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国立情報学研究所 様国立情報学研究所

最先端学術研究の情報基盤を担う
「SINET4」の構築・保守に貢献するIIJ

国立情報学研究所では2011年4月、全国の大学・研究機関などの学術情報基盤を担う新たなネットワーク「SINET(Science Information NETwork)4」の稼働を開始した。SINET3のネットワーク構成を見直し、コア回線の増強や接続拠点の安定化などを図っている。IPルータやL2多重化装置などの構築・保守をIIJがサポート。機器導入時の検証や設定、ベンダーとの調整など、SINET3で培った技術やノウハウが生かされている。

ノーベル賞「小林・益川理論」の実験検証に利用されたSINET

学術情報ネットワーク(SINET)は、全国の大学や研究施設など約700機関の学術情報基盤として構築・運用されてきた。国立情報学研究所(以下、NII)が推進する「最先端学術情報基盤(Cyber Science Infrastructure:CSI)」構想の中核に位置付けられ、大規模な国家プロジェクトをはじめ、様々な研究分野で活用されている。

例えば高エネルギー研究では、ノーベル物理学賞を受賞した「小林・益川理論」の検証を目的としたBelle実験でSINETを利用。「SINETがノーベル賞の受賞を陰ながら支えたと自負しています」と、NII学術ネットワーク研究開発センター長の漆谷重雄氏は述べる。

また、天文研究では、各地の天文台の電波望遠鏡をSINETで結び、仮想的に巨大な電波望遠鏡を構成して観測。「NIIが独自開発したL1オンデマンド機能を用い、天文台があらかじめ指定した日時に大容量の観測データを転送する仕組みを天文研究に活用しています」と、NII学術ネットワーク研究開発センターの青木道宏氏は説明する。

高速化や高安定化を目指してSINET4を構築

NIIでは、2007年6月に本格運用を開始したSINET3において、大容量データ転送に対応する高速接続や、L1(専用線)/L2(イーサネット)/L3(IPv4、IPv6)のマルチレイヤーサービス、マルチVPN、マルチQoSなどのサービスを提供してきた。

しかし、大学・研究機関など加入機関の利用拡大とともに、より経済的な高速ネットワークの実現や、提供するサービスの多様化、利便性の向上が求められるようになった。加えて、「接続拠点(エッジノード)の高い安定性や、加入機関の通信環境格差の解消が課題になっていました」と漆谷氏は振り返る。

SINET3では、エッジノードが62拠点の大学・研究機関(ノード校)に置かれ、非ノード校(全国で約630拠点)はノード校を経由してコアノードに接続していたので、ノード校の計画停電時などには、配下の非ノード校への影響が大きかった。

そこでSINET4では、SINET3のネットワーク構成を変更。「ネットワークの高速化、提供サービスの多様化、エッジノードの高安定化を図っています」と青木氏は述べる。従来、全国12拠点に分散配置していたデータセンター(コアノード)を8拠点に構成変更するとともに、コア回線は40Gbpsを基本に冗長化している。また、エッジノードは、29拠点のデータセンターへの移設に加え、4拠点を新設し、回線は2.4Gbps~最大40Gbpsに増速した。

さらに、コアノードに加え、エッジノードもデータセンターに設置することで可用性や保守性、セキュリティなどネットワークの信頼性を向上。そして、コア・エッジ回線を二重化し、冗長経路を確保している。

国立情報学研究所様に導入したシステム 概要図

コアやエッジの設計、機器の導入、保守までIIJがサポート

IIJでは、機器設計・構築から保守サポート、ベンダーコントロールまで、全体統括ができるプロジェクトチームを構成。コアノードのIPルータ、エッジノードのL2多重化装置のほか、監視用ルータなど、複数メーカーにまたがる機器、装置の導入をサポートした。また、運用開始後からは運用保守の役割を担っている。「SINET4において重要な論理ネットワークの設計などで、IIJの技術力が大いに役立っています」と漆谷氏は述べる。

SINET3では、単一バックボーン上に各サービスのための論理(仮想)ネットワークを形成し、多様なサービスを柔軟かつ経済的に提供。このアーキテクチャと提供するサービスをSINET4でも継承している。具体的には、L1オンデマンド、L2オンデマンド( 予定)、L2VPN / VPLS、L3VPN、インターネット(IPv4/IPv6)のサービスを提供。そして各論理ネットワーク内で、共同プロジェクトごとのVPNを形成しセキュリティを確保する。

「導入機器の特性を生かし、安定性、拡張性のあるサービスを具体的にどのように実現していくか、ネットワーク設計の段階からIIJの協力を得て検討を重ねました」と漆谷氏は述べる。リソースオンデマンド制御などの先端機能はNIIが独自に開発。従来のL1オンデマンドサービスを強化・拡張し、SINET4では全エッジノードで利用できるようになった。

開発中のL2オンデマンドサービスでは、VLANタグの設定なども動的に行えるようになる予定だ。こうした設定をエッジノードのL2多重化装置やコアノードのIPルータに反映させるためには、機器の事前検証が欠かせない。IIJでは事前検証のため、それぞれの機器ベンダーとの調整を行うなど新機能の実装をサポート。また、「IIJは、QoS制御の設計や、SINET4特有の開発要素のための情報提供などでも力を発揮してくれました」と青木氏は付言する。

NIIは、2010年からSINET4のネットワーク詳細設計を行い、2010年11月~2011年1月に各拠点へ導入し、2011年2~3月の間に移行を完了している。IIJはコアノードとエッジノード、ノード校を合わせ、約100拠点へ機器を導入。移行スケジュールが迫る中、マルチベンダー環境の装置間で結合試験を行いながら、限られた期間ですべての機器の設置・配線を完了した。「機器ベンダーとの調整やトラブルシューティングにも責任感を持って対処してくれました」と漆谷氏はIIJの対応を評価する。

NIIでは、2011年度にコアネットワークの一部を増速するほか、エッジノードの「空白県」を解消する計画だ。また、加入機関の要望を聞きながら、上位レイヤーサービスを支援するインタフェースやサービス提供プラットフォームの設置を検討していく。また、東日本大震災後には、計画停電などの影響もあり、キャンパス内で構築・運用しているメールやストレージなどのシステムをサービスとして利用するニーズが高くなっているという。

「IIJなどの事業者がサービス提供機関としてSINET4に参加し、大学・研究機関をサポートする構想もあります」(漆谷氏)。SINET4のサービスを支えるIPルータやL2多重化装置などに加え、アプリケーションレベルでもIIJの役割が期待されている。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

国立情報学研究所
本社:東京都千代田区一ツ橋2-1-2
設立:2000年4月
情報学という新しい研究分野での「未来価値創生」を目指す学術総合研究所として、ネットワーク、ソフトウエア、コンテンツなどの情報関連分野の研究開発を総合的に推進している。

国立情報学研究所

※ 本記事は2011年8月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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