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合同会社ネコリコ 様合同会社ネコリコ

高齢者を対象とした法人向け見守りサービスに
IIJのSIMが採用
パケットシェアで自治体が目指す低額な料金設定を実現

家庭向けIoTサービス事業やIoTインフラサービス事業を行う合同会社ネコリコ(以下、ネコリコ)は、ひとり暮らしの高齢者を対象とした法人向け見守りサービス「独居ケアアシスタント」を2020年4月から本格的に提供開始。そのサービスで利用者宅に設置する小型ハードウェア「みまもりセンサー」に、「IIJモバイルサービス/タイプI パケットシェアプランC」(以下、IIJモバイルタイプI)を採用した。既に愛知県瀬戸市では実証試験を経て、既存の緊急通報システムに代わる新たな見守りサービスとして独居ケアアシスタントを正式に採用。2020年10月から一人暮らしの高齢者を中心に運用を開始した。今後ネコリコは、個人向け見守りサービスにもIIJモバイルタイプIを活用し、ポートフォリオの拡大を目指す。

導入前の課題

高齢者の居住環境を想定しWi-FiではなくLTEに注目

独居ケアアシスタントについてご紹介ください。

木全氏

独居ケアアシスタントは、一人暮らしの高齢者などを対象に、離れて暮らすご家族や、地域の自治体が連携して見守ることを可能にした、センシング型みまもり支援サービスです。“見守る”というとWebカメラなどで常時監視したり、プライバシーを制限したりするイメージを持たれることも多いのですが、独居ケアアシスタントではカメラを用いないシンプルでコンパクトなみまもりセンサーを、毎日触って動かすもの、例えば冷蔵庫のドアや上部に設置するだけです。みまもりセンサーは振動を検知する加速度センサーを内蔵しており、冷蔵庫を一定時間以上使用しないと、異変と判断し、ご家族や自治体など見守る側の人にメールでお知らせする仕組みです。見守られる側の高齢者は監視されているという窮屈さを感じることなく、普段と変わらない日常生活を送っていただけます。一方、見守る側の人の負担も最小限にするため、必要なタイミングで確認などのアクションが取れるようにしています。いかにシンプルに、安く提供できるかを目的にサービスを開発しました。
また、みまもりセンサーにはSIMカードを内蔵しているため、Wi-Fiやインターネット回線、電話回線、プロバイダ契約などは不要です。見守られる方1人につき、メールの送信先を複数登録が可能なので、ご家族の他、ケアマネジャー、高齢者をサポートする地域包括支援センターの方々などをご指定いただけます。自治体・法人などの管理者向け機能として、シンプルな管理パネルで複数人が協力して見守れる上に、専用ダッシュボードで異常の有無や検知回数をグラフや数値で可視化できるのも特長です。

合同会社ネコリコ
代表
木全 英彰 氏

みまもりセンサーの開発にはどんな課題があったのでしょうか。

西田氏

通信手段にはWi-Fiではなく、LPWA(省電力・広域通信を可能とする無線通信技術)の一つであるLTE-M方式の採用を決めていました。当社の「ネコリコホームプラス」というIoT製品では、Wi-Fiを活用しますが、特に高齢者の家庭にはWi-Fiが設置されていないことが多く、別途プロバイダとの契約や無線ルータなどを導入することが障害になるとの認識がありました。また、ネコリコホームプラスは、モーションセンサーやIoTゲートウェイなどのハードウェアも別途設置するタイプのサービスで、電源コンセントの確保や電池交換の課題がありました。そのため、独居ケアアシスタントのみまもりセンサーは、コンパクトなサイズにSIMカードと3つのセンサー(温度、湿度、加速度)を搭載し、電源ONですぐに使えるようにしました。
更に、みまもりセンサーはバッテリーで稼働する設計になっていたため、より省電力で長時間稼働できる方法をハードウェアメーカと検討しました。その解決策として、LTE-Mで利用できるeDRX(Extended Discontinuous Reception)という基地局との通信間隔を引き伸ばして端末の消費電力を減らす技術にもチャレンジしたのです。

合同会社ネコリコ
企画部 担当部長
西田 修平 氏

選定の決め手

複数のユーザでパケットをシェアし利用料金を安くできるIIJを選択

それらの課題を解決するため、IIJモバイルタイプIを選択されました。

西田氏

そのとおりです。IIJとは当社の設立当初からパートナーシップを維持してきました。独居ケアアシスタントのサービス基盤には、IoTビジネスの立ち上げをサポートするIoTプラットフォーム「IIJ IoTサービス」を採用しています。また、私たちのアイデアをIIJがクラウドを使ってサービス化するなど、課題を共有しやすい関係にありました。
IIJ IoTサービスと接続するためのSIMプランとしては、独居ケアアシスタントのサービス全体でパケットをシェアし、利用料金を安くできるIIJモバイルタイプIを選択しました。
みまもりセンサーのハードウェアは他社製を採用しましたが、内部のソフトウェアは独居ケアアシスタント用にカスタマイズをしています。例えば通信のタイミングは、動作の検知履歴を端末に保存し、7時と13時にIIJ IoTサービスのクラウドにデータ送信を行います。独居ケアアシスタントは常時監視ではなく、ご家族を含めた関係者が安否確認できることをコンセプトとしているので、複数の自治体に実証試験を行っていただいた結果を反映し、1日に2回の通信が適切だと結論づけました。

利用イメージ

実証試験は具体的にどのような内容だったのでしょうか。

木全氏

2019年11月から、愛知県の瀬戸市で独居ケアアシスタントを活用し、高齢者のお宅を中心に実証試験を行いました。その結果が良好と判断され、瀬戸市では2020年10月から本格的にサービスを開始されています。
現在、ほとんどの自治体では、消防や民間事業者などに委託する形で、一人暮らしの高齢者世帯や高齢夫婦のみの世帯などに「緊急通報システム」を導入しています。緊急通報システムとは、高齢者本人が助けが欲しい時にボタンを押すと、消防や自治体の用意したコールセンターにつながる固定電話に基づいた“SOS型”のシステムです。近年は、携帯電話の普及や固定電話の減少など、「緊急通報システム」の利用は下降傾向にあります。そこで当社は、緊急通報システムに代わる見守り型のシステムとして、独居ケアアシスタントを提案しています。瀬戸市からも、高齢者の異変を自動で検知でき、高齢者にとっても自治体にとっても安心につながるシステムであることを高く評価されました。
最近は新型コロナウイルスの感染拡大で、ケアマネジャーが頻繁に高齢者のご自宅を訪れることも難しくなっており、こうした一人暮らしの見守りサービスが大きく期待されているのを感じています。

開発過程において、IIJのサポートが役立ったエピソードがあればお聞かせください。

西田氏

みまもりセンサーはLTE-MのLTE Cat.4対応通信モジュールを採用していますが、この技術を利用することが初めてだったので、検証環境を用意するためのプランの選択や、バッテリーを長時間延命するための技術支援などをIIJに相談しました。LTE-Mと組み合わせ可能な省電力の技術としては、eDRXの他にも、待ち受け中の受信周期を拡大して省電力を実現するPSM(Power Saving Mode)などもIIJと一緒に検証しました。

導入後の効果

開通コントロールやパケットシェアで低額な料金設定を実現

IIJモバイルタイプIを活用したことによる効果をお聞かせください。

西田氏

中でも最も効果を実感したのは、「SIMライフサイクル管理」のアクティブとサスペンドの機能を活用した様々な制御です。現状の独居ケアアシスタントでは、あらかじめ当社でみまもりセンサーの在庫を持ち、その間は開通せず、申し込みがあったタイミングでアクティベートして納品しています。その間は通信料金がかからず非常に助かっています。また、高齢者は長期で入院する場合があり、その間は通信を止めたいというご要望もいただいていました。そのため、お客様がご自身で任意に通信を止められる機能も追加し、その期間は通信費用の削減を可能にしました。そうしたお客様本位の柔軟な対応も、IIJモバイルタイプIだから可能だったのです。

具体的な活用例を教えてください。

木全氏

実証試験を行っていただいた瀬戸市では、2020年10月より全国の自治体では初めて独居ケアアシスタントを導入いただきました。同市でも高齢化の波は押し寄せており、2020年の高齢化率が29.7%に達し、一人暮らしの高齢者や、高齢者だけの世帯が年々増加傾向にあります。そこで高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らしていくため、瀬戸市独自のサービスとして、独居ケアアシスタントにコールセンター対応を組み合わせた新たなサービスを立ち上げました。それが「もーやっこサポート」事業です。“もーやっこ”とは「みんなで分け合う・持ち合う」という意味の方言です。もーやっこサポートは、市内在住の見守りを必要とする方で、条件を満たした方を対象に、機器のレンタル費込みで月額980円(税込)で提供されています。この料金は、なんとか1,000円以内で提供したいという瀬戸市の強い思いから設定しているのですが、それを実現できたのはIIJモバイルタイプIを活用したからなのです。開通までの効率的なコントロールや、パケットを利用者全員でシェアすることで単価を抑えることができました。正に、みんなで分け合う・持ち合う効果は大きいと感じています。

今後の展開計画があればお聞かせください。

木全氏

独居ケアアシスタントは法人向け専用サービスですが、更に裾野を拡大するため、2021年夏頃を目処に個人向けのサービスも計画しています。基本的なサービス形態は独居ケアアシスタントと同様ですが、個人の方が利用しやすいように、専用のスマートフォン用アプリも提供します。

西田氏

個人向けサービスは、一人暮らしの高齢の親がいる子ども世代をターゲットにしています。ネット通販にも対応し、SIMは引き続き、IIJモバイルタイプIを活用します。通信契約は非同期にする形で、アプリから別途購入したデバイスのIDを入力いただき、申し込みと同時にAPIが簡単にアクティベートするモデルを想定しています。

開発プロジェクトを振り返り、IIJの評価をお聞かせください。

木全氏

IIJには、IIJモバイルタイプIだけではなく、IIJ IoTサービスや、AWSを含めたプラットフォーム全体の開発も支援してもらっています。どれも必要な機能が揃っていて、組み合わせるだけでスピーディに開発できるため、基本的な品質が高いという印象です。また、IIJは全国の自治体にも広くサービスを提供しているので、お客様への信頼度も十分です。今後もパートナーシップをより強化し、個人向けサービスを始めとする新たなポートフォリオの開発に向けて、一層の支援をいただけるよう期待しています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

合同会社ネコリコ
本社:東京都千代田区東神田2-1-8 秋葉原クロスサイド6階
設立:2018年4月2日
資本金:1億円
中部電力株式会社と株式会社インターネットイニシアティブの合弁会社として、暮らしを便利で快適にするIoTプラットフォームの提供を目的に設立。社名は“next connected life and community”の頭文字を取り、「暮らしや地域社会にコネクトし、それを基盤にお客さまが求める生活の質の向上、地域社会への新たなサービスの提供を他社に先駆けて実現する」という思いが込められている。主なサービス・製品として、人と人をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO emo LTEモデル Powered by ネコリコ」、LINEを活用したホームIoTサービス「ネコリコホームプラス」、センシング型みまもり支援サービス「独居ケアアシスタント」などを提供。

合同会社ネコリコ

※ 本記事は2021年6月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

導入事例

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