急時に無償でHESTA デジタルチャージのモバイルバッテリーを提供する「災害協定」を検討いただいています。更に2022年10月には、法政大学地域研究センター、静岡市、静岡鉄道株式会社、HESTAオークラハウジング株式会社(大倉グループ)の4者と「モバイルバッテリーチャージャー(スタンド)を利用した防災・災害時対応等の情報環境整備に係る実証実験」を行い、産学官連携協定を締結しました。

HESTA デジタルチャージの通信機能について、なぜモバイル回線(LTE)を必要としたのでしょうか。

畢氏

HESTA デジタルチャージのレンタルスタンドは、人が集まる全国のあらゆるスポットに設置することを想定しています。ユーザは、スマートフォンにダウンロードした専用のアプリを用いて、レンタルスタンドのサイネージに表示されているQRコードをスキャンすれば、充電完了したバッテリーをレンタルすることができます。全てのレンタルスタンドとバッテリーにはそれぞれ管理番号が付与されており、弊社独自の管理システムにて一元管理しています。QRコードのスキャンからバッテリー返却まで、レンタルスタンドの情報受発信が瞬時に行われ、システムとアプリが同期しなければならないので、高速かつ安定した通信手段が求められました。
弊社の展開するスマートホームではWi-FiルータやLANケーブルで通信を行うのが一般的だったため、HESTA デジタルチャージもレンタルスタンド本体にWi-Fi機能を備えていました。当初は設置先のWi-Fi環境を使用してレンタルサービスを展開することも想定していたのです。しかし、デベロッパーとして「地方創生」という事業コンセプトを重視する以上、設置先のWi-Fi環境に依存せず、全国のあらゆる場所でサービスを展開できる必要がありました。その際、レンタルスタンドの設置場所にWi-Fiやローカル5Gを整備するよりも効率が高く、比較的通信が安定しているLTEこそが最適解だと判断しました。

選定の決め手

コストパフォーマンスから通信障害の少なさまでIIJモバイルタイプIが優位

IIJモバイルタイプIに注目された理由や、選定の決め手となったポイントなどについてお聞かせください。

畢氏

理由は5つありました。第1に、IIJモバイルサービス自体に幅広いニーズへの対応力があったことです。IIJモバイルサービスにはタイプI以外にも多彩なプランが用意されており、弊社にとって選択肢の幅が広いことは、取引先のニーズに応じて適切なプランを選べたり、使いやすいプランに変更できたりするため非常に好都合でした。
第2に、レンタルスタンド全体でパケットをシェアできるプランCが設定されていたことです。プランCはレンタルスタンド全体での通信が設定されたデータ容量の上限を超えると以後は従量課金になりますが、データ通信が停止したり、低速になったりしない点がHESTA デジタルチャージのビジネスモデルには望ましかったのです。
第3は、SIMの休止/再開をコントロールできるSIMライフサイクル管理機能の存在です。実はまだこの機能を使いこなしてはいないのですが、様々なトリガ(きっかけ)で開通や休止などのタイミングをコントロールし、通信費用を削減可能なのは、弊社のようなIoTサービスを展開する事業者にとって非常にやさしいサービスだと感じました。
第4は、SIMの状態や通信量などを一元管理できる「IIJサービスオンライン」が有効だと感じたからです。回線の検索や制御、詳細表示などの管理機能が豊富で使いやすいポータルになっています。
そして第5は、競合他社と比較した結果です。過去に他社ベンダーのSIMを活用していた際、通信障害が複数回発生し、お客様にも影響があったため、通信サービスの安定性を非常に重要視していました。いくつかのSIMでPoC(概念実証)を実施しましたが、コストパフォーマンスから通信障害発生の少なさまで、あらゆる面においてIIJモバイルタイプIが優位でした。

利用イメージ

導入後の効果

依頼から開通までのプロセスが迅速なIIJモバイルサービスを営業担当者が高く評価

HESTA デジタルチャージの稼働状況をお聞かせください。

辻氏

2022年12月時点で、レンタルスタンドは国内に3,500台設置され、日々増えている状況です。モバイルバッテリーレンタル業界では国内2位となりました。利用が最も多いのは、若い世代のご利用が多い遊園地などエンターテインメント関係の施設です。他には、ホテルや旅館などの宿泊施設や、スキー場などでの設置も目立って増えている印象です。

株式会社大倉 広報企画室 SNS担当
辻なつみ氏

IIJモバイルタイプIの導入効果や評価についてお聞かせください。

畢氏

大きく3つ挙げることができます。1つ目は、高品質なサービスの実現です。HESTA デジタルチャージのビジネスモデルの根幹は、レンタルスタンドが設置されたスポットを訪ねる施設利用客への高品質なモバイルバッテリーレンタルサービスの提供と、デジタルサイネージによる広告展開と情報訴求です。これらはIIJモバイルタイプIのSIMが常時安定的に通信を維持し、通信速度も確保されているからこそ実現できたことで、HESTA デジタルチャージのエンドユーザへのサービスの提供に大きく貢献しています。
2つ目は、LTE通信によるコスト削減です。仮にWi-Fiを使ってサービスを展開するには、設置場所のWi-Fiの有無と状況をヒアリングし、場合によっては弊社がWi-Fiルータなどを敷設しなければなりません。初期投資が必要な上にサービス開始まで時間もかかったでしょう。しかしIIJモバイルタイプIのLTEを活用したことでそうした手間と費用は全て不要になりました。レンタルスタンドを現場に搬入し、電源コードをコンセントに繋ぐだけで運用できるため、設置に協力いただくお客様側の負担も非常に少ないと考えています。
3つ目は、管理負担が少ないことです。「IIJサービスオンライン」は各種設定や手続きを始め、役立つ機能や情報が提供されるので、HESTA デジタルチャージのサービス開始が特にトラブルなく実現できました。また、システムメンテナンスなどのお知らせが随時提供されるとともに、依頼から開通までのプロセスが迅速に実現できるなど、弊社の営業担当者からも高く評価されています。
今後、SIMライフサイクル管理機能を本格的に活用していけば、レンタルスタンドの出荷前の在庫期間中や回収後の一時保管中などにサスペンドモードにでき、通信料金の低減に貢献するほか、開通の自由なコントロールも可能になるのでとても期待しています。

HESTA デジタルチャージの今後の展開予定などをお聞かせください。

小林氏

今後HESTA デジタルチャージは、地方を中心に2023年中には3万台を設置する計画で、2025年には10万台規模になる見通しも立てています。特に、待ち時間が長くなることの多い医療機関や行政施設にも設置を提案していく予定です。

辻氏

また、災害時の備えについて自治体や民間企業などから多くのお問い合わせをいただいており、今後は産学官での防災協定を結ぶケースが増えていく可能性があります。例えば、災害が発生した時のために、災害対策本部や指定避難所、スーパーマーケットなどにHESTA デジタルチャージのモバイルバッテリースタンドを設置することも検討されています。そこでは、モバイルバッテリーの供給のみならず、デジタルサイネージによる最新情報の発信も可能になるからです。地方創生と社会貢献の両面で様々な活用方法を検討してまいります。

畢氏

他のHESTAブランドの展開としては、将来的にヘルスケアなど医療機関との連携も視野に入れています。中でも遠隔診療についてはSIMを用いたネットワーク環境の利用が想定されるため、独自の機能やコスト対効果が優れるIIJモバイルサービスを活用する可能性は十分にあると考えます。そのため、IIJとはこれからも良好な関係を築いていきたいと思っています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

株式会社HESTA大倉
本社:東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 霞が関ビル6階
設立:1964年1月(創業:1962年2月)
資本金:30億円
戸建住宅、ニュータウン開発、分譲マンション、リフォームなどの住空間の提供と、会員制リゾートクラブのリゾート事業を中心に全国で事業を展開。自社運営リゾートクラブの会員数は総計で約3万、戸建住宅供給実績で約6万3,000区画に及ぶ。「HESTA」(ヘスタ)をコーポレートブランドとし、地方創生プロジェクト「HESTAスマートシティ」や、外出先から家電を操作する「HESTAデジタルスマートホーム」、医療とAI+IoTを繋ぐオンライン在宅診療や遠隔医療サポートなどのほか、アフターコロナ対策製品の顔認証&ゼロ接触型検温セキュリティゲート、次世代空気清浄機「HESTA AIR CLEAN」なども展開する。

株式会社HESTA大倉

※ 本記事は2022年12月に取材した内容を基に構成しています。ただし、2023年の社名変更に伴い、社名とユーザプロフィールのみ変更しております。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

導入事例

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