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北海道・芽室町農業協同組合 様 北海道・芽室町農業協同組合

iField Cloudを利用し、フィールド情報管理をクラウド上で
実施することで、小麦刈り取りの生産性が飛躍的に向上

国産の良質な農畜産物を消費者に提供する北海道・芽室町農業協同組合(JAめむろ)では、ITを活用して生産性・効率性の向上に取り組んできた。そして、小麦の収穫作業に必要なコンバインの給油を効率化するため、IIJのパートナー企業であるマルティスープのクラウドサービス「iField Cloud」を採用。IIJ GIOを基盤に、モバイル位置情報を活用して大規模な耕作地の収穫作業状況を把握できる仕組みが評価された。

大規模農業に不可欠な機械化とIT化を推進

北海道東部にある芽室町は、東西22.6km、南北35.4kmの広さがあり、その約42%が農地、約40%が山林で、緑豊かな畑作地帯として知られる。主な作物は、小麦、てん菜、ばれいしょ、豆類などがあり、良質の農産物を国内市場に送り出している。「芽室町では約6000haの耕作地で小麦を栽培し、夏になると小麦の収穫が一斉に始まります。刈り取りが遅れると品質が低下するため、7月下旬からの約1週間が勝負になるのです」と、JAめむろ管理部 管理経理課の課長補佐で、IT化を推進する山口正広氏は説明する。

広大な耕作面積を持つ芽室町で効率的に大規模農業を行うためには、機械化やIT化は不可欠だという。例えば小麦の場合、収穫時に水分が多いと刈り取り後、乾燥機で乾かさなければならず、乾燥機の燃料コストもかかる。「できるだけ水分の少ない状態で刈り取ると品質が高く、燃料コストも減らせるのです。そのため、ITを活用してきました」(山口氏)。

JAめむろでは、約10年前に小麦収穫支援システムを導入。従来、各農家の経験に頼っていた小麦の収穫時期の判断に、衛星画像から求めた正規化植生指数を活用。「システムを導入した結果、収穫適期が把握できるようになったため、刈り取り作業に必要なコンバインの保有台数を削減するなど、収穫作業を改善してきました」と山口氏は述べる。

コンバインの位置情報を把握して給油作業を効率化

JAめむろでは約40台のコンバインを保有し、各集団(各地区の農家のグループ)に配置して小麦の刈り取り作業を行う。従来、給油車(タンクローリー)が停車する場所までコンバインを移動、給油していた。だが、耕作地が広大な上、コンバインはスピードが出ないため移動するにも時間がかかる。「通常の刈り取り作業では1日に2回給油する必要があります。さらに、小麦の刈り取りは短期間に行わなければならず、天候によっては夜間の作業もあり、コンバインの給油をはじめ、収穫作業のさらなる効率化が課題になっていました」。

JAめむろ農産課ではコンバインを有効活用するため、どこで使われ、どのコンバインが給油を必要としているのか状況を把握したい、といった要望が上がっていた。

「個人のスマホでは位置情報を活用したサービスがたくさんあります。それらを活用して、コンバインの場所の把握に位置情報を活用できないか。組合員や農協職員の要望を形にする仕組みはないものか。これがフィールド情報管理システムの発想の原点です」と山口氏は振り返る。そして様々なITベンダーの中から、マルティスープがクラウドサービスで提供するモバイル位置情報/フィールド業務支援ソリューション「iField Cloud」を採用した。

IIJ GIOを基盤にクラウドサービスをスピーディーに提供

「iField」は、GPSやカメラ、マップなどスマートフォン、タブレットのモバイル端末が備える機能を活用し、フィールド業務を支援するソリューション。モバイル端末アプリ、通信サーバ、PC管理者インタフェースなどでシステムを構成する。動態管理、保守・点検、災害状況把握、設備・施設管理などの様々なシーンで利用され、官公庁や企業で豊富な導入実績がある。

オンプレミス型は自由度が高いものの、導入コストが割高になりがちだが、その一方、ASP型は低コストに導入できるものの、カスタマイズの自由度が低いという問題がある。「両方の課題を解消し、いいとこ取りできるのがクラウドサービスです。iField Cloudは、企業ニーズに合わせてカスタマイズできる上、構築までのリードタイムを大幅に短縮し、スピーディーに稼働できます」とマルティスープの隅谷寛人氏はメリットを説明する。

iField Cloudのクラウド基盤としてIIJ GIOを活用。その理由として、「IIJ GIOは高い信頼性、拡張性に加え、セキュリティ面でも安心です。閉域網を使ってiField Cloudを利用でき、セキュリティに厳しい官公庁や企業にも好評です」と隅谷氏は評価する。

JAめむろでは、2012年7月からiField Cloudを活用したフィールド情報管理システムの本格稼働を開始。携帯端末を搭載したコンバインの位置情報をクラウド経由で給油車のタブレット端末やJAめむろ内の管理用PCでリアルタイムに確認できる。

iField Cloudの導入効果について、山口氏は「従来、給油車はコンバインが来るのを待つだけでしたが、情報交換が容易になり、位置情報を確認後、刈り取り作業開始前に給油に出向くことができます。コンバインは給油のために移動する無駄がなくなり、効率的な作業ができるようになりました」と述べる。給油車を大型タンクローリー2〜3台に集約しながら、給油時間・走行距離を約80%削減。また、携帯電話と紙の地図で行っていた運行管理もタブレットで行えるため、組合員にも好評だという。

JAめむろでは、iField Cloudを活用し、業務系と情報系の支援システムを計画中だ。「システムの拡張が容易なのもクラウドの利点です。今後、既存システムとの連携など、より組合員が使いやすいIT環境の構築を進めていきます」と山口氏は述べる。そして、隅谷氏は「IIJのクラウド基盤とネットワーク、当社のフィールド業務支援ソリューションをセットにしてお客様に提案でき、ビジネスの幅を広げられます」とパートナーとしてIIJとの協業の展開に期待している。

農業の効率化、生産性の向上が求められる中、iField Cloudの活用を積極的に進めるJAめむろの取り組みは、他の農協からも注目されている。

芽室町農業協同組合様に導入したシステム 概要図

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

芽室町農業協同組合
所在地:北海道河西郡芽室町西4条南1-1-9
設立:1948年3月
組合員戸数:651戸
組合員数:正組合員 1879人、准組合員 3422人
付加価値が高く、消費者に喜ばれる農畜産物の生産を推進。組合員と共に創意工夫と研究開発を重ね、近代農業の確立とさらなる飛躍を目指している。

芽室町農業協同組合

※ 本記事は2013年7月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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