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Hamee株式会社 様Hamee株式会社

子供用新型スマートフォンにIIJのチップ型SIMを採用
信頼性と低料金を両立し、更に利用開始の手続きを簡素化
同時に故障リスクも削減

世界累計販売数2,000万個を誇るスマホアクセサリーブランド“iFace”で商品の企画・販売を行う「コマース事業」や、4,500社以上が利用するSaaS型ECプラットフォーム“ネクストエンジン”を提供する「プラットフォーム事業」などをビジネスの柱とするHamee株式会社(以下、Hamee)は、新たなポートフォリオとして、親子で楽しみながらデジタルデバイスの使い方を学べる“プレスマホ”「Hamic POCKET」をリリース。その通信手段に、「IIJモバイルサービス/タイプI」(以下、IIJモバイルタイプI)を採用した。フルMVNOならではの柔軟性と安定した回線品質、お客様本位のサービスを実現し、利用ユーザから高い評価を得ている。

導入前の課題

お子様が気軽に持ち歩きたくなるプレスマホに入れるべきSIMとは

貴社のビジネスにおいてHamic POCKETはどのような位置付けの製品なのでしょうか。

樋口氏

Hameeの社名の由来は、「happy mobileX, enjoy commerceX.」です。モバイルアクセサリーの企画・販売を行う「コマース事業」と、eコマース運営のノウハウを提供する「プラットフォーム事業」の2つの事業を主に行っております。そして、両方の事業の中間でそれぞれの強みを活かせるのが「Hamic」なのです。Hamic POCKETは、Hamicブランドの第2弾として、2021年2月にリリースしました。

Hamee株式会社
代表取締役会長
樋口 敦士 氏

Hamic POCKET開発のきっかけについて教えてください。

樋口氏

Hamic POCKETの開発コンセプトは、「スマホにも、補助輪を」というものでした。お子様が自転車を欲しがった場合に、保護者としてはいきなり大人用の高性能な自転車を買い与えて、練習もさせずにひとりで交通量の多い道路を走らせることはしないでしょう。スマートフォンやSNSの世界も同様です。大人用のスマートフォンをいきなりお子様に与えるのではなく、最初は補助輪付きの自転車で練習するように、誰かがサポートしながら、安全に学べるスマートフォンがあればいいと考えました。それを、当社では独自に「プレスマホ」と名付け、楽しみながらデジタルデバイスの使い方を予習できる「あんしん」「楽しい」「リテラシー」の3つの要素を持ったプレスマホ、Hamic POCKETを作ったわけです。

Hamic POCKETは、従来のキッズケータイとは何が違うのでしょうか。

河合氏

NTTドコモ モバイル社会研究所が2020年11月18日に発表した調査結果によると、保護者がお子様にスマートフォンやケータイを使わせ始める理由としては、「緊急時に子どもと連絡が取れるようにしたい」という動機が最も多い結果になりました。そこで、そのための最適な手法とは何かを、様々な角度から検討しました。一般的なキッズケータイは、極端に機能を制限した上で緊急時に連絡できる点を訴求しています。しかし、お子様にとっては保護者による監視ツールに感じられたのか、あまり持ちたがらない傾向があったのです。持ちたがらないから、充電も疎かになり、その結果として肝心な時に使えなくなってしまいます。一方、使わなくなった古いスマートフォンをおさがりで持たせる場合もありますが、大人用のスマートフォンには子どものリスク回避に役立つ機能は乏しく、その上、ネット上でのトラブルに巻き込まれる可能性も高まります。Hamic POCKETは、そうした“帯に短し襷に長し”的な悩みを解決できるプレスマホを目指しました。

Hamee株式会社
事業企画部 Hamic事業 Hamicアンバサダー
河合 成樹 氏

Hamic POCKETの機能の概要についてご紹介ください。

河合氏

Hamic POCKETで特に注目いただきたい機能は5つあります。1つ目は、「Android Goエディション」の搭載。初めてスマートフォンを使うユーザに向けて最適化されたAndroid OSの軽量バージョンを採用しました。2つ目は、GPSの活用。普段はPull型でリアルタイムに端末の位置を確認でき、防犯ブザーの作動時には警報音だけではなく、Push型で保護者のスマートフォンにお子様の位置情報を表示します。3つ目は、独自の「Hamicアプリ」。保護者がお子様の言動を見守れるコミュニケーションアプリを搭載しています。4つ目は、「Google Play」との連動。これまでのキッズケータイにはない、動画やゲームなどのエンタメ要素が使えます。そして5つ目が、「Google Family Link」の採用。アプリやWebの利用時間の制限、利用状況の見守り、年齢に応じたフィルタリングなどのほか、位置情報もGoogle Map上で確認できます。

Hamic POCKETの開発過程においてどのような課題やチャレンジがあったのでしょうか。

藤澤氏

Hamic POCKETの企画が始まったのは2017年頃からですが、当時はまだどんなサービスを立ち上げるのかはっきり決めていなかったのです。当初は、首にかけるブローチ型や、腕時計型なども検討していましたが、試行錯誤の結果、お子様に最も受け入れられそうなスマートフォン型で開発を進めることが決まりました。しかし、個対個で通信を行うキッズケータイとは異なり、スマートフォンの場合はブラウザが載り、グループという概念でSNSやメッセージによって、いつでもどこでもコミュニケーションが可能になります。それがリスクにもなるのです。
そのため、初めて触れる端末として提供するには、ある程度使い方を制限した形にする必要がありました。無制限にアプリをインストールできないようにし、SMS詐欺も想定し電話番号も不要にしました。親子が、何をインストールするかを話し合って決めていただきたいと思っています。また、サービスを厚くするとコストが膨らむビジネスモデルにはしたくなかったので、最初からローコストで使えるようにし、データ通信を中心としたサービスにするべきだと判断しました。スマートフォンデビューの前に練習として使っていただく端末がプレスマホです。
その上で、プレスマホを使う方はどんなペルソナなのかを再度洗い出した結果、問題となったのが、通信の要であるSIMカードの選択でした。当社の要望にカスタマイズなどで柔軟に対応し、契約料金が安く、契約手続きが簡単なモバイルサービスが必要だったのです。

Hamee株式会社
事業企画部 Hamic事業 プロジェクトマネージャー
藤澤 利之 氏
利用イメージ

選定の決め手

チップ型SIMの採用でリスク要因の排除とコスト削減を実現

IIJモバイルタイプIに注目した機能や、選定の決め手となったポイントを教えてください。

藤澤氏

IIJモバイルタイプIは、法人向けモバイル通信サービスで採用実績が多く利用料金が安価で、利用開始までの手続きがシンプルなサービスとしてHamic POCKETの要件に見合っていました。また、ほかにも注目した機能は2つありました。1つはSIMライフサイクル管理機能です。Hamic POCKETは当社が直接ユーザに販売するスタイルなので、出荷前のテスト過程や、販売前の在庫の段階から通信費用が発生すると、ビジネスの負担になります。SIMライフサイクル管理機能は、アクティブとサスペンド(一時中止)のモードを選択できます。出荷前のテスト段階で通信の利用を可能にしつつ、テスト完了後に再度課金を止め、お客様が通信を開始した時点で再度課金を開始できるなど、当社の求める条件が揃っていました。そうしたフルMVNOならではの柔軟性が一番魅力でした。
もう1つは、チップ型SIMが提供可能だったこと。当初はMFF(マルチ・フォーム・ファクター)型のSIMカードを採用しようと考えていました。しかし、MFF型SIMはスロットに格納して接続されるため、振動や埃、温度変化に弱く、お子様がラフに取り扱うと、接触不良などが発生し故障率が高まることも懸念されたのです。その点、チップ型SIMならば内部基板に直接実装が可能なため、リスク要因となるスロットを排除でき、振動・埃の心配も少なくなります。機構部品が減ることで、コスト削減が可能になるという期待もありました。
当初は他社のSIMも検討していましたが、2019年夏頃にはIIJモバイルタイプIに決めてしまいました。それに合わせて、SIMカードをスロットで格納する設計から、チップ型SIMを基板に実装する設計に変更。2020年9月には、一般のお客様を対象としたモニターを開始し、様々なご意見をいただきながらファームウェアの調整を実施していきました。そして、2021年2月26日に本格的に販売を開始しました。

導入後の効果

フルMVNOのIIJならではの柔軟で低コストなモバイルサービスにより プレスマホが実現

IIJモバイルタイプIの活用によって実現できたことについてお聞かせください。

河合氏

IIJモバイルタイプIの効用はいくつもありますが、お客様にとってメリットが大きいと思われる要素は主に3つあります。第1に、保護者がどの通信キャリアでもHamic POCKETが連携可能なこと。そこにフルMVNOであるIIJならではの柔軟性が発揮されています。また、IIJモバイルタイプI はNTTドコモの安定した回線を使用しているので、通信状況にまったく不満は出ていません。いつでもつながることが大きな安心に結びついています。
第2に、月額基本料契約の期間縛りがないこと。IIJモバイルタイプIを活用することで、いつでも契約・解約を可能にできました。データ通信量が余った場合は、翌月への1ヵ月繰り越しができるのも好評です。お客様本位のサービスが提供できたことは、Hamic事業において非常にプラスになっています。
第3は、契約手続きの負担がないこと。Hamic POCKETをお届けした後、お客様は自宅で契約手続きが可能です。保護者のスマートフォンを使い、QRコードを用いた契約手続きを進めるだけで完結します。店舗に行く必要がなく、チップ型SIM内蔵なのでSIMカードを別便で送付する必要もありません。多くのお客様が30分~1時間程度で完了するとおっしゃっていました。プレスマホだからこそ、お客様にご負担をおかけしないことが何よりも重要でした。
ご利用ユーザからは、「子どもが朝、自分から起きるようになりました」という声や、「出かける準備も自分でやるようになりました」、「買い物やお使いもできるようになりました」などの報告も数多くいただいています。お子様がこれまでできなかったことができるようになったり、成長する機会を増やしていただけたりすることは、当社にとって望外の喜びだと感じています。

Hamic POCKET開発プロジェクトを振り返り、IIJモバイルタイプIの総合的なご評価をお聞かせください。

藤澤氏

IIJモバイルタイプIとチップ型SIMの信頼性、堅牢性には非常に満足しています。IIJには技術的な支援のほか、事業的に成り立つコスト試算のアドバイスや、通信についての法的な処理など、豊富な知見の提供が大変役立ちました。今後もIIJと共に検証を進めながら、更に満足度の高いサービスを作りたいと考えています。

樋口氏

Hamic POCKETの企画開始から足かけ3年……。IIJには多大な支援をいただき、諦めることなく一貫して協力いただけたことに感謝しています。IIJのような信頼のあるネットワーク事業者と、当社のようなスマホ関連のサービスが得意な会社がコラボレーションすることで、もっと新たなポートフォリオを創出できるのではないかと期待しているのです。これからもお互いにクリエイティブ魂に火をつけ、社会をより良くしていきましょう。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

Hamee株式会社
本社:神奈川県小田原市栄町2-12-10 Square O2
設立:1998年 5月 ※マクロウィル有限会社として
資本金:536,670 千円(2020年4月30日現在)
「クリエイティブ魂に火をつける」をコーポレートミッションとし、世界中のEC事業者をターゲットにした新規事業・サービスを次々に展開。創業当時からの主力事業でモバイルアクセサリーの企画・販売を行う「コマース事業」では、世界累計販売数2000万個を誇るスマホアクセサリーブランド「iFace」を有し、ファブレスメーカーとして現在も進化を続けている。また、eコマース運営のノウハウから生まれた「プラットフォーム事業」では、国内No1シェアを誇るクラウド型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」の年間累計受注処理件数が1億件を突破。ECバックオフィスの自動化でEC事業者のルーティンワーク削減を目指す。

Hamee株式会社

※ 本記事は2021年3月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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