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安川オートメーション・ドライブ株式会社 様

IIJ GIOを活用してSAPシステムを専用サーバでクラウド化
高い安全性・信頼性を確保し、運用工数の3割削減を目指す

日本とドイツというものづくり大国にルーツを持つ世界的な総合テクノロジーカンパニー、安川電機とシーメンスの合弁会社として設立された安川シーメンス オートメーション・ドライブ(現:安川オートメーション・ドライブ株式会社)。同社はITの最適化を目指し、SAPシステムのクラウド化に舵を切った。その基盤に採用したのが「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ(以下、IIJ GIO VWシリーズ)」だ。独SAP社の認定を取得した「IIJ GIO for SAPソリューション」との組み合わせで、オンプレミスのSAPシステムを安全にクラウド化でき、運用工数も3割削減できる見込みだ。

課題

  • 定期的に発生するサーバリプレースによるIT予算の押し上げ
  • 半年以上かかるサーバリプレースがIT部門の本来業務を圧迫
  • IT予算変動の影響により、サーバリプレース計画の実行が流動的

効果

  • 運用保守の手間が不要になり、運用工数を3割程度削減できる見込み
  • コストが平準化されるため、景気や業績によるIT予算の変動リスクを回避
  • 初期投資を約7年で回収し、長期利用でコスト削減メリットが拡大

導入前の課題

定期的なサーバ再構築によるコスト負担や運用の手間が増大

長年のエンジニアリングノウハウを活かし、安全・効率的な産業ソリューションを提供する安川シーメンス オートメーション・ドライブ(以下、YSAD)。産業機械の動力源となるドライブ装置、モーター、コントローラなどを自由自在に組み合わせ、様々な産業のオートメーション化に貢献する。

同社のIT戦略の機軸となる考えは「標準化と効率化」だ。「ITは本業のビジネスをサポートするためのもの。運用管理や保守に、必要以上のコストや人的リソースを費やすべきではない」と同社の吉武成人氏は主張する。

合併を機に導入したSAP R/3も、こうした考えに基づくもの。従来の基幹業務システムをカスタマイズして使うより、SAP R/3で標準化を加速した方が、メリットが大きいと判断した。

その後、何度かのバージョンアップを実施。SAPシステムをオンプレミスで継続利用していたが、その度にサーバの再構築や新しいプラットフォームでの動作検証が必要になる。「バージョンアップがなくても、サーバの保守期限は通常5、6年程度。システムには何の問題もないのに、期限が来ればサーバのリプレースが必要です」と吉武氏は課題を述べる。

その作業には、検証も含めて半年から1年はかかる。投資を捻出するため、経営の承認も得なければならない。「業績によって予算の獲得が難しい場合、プロジェクトを延期せざるを得ない。これは業務を支えるIT戦略上、大きなリスクです」(吉武氏)。

選定の決め手

専用サーバで信頼性を確保。フルアウトソースの安心感を評価

この状況を改善するため、新たな基盤として検討したのが「クラウド」である。

SAPシステムは基幹業務を支えるシステム。高い信頼性・可用性が求められる。「しかし、多くのクラウドサービスはサーバのシェアモデルで、その収容先も公開していませんでした。自由度を高めると、運用保守を自分たちで行わねばならず、クラウドのメリットを活かせない」と話す吉武氏。

そんな中、YSADのシステム構築・運用保守をサポートする東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)から提案されたのが「IIJ GIO VWシリーズ」である。同社は国内で初めてSAPシステムの導入案件を成功させたSIベンダー。製造業を中心に数多くの導入実績を持つ。その強みを活かし、IIJと共にSAPシステムのクラウド化を支援する。

IIJ GIO VWシリーズはVMwareをベースとしており、オンプレミスからの移行を容易に行える。サーバもシェアモデルではなく、専用サーバを利用できる。データセンターは国内にあり、SAPシステム以外のサーバも同じデータセンター内に収容可能だ。「信頼性を確保しつつ、インフラの調達・管理から運用保守までフルアウトソースできる点を評価しました」と吉武氏は選定の理由を語る。

SAPシステムの移行に先駆け、業務システムの1つである「Web-EDI」において、東洋ビジネスエンジニアリングのサポートのもとでクラウド化のパイロット導入を実施。「構築までの期間は限られていましたが、柔軟性の高いIIJ GIO VWシリーズを活用することで、短期間での構築を実現し、予定通り2015年1月にシステムをカットオーバーできました」と東洋ビジネスエンジニアリングの飯田士郎氏は話す。

このパイロット導入は"本丸"であるSAPシステムのクラウド化に向けて、IIJ GIO VWシリーズの性能を評価するのが狙い。「本稼働以降、ハードに起因するトラブルはゼロ。高い信頼性を実感しています」と吉武氏は満足感を示す。

導入後の効果

コストの平準化でリスクを回避。長期利用でコスト削減幅が拡大

YSADは2015年4月より、SAPシステムのクラウド化プロジェクトをスタート。現在サーバ環境の構築が完了し、2016年1月の本稼働に向けて検証作業などを重ねているところだ。

「プロジェクトが頓挫する大きな要因の1つが、コミュニケーション不足。その点、IIJは問い合わせに対して迅速・的確に回答してくれるので、手戻りが少ない。トラブル対応もスピーディーで、プロジェクトは予定通りに進んでいます」と飯田氏は評価する。

SAPシステムのクラウド化は、同社に様々なメリットをもたらす。「導入段階にはある程度のコスト負担が必要ですが、一度システムを作れば、インフラの保守は不要。コストも平準化できるので、景気や業績によるIT予算の変動リスクを回避できます」と吉武氏はメリットを語る。

急激なリソースの増加時も、クラウドなら最適なコスト負担で柔軟な対応が可能だ。「本稼働後は運用工数の3割削減を見込んでいます。試算では7年ほどでクラウド化の構築投資を回収できる見込み。サーバリプレースや保守の手間もなくなるので、長期的に利用することで、大きなコスト削減が期待できます」(吉武氏)。

今後はSAP以外のシステムのクラウド化にも積極的に取り組むと共に、新技術への対応に向け、システムの進化に向けた準備も進めていく。「その1つとして、インメモリーコンピューティングを具現化したSAP HANAをクラウド上で利用できるIIJのサービスも注視していきます」(吉武氏)。

SAPシステムのクラウド化により「標準化と効率化」を大きく加速させた同社。今後もクラウドのメリットを活かし、ビジネスに貢献するITの実現を強力に推進する考えだ。

安川シーメンス オートメーション・ドライブ株式会社様へ導入したシステム概要図

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

安川オートメーション・ドライブ株式会社
本社:東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー7F
設立:1999年10月1日
産業用電気機械設備及びシステムの設計・製造・販売・保全など。これまでに培ったエンジニアリングノウハウを活かし、より安全・効率的なソリューションの開発・提供に力を注ぐ。

安川オートメーション・ドライブ株式会社

※ 本記事は2015年10月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。ただし、2018年の社名変更に伴い、社名とユーザプロフィールのみ変更しております。

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