株式会社エンパワー 様
「買取大吉」店舗のブロードバンドルータを刷新
4つの機能が一体化した小規模拠点向けルータで管理性向上
Topics
導入前の課題
選定の決め手
4つの要件を満たす唯一のサービスである「IIJ Omnibusサービス」を選定
今回、直営店のインターネットアクセス用ルータをIIJの「SA-W2L」に刷新されました。選定の理由を教えてください。
K・M氏
ルータ刷新に当たって求めた要件は4つあります。クラウド上で一元管理ができること、ルータ機能と無線アクセスポイント機能、そしてモバイル回線のバックアップ通信ができることです。これらの機能をルータ1台で提供できるマネージドサービスであることが重要でした。本社からルータを一括提供したとしても、利用状況を把握できないと意味がありません。また、万が一の回線トラブルに備えて、モバイル回線でバックアップ通信もできるようにしたい。この2つは特に重要なポイントでした。
4つの要件を基に複数社のサービスを検討したのですが、すべての要件を満たせなかったり、コストで折り合いがつかなかったりでした。悩んでいるときにWebで「IIJ Omnibusサービス(以下、Omnibus)」とその専用ルータ「SA-W2L」の存在を知りました。
今回以前にもIIJのサービスを利用していたそうですね。
K・M氏
実は店舗側のルータ問題以前に、本社側でも問題を抱えていました。事業の成長と共に従業員もインターネットトラフィックも急増し、回線帯域が逼迫していたのです。そこでインターネット回線の帯域を増強しました。その対応もIIJにお願いしています。こうした取引があったのでOmnibusについてすぐに相談できました。詳しく話を聞いてみると、4つの要件を満たしてコスト面もクリアできるのはOmnibusとSA-W2Lだけでした。
ルータの入れ替えはいつから始めたのですか。
K・M氏
2024年3月からスタートしました。店舗が契約している回線やプロバイダは既存のままで、ルータをOmnibus で提供するSA-W2Lに変更する形です。いつ、どの店舗の入れ替えを行うか。そのスケジュールはIIJのサポートを受け、一緒に考えていきました。
ルータの設置作業は店舗スタッフに対応してもらいますが、紙のマニュアルだけでは分からない場合もあります。どこにどうつないで設置すればいいか。ITに詳しくない人でも分かりやすいように手順を紹介した動画を本社で作成しました。その動画の素材はIIJから提供してもらいました。
入れ替えの際、管理しているプロバイダ情報やパスワードと実際の設定情報が異なっていて、うまく接続できないケースがありました。管理している情報が古かったわけですが、「何とかしてほしい」という店舗側の要求にもIIJは機敏に対応してくれました。大変感謝しています。
既存店舗の入れ替えは週5、6店舗のペースで行っていきました。その間に新規出店もありましたがIIJのサポートもあり、直営店全店の入れ替えは約半年で完了できました。
導入後の効果
SA-W2Lへの入れ替えにより店舗運営・管理の両面を改善
ルータ入れ替え後の店舗での利用状況を教えてください。
K・M氏
店舗内はSA-W2Lの無線アクセスポイント機能を使って常時インターネット接続可能な状態にしています。店舗内であれば、どこでもPCを利用できます。
モバイルを利用したバックアップ回線もあるので、フレッツなどの有線回線が使えない場合は自動で切り替わります。「つながらない」ということはなくなりました。業務の遅延や買取機会の損失リスクを低減できます。
ルータ入れ替えによって、本社側はどのようなメリットを実感していますか。
K・M氏
各店舗のルータの利用状況を自席から把握できるようになったことが、一番のメリットです。クラウド上の管理画面でリアルタイムの通信状況を把握できます。ルータが正常に動いていない場合は、自動でアラートが上がってくるので、対処もしやすいですね。
バックアップ回線があるのでつながらないということはなくなりましたが、有線の方が通信速度は速いし安定しています。店舗ではバックアップ回線に切り替わっていることを知らずに使っていることもあるので、そういう場合は本社側から店舗にそのことを伝え、ルータの確認を促します。
ルータを刷新したことで、ネットワークの安定性・可用性も向上したわけですね。最後に今後の展望をお聞かせください。
K・M氏
昨今は企業を狙うサイバー攻撃が増えているので、これまで以上にサイバーセキュリティを強化していくつもりです。事業の成長と共にシステムが乱立してきたので、システム同士の連携強化も考えていきます。
今回のルータ入れ替えは直営店のみが対象でしたが、FC店のネットワークも見直しを検討していく方針です。事業を支えるIT関連の課題解決に向けて、IIJの適切な提案とサポートには今後も大いに期待しています。
導入したサービス・ソリューション
お客様プロフィール
株式会社エンパワー
本社:東京都新宿区西新宿6丁目8-1 住友不動産新宿オークタワー19階
設立:2010年10月
資本金:3,000万円
従業員:987名(2024年4月末現在)
※ 本記事は2025年4月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

買取査定にインターネットは不可欠もルータの運用管理に不足
「買取大吉」の店舗業務にはインターネット回線が不可欠だそうですね。
エンパワー 情報システム部 リーダー K・M氏
当社のシステムはクラウドが基本で、業務系アプリはGoogle Workspaceを利用しています。店舗も本社もインターネット接続でGoogle Workspaceにつなげています。
店舗には毎日多くのお客様が来店されます。お持ちいただいた品を査定し、ご納得いただけたら買い取りさせていただくわけですが、この査定作業は本社担当者とWeb会議で行っています。貴金属やブランド品などの買取価格は頻繁に変動するため、店舗スタッフだけでは判断できないものもあるからです。
営業時間中、Web会議はずっとつなぎっぱなしの状態です。買取品の登録や売上管理、業務報告などもクラウド上のシステムで行っています。また店舗の防犯カメラもクラウドカメラを使っているので、PCとインターネット回線は店舗運営に欠かせないインフラです。
店舗のインターネット回線にはどのような課題があったのですか。
K・M氏
一番の課題は、店舗側のルータの状況が把握できなかったことです。ルータの導入・設定は外部業者に委託していましたが、運用は店舗任せだったからです。何かのトラブルがあってインターネットにつながらないときも、本社ではその状況を知る手立てがありません。電話で問い合わせがあっても、適切な対応が難しい状態でした。
ルータが使えない場合は、店舗スタッフがスマホを使ってテザリングでインターネットにつないだりしてしのいでいました。初歩的なミスも含め、月に2、3件はトラブルの問い合わせがありました。復旧するまでの間、十分なお客様対応ができず機会損失につながるため、店舗側からも改善を望む声が上がっていました。
調べてみると、ルータについては家電量販店で購入した家庭用ルータで、既に販売・サポートを終了したルータを使い続けているところもあったので、早急に是正が必要だと思いました。何か問題が起きてしまったら、ブランドの信頼にも影響してしまいます。そこで、まず全国に約200店ある直営店からルータを刷新することにしました。