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アンリツ株式会社 様アンリツ株式会社

IIJ GIO 仮想化プラットフォーム VWシリーズを基盤に
短期間でのSAPシステム構築を実現

グローバル展開するアンリツ株式会社では、IIJのデータセンターを利用して統合基幹業務システム「SAP® ERP」をオンプレミスで構築、運用してきた。新たに導入した「SAP GTS」の基盤として、仮想化環境が用意された「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」を採用。IIJがクラウドサービスに関してSAP独本社の認定を取得したことも決め手になった。

東日本大震災を契機にデータセンターを利用

アンリツは電子計測器や情報通信機器、光デバイスなど、情報通信の進化を支える様々な製品を提供。例えば、スマートフォンやタブレットが急速に普及する今日、LTEや無線LANなどワイヤレス通信システムの装置をはじめ、端末、サービス、アプリケーションの開発、品質保証に欠かせない計測器を世界中の通信事業者や端末メーカーなどへ提供している。

グローバルな事業活動を支える戦略的IT活用を担うのが経営情報システム部インフラソリューションチームである。部長の篠原雄二氏は「統合基幹業務システム(ERP)やグループウェアをはじめ、全社で利用するシステムの基盤となるネットワークやサーバ、ミドルウェアなど、ITインフラの構築・運用を行っています。上位のアプリケーションを担当するBPR推進チームと役割を分担しながら最適な情報システムを社内ユーザーやグループに提供しています」と述べる。

アンリツではERPとして「SAP ERP」を10年ほど前に導入し、本社(神奈川県厚木市)内のサーバルームで運用してきた。これまで2回の更新を重ね、前回2011年の更新時にUNIX版からWindows版の「SAP ERP」に変更することを決定した。ところが、更新の準備中に東日本大震災が発生し、BCP(事業継続計画)の観点から、「ERPをはじめ、社内で運用していた重要なシステムを外部のデータセンターに預けることになったのです」と篠原氏は説明する。

IIJ GIO VWシリーズ上でSAPシステムを構築・運用

アンリツではインターネット接続サービスや国内の拠点を結ぶ広域ネットワークにIIJのインターネットVPNを利用してきた。データセンターの選定に際し、「広域ネットワークとシームレスに接続できること、万一の災害時にもデータを保全できるように厚木本社から地理的に離れた西日本のデータセンターであること」(篠原氏)を要件に、関西にあるIIJデータセンターを採用した。

そして、サーバ仮想化のVMware上に「SAP ERP」の本番環境、開発環境、検証環境をオンプレミスで構築。基幹系システムのほか、情報系システムのグループウェアやWebサーバ、ファイルサーバなどをVMware上で構築し、IIJデータセンターで重要システムをハウジングしている。

その一方、アンリツは「SAP ERP」の機能を拡張した貿易管理ソフトウエア「SAP GTS(Global Trade Services)」を導入。その基盤にVMware vSphereをインストール済みの仮想サーバやストレージ、ネットワークのリソースプールを自由に組み合わせてプライベートクラウドを構成できる「IIJ GIOコンポーネントサービス 仮想化プラットフォーム VWシリーズ」を採用している。

「アンリツでは、本社からIIJのデータセンターにSAP ERPを移行する際に、一時的に他社クラウドサービスを利用したことがありましたが、今回のGTS導入に際しては、本格的なクラウドへの移行を目的にオンプレミスとのコスト比較を徹底して行いました。その結果、IIJのクラウドにメリットがあると判断し、SAP GTSをVWシリーズで構築することにしたのです」と篠原氏はVWシリーズを選んだ経緯を述べる。

IIJのクラウドサービスがSAPの認定を取得

VWシリーズ採用の大きな決め手になったのが、IIJのホスティングサービスとクラウドサービスの品質がSAPから認定を受け、「SAP Certified in Hosting Services」および「SAP Certified in Cloud Services」を2013年4月に取得したことだ。

これはサービスのセキュリティレベル、運用に関するマネージメントレベル、基盤設備の堅牢性、サポート体制などについて、SAPが設定した品質基準をクリアしたサービスを認定する制度である。篠原氏は「SAPのサポートを受けるためには認定されたサービスでなければならず、当社にとってクラウド導入の前提条件でした」と述べる。また、VWシリーズは中部地区にあるIIJのデータセンターで運用されており、選定ではDR(ディザスタリカバリ)も考慮された。

そして、関西のIIJデータセンターで運用中のVMware上で一旦SAP GTSの開発環境を構築し、そのオブジェクトをVWシリーズ上の仮想サーバにコピーするなど短期間での稼働を実現。VWシリーズ上に移行後、「期待通りのパフォーマンスが発揮され、問題なく稼働しています。オンプレミスとVWシリーズとともに同じVMwareの仮想環境なので、構築・運用の手順を変えずに済むメリットもあります」と篠原氏は導入効果を話す。SAP GTSの開発環境を試験運用した後、本番環境、検証環境を構築する計画だ。

IIJのデータセンターサービスとクラウドサービス、ネットワークサービスのほか、迷惑メール対策のIIJセキュアMXサービスなどを活用。「当社の業務を支える情報システム基盤をトータルに提供してもらっています。IIJのサポートもしっかりしており、システムをシームレスにつなぐことで信頼性、安定性を確保しつつ、運用コストを抑えられます」と篠原氏はIIJの対応を評価する。

アンリツでは、オンプレミスで構築・運用しているSAP ERPについても、いずれIIJのクラウドサービスに移行する予定だ。サーバなどハードウエア資産を自社で持つことがなく、保守・運用もIIJにアウトソーシングすることが可能だ。サーバやネットワーク技術に精通し、豊富な実績とノウハウを持つIIJにIT基盤を任せることで、経営情報システム部は戦略的IT活用のため企画・立案などに専念できる。ミッションクリティカルな情報システムが載るクラウドサービスでは信頼性が第一となる。IIJ GIOサービスがSAPなどの用途で活用が進むことが期待されている。

アンリツ株式会社様に導入したシステム 概要図

(※) SAP、および本ページで言及されるその他SAPの製品およびサービスは、ドイツおよびその他諸国におけるSAP AGの商標または登録商標です。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

アンリツ株式会社
本社:神奈川県厚木市恩名5-1-1
創業:1895年
資本金:190億5200万円(2013年3月31日現在)
従業員数:3771人(連結)、831人(単独)(2013年3月31日現在)
中長期の指針である「2020VISION」は、「グローバル・マーケットリーダーになる」と「事業創発で新事業を生み出す」という目標をかかげ、電子計測器や情報通信機器、光デバイスなどの分野でグローバルな事業を展開している。

アンリツ株式会社

※ 本記事は2013年9月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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