2009年 プレスリリース
IIJ、次世代のモジュール型エコ・データセンター構築に向けた実証実験を実施
国内初の外気冷却コンテナユニットによる環境配慮型データセンターを構築し実用性を検証
2009年11月26日
株式会社インターネットイニシアティブ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 幸一、以下IIJ)は、株式会社東芝(本社:東京都港区、代表執行役社長:佐々木 則夫、以下 東芝)、日本軽金属グループの株式会社エヌ・エル・エム・エカル(本社:静岡県静岡市、代表取締役:田村 和徳、以下 NLMエカル)、能美防災株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:橋爪 毅、以下 能美防災)、および河村電器産業株式会社(本社:愛知県瀬戸市、代表取締役社長:河村 幸俊、以下 河村電器)の4社と共同で、クラウド時代に適応する環境配慮型データセンター構築に向けた実証実験を実施いたします。
本実証実験では、冷却システムに外気を直接利用する方式を採用したモジュール型エコ・データセンターを構築し、2010年2月より1年間の運用を通じて商用化に向けた検証を行います。年間を通じて外気冷却を使うコンテナユニットによるデータセンターは、日本国内では初めてとなります。
IIJはこれまで、水冷式のコンテナユニットでの検討も進めてきましたが、米国では水冷方式から省エネ効果の高い外気冷却方式への移行が進んでいることも踏まえ、環境対策や電力利用効率の向上のためには一つの方式だけにとらわれず、設置環境に合わせて最適な冷却方式を選択できるよう、本方式の検証を進めることとしました。
IIJがこれまで全国15箇所のデータセンター運用で培ってきたノウハウをもとに、クラウドサービスに求められる拡張性、低コスト、省電力化を追求した次世代モデルのデータセンターを設計し、それをベースにNLMエカルがコンテナ筐体の開発を行い、東芝が外気冷却方式による空調設備を、能美防災が防災設備を、河村電器がラックおよび電気設備をそれぞれ提供いたします。
本実証実験で開発する外気冷却コンテナユニットにより、以下の効果が期待されます。
- 1. ファシリティコストの削減
- 通年で外気冷却を利用することによる空調設備コストの削減と、コンテナユニット採用による建屋コストの削減を実現します。これにより、従来型データセンターに比べファシリティコストを40%削減し、初期投資の軽減を目指します。
- 2. 建設期間の短縮
- ファシリティをモジュール化することにより、建設期間の短縮を可能にします。需要に応じてオンデマンドでデータセンター設備を拡張できるため、クラウド環境のスケールアウトにも容易に対応することができます。
- 3. サーバの高密度実装による効率化
- 現在の一般的なデータセンターでは、ラック単位で利用可能な電力量を3KVA程度に抑え、熱問題が発生することを回避しています。今回の外気冷却コンテナユニットでは、1ラック当り10KVAの電力を利用可能にする冷却能力を備えているため、従来型データセンターに比べIT機器の実装密度を約3倍に向上させることが可能です。
- 4. 電力利用効率の最大化(PUE 1.2以下の実現)
- データセンターの電力利用効率を示す指標としてPUE値 (※1) がありますが、現在の一般的なデータセンターのPUEは2程度と言われています。本実証実験サイトでは、外気を活用することにより空調設備の省電力化を図り、PUE 1.2以下を目指します。本外気冷却コンテナユニットを利用した商用のデータセンターでは、消費電力40%の削減が期待でき、これにより電気代もコストダウンできます。また、商用化においては、水力発電や太陽光発電などCO2を排出しない地球環境に配慮した自然エネルギーの利用も検討していく予定です。
- (※1) PUE (Power Usage Effectiveness) : データセンターのエネルギー効率を示す指標の1つで、データセンター全体の消費電力をサーバなどのIT機器の消費電力で割って算出する。データセンターの省電力化を推進する業界団体「The Green Grid」などが推奨している。
データセンター運用コストの大きな割合を占める電気代の約4割は、IT機器の排熱を冷やすための空調システムが占めています。このため、電力低減と冷却システムの効率化が現状のデータセンターの大きな課題となっており、グリーンIT推進の視点からも、データセンターの省電力化が急務となっています。さらに、クラウドの特性である低コスト、スケールアウトに適応する次世代型データセンターの必要性も高まっていることから、今回のプロジェクト実施に至りました。
今後IIJでは、実証実験と並行して商用化の検討を進め、2010年4月には商用システムの構築を開始し、2011年3月にはサーバ4000台規模のデータセンターとして稼動させることを計画しています。本データセンターの利用により、IIJの提供するクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)」のファシリティコストを40%削減し、コスト競争力を一層高められると同時に、従来型のデータセンターに比べCO2の年間排出量を約4000t削減できると試算しています。また、将来的にはIIJサービスの基盤としてだけでなく、SI事業者やデータセンター事業者など他の事業者にも設備を利用してもらう “エコ・データセンター・パーク構想” も視野に入れています。
IIJグループでは、今後もグリーンITを推進するとともに、クラウド環境に最適な低コストでエネルギー効率の高い次世代データセンターの展開に積極的に取り組んでまいります。
モジュール型エコ・データセンター イメージ図

以上
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