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京セラみらいエンビジョン株式会社 様 京セラみらいエンビジョン株式会社

介護事業者向けソリューションにIIJの法人向けSIMが採用
通信の高い安定性を実現し従来比約15%のコスト削減も見込む

導入前の課題

通信量上限のあるSIMから通信が安定し費用低減も可能なSIMへの置き換えに着手

貴社のビジネスの概要と主要な製品についてご紹介ください。

京セラみらいエンビジョン 松崎氏

弊社は主に携帯電話キャリア様向けの携帯基地局の建設事業や、関連するネットワーク・DXにかかる事業、地方自治体向け事業を展開しています。特に社会課題の解決も主たる使命と考え、通信、安全、医療・介護、教育、交通・物流、人口減少、地域経済の7分野の解決に向け日々企業活動を続けています。具体的には、災害時・防災・行政情報の配信や地域の情報共有支援として開発した自治体向けIP告知端末「しらせあい」シリーズは、文字・音声・画像・動画による情報共有機能の高さが認められ、多くの地方自治体でご利用いただいています。また、携帯基地局建設のノウハウを生かして独自開発した「みらいポール」は、東京都の5Gインターネット基盤やセンサーを活用したデータドリブン社会の実現を推進する実証事業に採用されるなど、様々な成果が生まれています。

松崎 泰史氏
京セラみらいエンビジョン株式会社
デジタルプラットフォーム事業部
プラットフォームサービス部責任者
松崎 泰史氏

このたびは貴社の「しらせあいコール」と「ヘルスケアデータプラットフォーム」にIIJモバイルサービス/タイプI(以下、IIJモバイルタイプI)を採用いただきました。それぞれの特徴や用途についてお聞かせください。

京セラみらいエンビジョン 廣渡氏

介護事業者向けソリューション「しらせあいコール」は、弊社の「しらせあい」からテレビ電話機能のみを切り出し、画面のボタンにタッチするだけで簡単にビデオ通話を可能にしたタブレット型の見守りツールです。介護業界向けの製品開発を検討する際に、特に「定期巡回・随時対応型訪問介護サービス」を提供する事業者から定期的な安否確認や緊急連絡時における遠隔からの情報把握にテレビ電話を利用したいとのご要望があり、この製品開発につながりました。在宅で生活する高齢者や要介護状態の方によるワンタッチでのテレビ電話の使用を可能にしたことで、介護事業者と利用者との遠隔による状態確認を容易にし、介護従事者の業務負荷軽減を図りつつ利用者の安心感にも繋がると評価されています。また介護事業者のみならず、医療機関での在宅療養者の見守りを目的として採用され始めているほか、1つの接続先にしかつながらない仕組みを活かして一部のタクシー会社が高齢の利用者向けに配車連絡用として採用いただくケースもあります。今後は介護記録サービス提供事業者との連携による訪問介護サービスへの提供も検討中です。

廣渡 智大氏
京セラみらいエンビジョン株式会社
デジタルプラットフォーム事業部
プラットフォームサービス部副責任者
廣渡 智大氏

京セラみらいエンビジョン 佐野氏

クラウド型のITソリューションサービス「ヘルスケアデータプラットフォーム」は、Bluetooth連携機能を持つ医療機器(※1)からのバイタルデータ(脈拍数、心拍数、血圧、体温のバイタルサインをデータ化したもの)を自動的にクラウド上のプラットフォームに連携し、蓄積することで医療・介護業界の様々な課題解決を可能とするソリューションです。まだ実証段階ですが、遠隔での見守りを可能とすることで、在宅療養者が安心して療養可能になるだけでなく、医療・介護従事者の業務負荷軽減も目的としています。主な特徴としては、1)特定の医療機器のみを対象とせず導入する際の障壁を減らせること、2)バイタルデータの取得はスマートフォン用アプリのみならずIoTゲートウェイも活用できること、3)サブスクリプション型のサービス提供を検討していることなどがあります。活用例として、弊社は青森県青森市の「ヘルステックを核とした健康まちづくりプロジェクト」(浪岡地区をモデル地区として青森市民の健康寿命延伸を基本コンセプトとした事業)に賛同し、その一環の「IoTを活用した見守りサービス」実証事業にヘルスケアデータプラットフォームを提供しています。関係医療機関や介護サービス事業所との情報連携と、みまもりサービスの共同化を可能とする試みで、地域包括ケアシステムの実現を目指しています。

※1:2024年2月現在、三栄メディシス株式会社製ヘルスモニター「Checkme Pro B ADV」とパルスオキシメーター「Checkme Ring」、日本精密測器株式会社製の手首式血圧計「WS-M50BT」と皮膚赤外線体温計「サーモフレーズMT-550BT」に対応

佐野 和也氏
京セラみらいエンビジョン株式会社
デジタルプラットフォーム事業部
プラットフォームサービス部
ヘルスケアサービス課 副責任者
佐野 和也氏

上記2ソリューションの通信機能においてこれまでどのような課題があったのでしょうか。

松崎氏

以前はコンシューマ向けMVNOのSIMを採用し、通信量上限設定のある月額定額料金契約で各ソリューションのモバイル通信を構築していました。月額定額料金により一定の費用で利用者にサービスを提供できる反面、通信帯域が必ずしも保証されないサービスのため、通信の混みあう正午前後の時間帯や夕方の時間帯のほか、既定の上限通信量を超えた場合にも通信制限がかかるため、利用者が必要とするタイミングで通信が確立しないという懸念がありました。2つのソリューションの性質上、必要なタイミングで通信制限がかかると非常に大きな問題となるため、通信の安定を最優先し、かつ可能な限り費用低減が可能なSIMの再検討を行ったのです。

選定の決め手

課題だった通信の安定と費用低減を図る上でIIJモバイルタイプIが最適と判明

IIJモバイルタイプIに注目されたポイントや選定の決め手についてお聞かせください。

佐野氏

2023年3月頃から、MVNOやキャリア各社の格安SIMプランを価格・データ通信量などの条件で比較するサイトの情報を参考に検討を開始しました。その結果、費用と通信帯域のバランスが総合的に優れていたのが「IIJmio」だったのです。そこでIIJに問い合わせをしたところ、弊社のソリューションにはコンシューマ向けのIIJmioよりも法人向けのIIJモバイルタイプIが適していると推奨されました。当初は料金設定が高い法人向けサービスの利用は想定していませんでしたが、法人向けモバイル通信サービスのメリットについて詳しく説明を受けた結果、弊社が課題としていた通信の安定と費用の低減を図る上でIIJモバイルタイプIが最も適切だと判明しました。特に次の要因が選定の大きな後押しとなりました。第1は、SIMライフサイクル管理機能の存在です。在庫保管中など長期的な視点で費用削減が可能になると期待できました。第2は、IIJの営業担当の的確なアドバイスです。「しらせあいコール」は月々の通信量が大きく変動する点をIIJは指摘、それを前提に試算した上で費用低減を図るには従量課金プランが適していると提案いただきました。これはとても有効でした。第3は、MVNOの中でも抜きん出たサービスであることです。IIJモバイルタイプIは法人向けとして通信の優先度を上げているため、競合よりも通信エラーのリスクが格段に少ないほか、他社MVNOにもOEM提供している信頼性があり、IIJ自体が国内ISPの老舗企業という安心感も決め手となりました。

利用イメージ

導入後の効果

通信に起因した障害は発生せず必要とするタイミングで通信が確立しない問題も解決

IIJモバイルタイプIに移行したことによる効果やメリットをお聞かせください。

佐野氏

メリットの1つは、通信の高い安定性です。IIJモバイルタイプIを使う「しらせあいコール」をリリースする前に、実機検証として一定期間断続的に通信速度を計測しました。以前使用していた他社のSIMでは、通信の混みあう時間帯に基本的な通信に支障が出るほど通信速度が大きく下がる傾向がありましたが、IIJモバイルタイプIに替えてからは、時間帯によって通信速度は多少下がるものの、通信に必要な帯域はしっかりと確保されていることが確認できました。
その後、新「しらせあいコール」は2023年6月にリリースし、2024年2月現在で10箇所ほどの事業者に提供していますが、これまで通信に起因した障害は一度も発生していません。従来のSIMで課題だった「規定の上限通信量を超えた場合の通信制限」による必要なタイミングで通信が確立しない問題が解決できたことも大きな安心につながっています。また、「しらせあいコール」はこれまで何度か展示会に出展していますが、他社のSIMを利用していた際には、通信が混みあう時間帯にデモを行うとテレビ電話がつながらない事象が頻発していました。IIJモバイルタイプIに切り替えてからはいつでもテレビ電話がつながるようになり、サービスの内容を存分にアピールできています。そのため弊社内ではIIJの技術力への評価が非常に高くなっているのです。

廣渡氏

メリットのもう1つは、費用削減の効果です。従量課金型のIIJモバイルタイプIを使用開始してからまだ日が浅いため、コスト削減効果の正確な測定はこれからですが、5年間のライフサイクルコストを従来の定額料金型SIMと比較した場合、15%程度の削減効果が見込めます。それだけIIJモバイルタイプIのプラン設計が適切だったということです。
また、SIMライフサイクル管理機能を活用することにより、在庫中や休止状態の際に基本使用料を抑えられるため、更なる費用低減が期待できます。今後「しらせあいコール」は福祉用品会社と協力してレンタル提供する計画もあります。メンテナンスセンターに数セット保管し、お客様からの需要に応じた即納体制を整えるため、その間に料金がフルにかかってしまうと利益のロスにつながってしまいます。SIMライフサイクル管理機能は弊社のビジネスにとって重要な要素となっているのです。

今後の展開予定や見通しをお聞かせください。

佐野氏

「しらせあいコール」はこれまで介護サービス事業所向けに提供していましたが、利用者が住み慣れたご自宅で終末期の生活を送るためのサポートをする医療機関向けの見守りツールとしてもニーズがあることが分かりました。今後はそうしたターミナルケア(終末期医療)も積極的に支援していきたいと考えています。
また、「ヘルスケアデータプラットフォーム」はこれから本格的に提供していきますが、僻地における在宅療養者の見守りツールとしてだけでなく、地域包括ケアシステムにおける重要な多職種連携ツールとしての機能も期待されています。自宅で高齢者や在宅療養者が生活する場合は、医師や看護師だけではなく、介護・看護事業者、行政、ケアマネージャーなど様々な立場の人たちが各カテゴリで高齢者や在宅療養者を見守る必要があります。現在はその関係者間での情報連携が難しい状況にあるため、ヘルスケアデータプラットフォームに大きな期待が寄せられているのです。
更に、弊社の「しらせあい」においては自治体内における無線通信を閉域接続で行うニーズも多いことから、今後「IIJ公共安全モバイルサービス」や「IIJモバイル閉域サービス」、「IIJプライベートバックボーンサービス」などが活用できる可能性もIIJと共に探っていきたいと考えています。

最後に今回のプロジェクトの感想をお聞かせください。

松崎氏

IIJモバイルタイプIは法人向けのフルMVNOサービスであるため、通信品質や安定性は向上する半面、コストの上昇を心配していましたが、IIJの協力によって月々の通信量を棚卸した上で詳細な費用確認を行った結果、長期的なスパンでの費用低減が確認できたことは、ビジネスの高度化に大きなきっかけをいただきました。国内で長くISP企業として事業を展開されてきた確かな技術力もさることながら、顧客に対する非常に前向きながらも真摯な提案姿勢は高く評価できる点だと考えています。これからも変わらぬ支援を期待しています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

京セラみらいエンビジョン株式会社
本社:東京都港区三田3-5-19
   住友不動産東京三田ガーデンタワー20F
創業:2011年4月1日
資本金:4億9,398万9,000円
京セラグループにおける情報通信の総合エンジニアリング会社。データプラットフォームとネットワークソリューションを核に企業ビジョンである「格差なく住み続けられるまちづくりに貢献するグローバルカンパニー」を目指し事業を展開。モバイルインターネット、AI、IoT、ビッグデータ、仮想クラウド分野のほか、その各分野を細分化した5G(第5世代移動通信システム)、SDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)、NFV(ネットワーク機能仮想化)、GPON(ギガバイトパッシブ光ネットワーク)などに関係するエンジニアリングも手掛ける。

京セラみらいエンビジョン株式会社

※ 本記事は2024年1月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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