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空調モジュール

空調は電力削減の要

電気代は、DCのTCO(Total Cost of Ownership)の中でも大きな割合を占めており、省エネ型DC構築=コスト低減に直接繋がります。DCは大電力需要家でもあるため、社会的責任を果たす意味でもDCの省エネへの取り組みは重要であると考えます。

現在、DCの電力効率はPUEという指標で測定するのが一般的です。これはDCで消費する全電力をIT機器で消費する電力で割ったものであり、既存のDCでは2.0〜1.5という値になると言われています。仮にPUEが2.0の場合、IT機器が消費するのと同じだけの電力が別に必要になります。如何にIT機器以外が消費する電力が大きいのかが分かります。裏を返せば、空調に関わる電力を削減すること=(イコール)DCの省エネ化への大きな一歩、ということになります。

代表的な冷却方式 〜空冷式と水冷式〜

既存のDCの空調方式は、一般家庭のエアコンと同じく、コンプレッサーによる冷媒ガスの圧縮により冷却する方式(空冷式)と、冷凍機で冷水を作り出し、循環させ、熱交換を行う水冷式に大別されます。水冷式は空冷式に比べ、冷却水を循環させるポンプや貯水槽が必要となることから、設備が大がかりになる傾向があります。

モジュール型DCに適した省エネ性に優れた空調 〜空冷式〜

空調システムにおいて、コンプレッサーや冷凍機による消費電力が大きいため、可能な限りコンプレッサーや冷凍機を動かさないことが省エネに繋がります。

水冷式であれば、冷却塔(水が蒸発する際に熱を奪う効果を用いた冷却装置)で冷却水を冷やすことで冷凍機の稼働を抑えることができます。また、河川や海水を冷却水そのものに用いることができれば、更なる省エネが可能になるでしょう。しかしながら、これらの仕組みを用いることは設備の巨大化を招きかねず、DC構築場所を限定的にしてしまう恐れがあることから、モジュール型DCのコンセプトを損なってしまう可能性があります。

そこで、IIJでは、外気冷却に着目しました。従来の空調は、通年を通してコンプレッサーまたは冷凍機を動かし続けるというものでしたが、外気が涼しければその外気を用いてIT機器の冷却を行う=コンプレッサーや冷凍機の稼働時間を減らし省エネに繋げよう、という発想です。

イメージ

モジュール型DCに適した省エネ性に優れた空調 〜空冷式〜図

直接外気冷却方式と間接外気冷却方式

IIJが提供するモジュール型DCの空調方式には、①直接外気冷却方式と②間接外気冷却方式とがあります。ここでは、それぞれの冷却方式の仕組みについて詳しくご紹介します。

直接外気冷却方式

松江DCPで商用利用されているITモジュール「IZmo」の空調モジュールでは直接外気冷却方式を採用し、3つの運転モード、①外気運転モード(中間期)、②混合運転モード(冬期)、③循環運転モード(夏期)の中から、外の気温や湿度に応じて自動的に最適な運転モードを選択するように設計されています。

直接外気冷却方式図

外気運転モードは、外気がIT機器の冷却に適した条件だった場合に用いられます。外気をそのままIT機器の吸気に供給し、IT機器の排熱をそのまま廃棄します。これにかかる消費電力は、ファンのみとなるので、非常に省エネ性に優れています。

混合運転モードは、主に冬場、外気をそのままIT機器に供給するには寒すぎる状況の際に用いられます。IT機器は常に暖かい排気を排出しているので、ダンパの開閉操作により、外部から取り込んだ外気とIT機器の暖まった排気を混合し、IT機器の吸気に適した温度にします。これも消費電力はファンと、無視しえる程度のダンパ開閉時の電力消費のみとなるので、省エネに優れていると言えます。

循環運転モードは、主に夏場、外気がIT機器の吸気に適した温度を超えている際に用いられます。空調モジュールはダンパの開閉操作により外気の吸気・排気口を閉じコンプレッサーを稼働させます。上記2つの運転モードと比較すると、省エネ性では劣る状況となります。

IT/空調一体型モジュール「co-IZmo/D」では、より一層の省エネ化を目指し、チラーや加湿器を使わず年間を通して外気のみで温度・湿度管理を行う通年直接外気冷却方式にチャレンジしました。実証実験の結果、空調消費電力は削減できた一方で、IT機器の消費電力はファンの風速が上がり増加したため、pPUEは改善したもののトータル消費電力の低減には「IT機器と空調制御の最適化」が必要ということが明らかになりました。

IZmo/W,S + 空調モジュール

IZmo/W,S + 空調モジュール図

間接外気冷却方式

IT/空調一体型モジュール「co-IZmo/I」では間接外気冷却方式を採用し、IT機器の排熱を、外気を用いた熱交換によって間接的に冷却、外気による間接冷却だけでは対応できない場合はコンプレッサーを利用しています。3つの運転モードを備え、①間接外気+冷凍冷却のハイブリッド運転モード(中間期)、②間接外気冷却モード(冬期)、③冷凍冷却モード(夏期)の中から、外気の気温に応じ自動的に最適な運転モードを選択するように設計されています。

間接外気冷却方式のメリット図

また、間接外気冷却方式によりIT機器収納部は直接外気の影響を受けないため、設置場所についても外気の空気質が良好な場所に限定されることもありません。

間接外気冷却方式のメリット

  • 間接外気冷却方式により、外気のエネルギーを利用しつつ、モジュール内は循環式空調を実現し、幅広い設置条件に対応可能
  • 冬期は外気のみ、中間期・夏期は外気+コンプレッサーの併用で、年間の消費電力を削減

間接外気冷却方式のメリット図