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Links Field Networks Limited 様 Links Field Networks Limited

香港IoTコネクティビティプロバイダがSIMサービスにIIJを採用
日本でのローカル通信を必要とする
海外IoTベンダーの需要に対応

香港に本社を持つ、革新的なIoTコネクティビティプロバイダのLinks Field Networks Limited(以下、Links Field)は、自社の「Links Field IoT コネクティビティソリューション」におけるSIM事業の中で、プラスチックSIMカードのみならず、チップ型SIM、SoftSIMなどの組み込み型のSIM向けにIIJの「IIJモバイル フルMVNOサービス」を採用。日本国内で使えるローカル通信を自社サービスに再パッケージして海外のIoTベンダーに提供している。同社は自社のOTA(Over The Air:モバイル通信によるSIMのデータの書き込みや消去を行う技術)サービスと組み合わせることで、多くの顧客の要件を実現し、新たなSIM技術と日本のローカル通信への需要急増に対応しようとしている。

導入前の課題

IoT利用に適したローカル通信提供者の不在

貴社の事業概要と主要製品についてご紹介ください。

Gary氏

弊社は2013年に設立し、香港に本社を持つ、革新的なIoTコネクティビティプロバイダです。SIMテクノロジーの技術集団であり、同時に最も経済的なグローバル、リージョナル、ローカルモバイル通信サービスのプロバイダでもあります。2017年まではOTA技術を利用した旅行者向けのSIMカードの販売をメインで行ってきましたが、その後はIoTコネクティビティソリューションを中心とした事業に転換しました。
主要なポートフォリオは次の3つです。1つ目はSIM製品です。従来のプラスチックSIMカードのほか、チップ型SIMやSoftSIMといった組み込み型のSIMも取り扱っています。弊社がIIJと連携して日本で初めて展開したのがSoftSIMでした。通信モジュールの内部にSIM情報をソフト的に書き込み「SoftSIMソリューション」として展開しています。
2つ目はデータトラフィックサービスです。当社はローカル通信やグローバルローミングも含めてデータトラフィックを扱っており、柔軟なパッケージでサービスを提供しています。弊社のブラジル支社は、Telefônica Brasil S.A.(ブラジル及びラテンアメリカで最大級の携帯電話事業会社)から認定されたMVNOでもあります。
3つ目はプラットフォームサービスです。当社の「CMP」(Connectivity Management Platform)はモバイル通信サービスの管理プラットフォームとして機能します。また、「RSP」(Remote SIM Provisioning)はモバイルネットワークにアクセスするための情報をSIMへ遠隔から書き込むための機能で、「Links Field OTAサービス」としてSoftSIMへの書き込みにも対応したプラットフォームを提供しています。
これら3つを総称し、Links Field IoT コネクティビティソリューションとして提供しています。

Links Field Networks Limited
Chief Operating Officer
Gary Wong 氏

2019年10月に、貴社とIIJはSoftSIMの利用拡大に向けた業務提携を発表しました。

Gary氏

その通りです。両社はIoTデバイスを製造する事業者向けにSoftSIMソリューションの開発及びサービス展開を共同で推進することで、日本市場におけるIoTビジネスの更なる普及・発展を目指しています。具体的には、日本でのSoftSIMの共同展開や、SoftSIMに必要な通信プロファイルの提供、通信モジュール製品へのSoftSIM提供拡大に向けた連携、海外での通信プロファイルの共同調達、海外でのSoftSIMの共同展開などを行っています。

最近のビジネス上のハイライトをお聞かせください。

Gary氏

IoTの領域は多様なタイプのビジネスがあります。例えば、太陽光発電ビジネスの設備に関して、弊社のコネクティビティソリューションを活用するケースが増えています。また、中国には数多くのEV(電気自転車)メーカが存在しますが、それら企業にもeSIMやSoftSIMの提供を行っています。日本においては、IIJと連携して見守り用GPSデバイスにSoftSIMを提供した実績があります。
さらに、弊社は2019年にGSMAのインダストリーメンバーに加入しました。ネットワーク上にeSIMプロファイルを保管・管理してプロファイルの有効化や無効化、アップデート、削除などの処理を行う、SM-DP+(Subscription Manager Data Preparation+)と呼ばれるサーバに対するSAS(Security Accreditation Scheme)認証を取得しています。加えて、eSIMサービス関連の新たなプロビジョニングサービスにも投資しています。

Links Field IoT コネクティビティソリューションの開発においてはどのような課題があったのでしょうか。

Gary氏

APIに関するシステム連携を理解することが大きなチャレンジでした。弊社は日本だけではなく世界中30以上のプロバイダとも連携していますが、プロバイダ毎にAPIが異なるため各社とのシステム連携に向けた開発を個々に行わなければなりません。日本で使えるローカルコネクティビティを自社サービスに再パッケージして世界のユーザに利用を促すためには、日本のプロバイダのAPIを含めたバックエンドサービスの仕様を細かく把握し、どのように動くのか正確に理解する必要がありました。要件としては主に2つありました。1つはデータ量が確認できること。もう1つは回線のコントロールができること。開通や一時的な中断、あるいは解約を行えることが必要でした。
また、日本でモバイルネットワークを使う外国のユーザは、ローカル通信を求めるケースが多く、それが安定して利用できることが重要でした。日本で使うのなら、通信品質が高く、通信可能エリアのカバレッジが広いNTTドコモ網を使いたいというユーザは非常に多く存在するので、そのニーズを満たすことも必要でした。

利用イメージ

選定の決め手

IoTベンダーの要望に対して柔軟に対応できるIIJを選択

IIJのフルMVNOサービスを採用したポイントとはなんでしょうか。

Gary氏

大きく3つありました。第1は信頼性です。IIJのコネクティビティは日本の広い地域をカバーするNTTドコモ網を使っているので、ユーザの求める条件に合致しました。第2は柔軟性の高さです。IIJは日本で最も大きなフルMVNOであり、弊社の様々な要望にも応えて、最適なローカル接続サービスの提案をいただいたことも選択の要因になりました。実はこの柔軟性こそIoTベンダーに求められているものなのです。IoTベンダーの多くは中規模から小規模であり、海外に進出して現地のMNO(移動体通信事業者)と直接取引したり交渉したりすることは非常に困難です。しかし、IIJのサービスは柔軟で、ほとんどに対応することが出来ました。その柔軟性が重要でした。第3は先見性です。IIJはSoftSIMの未来に対して大きな可能性を確信しており、他のベンダーにはあまり見られない先見性があると感じました。だからこそ、IIJとは長期的なパートナーシップを結び、両社がお互いの製品を利用することで相乗効果を生み出せると思いました。

Links Field IoT コネクティビティソリューションにおけるIIJのフルMVNOサービスの導入経緯をお聞かせください。

Gary氏

最初にIIJのフルMVNOサービスを検討したのが2018年7月です。その後導入が決定してからすぐに開発がスタートし、9月にはLinks Field IoT コネクティビティソリューションにおける通信サービスの一部として提供を開始しました。

導入後の効果

IIJのフルMVNOサービスはIoTビジネスのターンキーとなる重要な要素

IIJのフルMVNOサービスを活用した事例と導入効果についてお聞かせください。

Gary氏

IIJのフルMVNOサービスの導入事例はいくつかあります。例えば、自販機向けキャッシュレス決済機器を開発する中国メーカによる弊社のSIMの採用です。このSIMでは、IIJのローカルコネクティビティが利用され、今後本格的に日本の自販機への搭載が進む見通しです。IIJのフルMVNOサービスは導入後も柔軟性が高く、在庫期間中は通信費用を抑え、需要に応じて利用開始できるライフサイクル管理機能があるため、そのローカルコネクティビティとLinks Field OTAサービスを組み合わせることにより、お客様の要件を満たすことができました。
また、スマートウォッチのプロジェクトでは、案件を獲得できるように親身にサポートしてくれたことが功を奏し、競合他社を抑えて受注することができました。

IIJモバイル フルMVNOサービスを活用したことによる貴社ビジネスの成功要因とはなんでしょうか。

Gary氏

多くの中国企業が日本でのIoTビジネスを次々と展開しており、日本のローカルコネクティビティへの需要が急増しています。そのため弊社は、IoTビジネスにとってターンキーとなるコネクティビティプロバイダの役割を果たし、4G及びCat.M1方式のデバイスを主体に提供していくつもりです。IIJのフルMVNOサービスはその重要な要素になることは間違いありません。例えば、日本に進出しようとしているある中国の企業は、EV向けの車載コントローラーにIIJと弊社が共同で提案したソリューションを活用することを検討しており、順調に萌芽がしつつあります。

今後の展開予定、及びIIJに期待することについてお聞かせください。

Gary氏

弊社はIoTにフォーカスしたコネクティビティソリューションプロバイダとして、SIMの調達元に対し回線のライフサイクルを管理できることをお願いしています。例えば、テストデータ利用の許可、オートアクティベーション、サスペンド時の請求減免などです。それをIIJのフルMVNOサービスでも実現したいと考えています。また、IIJとは新たに革新的なSIM技術を共に探究し、市場に適用し続けていくことも希望しています。SoftSIMは成功裏に立ち上がりました。次はSoftSIM関連の新たなテクノロジーを立ち上げる予定です。これからもIIJとは信頼できるパートナーとして、新たなサービスやソリューションを様々なお客様に提供し続けていきたいと考えています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

Links Field Networks Limited
本社:Units 1005, Cigna Tower, 482 Jaffe Road, Causeway Bay, Hong Kong.
設立:2013年
香港に本社を持つIoTソリューションの世界的リーダー。GSMA準拠のeSIM、RSPプラットフォーム、接続管理プラットフォーム(CMP)、SoftSIM技術および通信事業者データ課金スキームなどの分野において、シンプルでコストパフォーマンスに優れた、IoTデバイスとM2Mアプリケーション向けの革新的な通信ソリューションを提供。

Links Field Networks Limited

※ 本記事は2021年11月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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