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MVNOによるLTE接続

2012年2月27日

IIJでは、2008年1月より提供している3Gによるモバイル接続サービスに加え、2012年2月にはLTE(Long Term Evolution)によるモバイル接続サービスを開始しました。LTEといえば速度と遅延に注目が集まるところですが、ここでは3GとLTEの設備や接続方式について簡単に紹介します。

相互接続の方式

IIJではMVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者として、MNO(Mobile Network Operator)事業者であるNTTドコモと相互接続を行っています。NTTドコモとの相互接続の方式としては、2種類用意されています。

  1. アクセス制御プロトコルとして、RADIUSを使用する。
  2. アクセス制御プロトコルとして、GTP(GPRS Tunneling Protocol)を使用する。

一般的に1.はレイヤ3接続、2.はレイヤ2接続と言われています。MVNO事業者はレイヤ3接続の場合は認証サーバのみを用意し、レイヤ2接続の場合は認証サーバに加えて終端装置を用意します。これを簡単に図示すると次の様になります。

レイヤ3接続とレイヤ2接続

IIJではレイヤ2接続の方式で相互接続しており、終端装置と認証サーバとの連携によって、MVNOならではといった多様なサービスを実現しています。例えば、通常のインターネット接続に加えて安価に閉域型接続が可能となるIIJダイレクトアクセスソリューション、及びインターネットの接続先をVPN等に制限できるIIJモバイルBiz+サービスを提供しています。また認証サーバでは、ユーザの通信量をリアルタイムに集計することで多彩な料金プランを提供できるほか、公平性の観点からQoS(Quality of Service)を用いた通信規制を行うことも可能となっています。

レイヤ2接続における3GとLTEの網構成の違い

次に、IIJが行っているレイヤ2接続における3GとLTEの網構成の違いを見てみたいと思います。

レイヤ2接続における3GとLTEの網構成の違い

IIJは3G接続ではGGSN(Gateway GPRS Support Node)、LTE接続ではPGW(Packet Data Network Gateway)と呼ばれる終端装置を運用しています。使用するプロトコルはそれぞれGTP-CとGTPv2-Cのように異なります。装置名やプロトコルこそ異なりますが、終端するという基本的な役割に変わりはなく、終端装置1台でGGSNとPGWの両方の機能を実装する場合もあります。なお、終端するとは、ユーザからの接続要求を受け、認証や接続の制御を行うことです。馴染みがあるところではVPNサーバも終端装置の一つと言えます。

現在LTEは普及過渡期であり、3Gと比較してエリアは限定的です。そこで、3G網のSGSNとLTE網のSGWとが接続することによって、LTEエリア外でも3G網を利用したIP網(インターネット)への接続ができるようになっています。基本的に、LTEと3Gの混在エリアで接続する場合には、LTEが優先的に選択されるようになっています。

さて、モバイル接続といえば、端末の移動に伴って接続する基地局が変わるハンドオーバが気になるところですが、3GエリアからLTEエリアへの切り替えと、LTEエリアから3Gエリアへの切り替えは自動でされるようになっています。このようなハンドオーバは特にインターラット(inter-RAT)ハンドオーバと呼ばれます。同一エリア内のハンドオーバももちろん可能です。このようなハンドオーバが行われる際には、終端装置はMNO側の設備であるSGWとやりとりをし、通信経路の変更処理を行います。

SIMカードと端末の組み合わせにおけるポイント

以上を踏まえまして、ユーザ環境を含めて整理してみます。ユーザが使用するSIMカードは3Gに対応したものとLTEに対応したものが考えられます。また、ユーザが使用する端末は3Gに対応したものと、LTEに対応したものが考えられます。それぞれの組み合わせにおいて接続先の終端装置を表にすると、次のようになります。

SIMカード 端末 エリア 接続/終端装置
3G SIM 3G端末 3Gエリア 3G接続/GGSN
LTEエリア -
LTE端末 3Gエリア -
LTEエリア -
LTE SIM 3G端末 3Gエリア 3G接続/GGSN
LTEエリア -
LTE端末 3Gエリア 3G接続/PGW *1
LTEエリア LTE接続/PGW *1

*1 ユーザが接続する際には、LTE接続が優先的に選択されます。

ここでのポイントは、2つあります。

  1. LTE SIMと3G端末の組み合わせでは、GGSNに接続することが可能
  2. LTE SIMとLTE端末の組み合わせでは、エリアを問わずPGWに接続することが可能

ここで、LTE SIMを使用する場合には、端末の種別によって受けられるサービスに制約があることに注意する必要があります。例えば、PDPタイプでPPPを使用する接続は、3G端末でのみ利用可能です。この方式は組み込みシステムでよく用いられます。広く普及しているスマートフォンやUSB端末はほとんどの場合、PDPタイプでIPを使用するため、一般的な影響は少ないかもしれません。一方、PDPタイプでIPv6またはIPv4v6を使用する接続は、LTE端末でのみ利用できます。IPv6は次世代のインターネットプロトコルであり、これから利用拡大が見込まれますが、現時点でIPv6接続を利用する場合はLTE端末を使用する必要があります。PDPタイプでIPを用いる場合には大きな制約はありません。

USB端末を用いたダイヤルアップ接続

最後に、接続過程がちょっと変わっていますので紹介したいと思います。3G接続、LTE接続共にUSB端末を用いてダイヤルアップ接続が可能です。「*99***1#」のような電話番号を設定したことがある方もいるかと思いますが、最も一般的な3G接続でPDPタイプにIPを使用した場合のシーケンスは、次のようになります。

3G接続でPDPタイプにIPを使用した場合

ダイヤルアップ接続では終端装置とPPPネゴシエーションするのが通常ですが、上記のとおり、TEであるPCは、MTであるUSB端末とPPPネゴシエーションを行います。このようにPPPネゴシエーションをある程度進めた後に、3G網との接続を開始します。このような流れでは、PPPアカウントやPPPパスワードがでたらめでも、PCから見ればパスワード認証(CHAP/PAP)は成功したように見えます。その後のRADIUSサーバとのやり取りによってパスワード認証に失敗した場合、IPCP configure-ack が返ってこないことで端末は接続に失敗しますが、失敗した理由がパスワード認証であることを知ることはできません。この点についてはLTE接続においても同様です。

以上、3GとLTEの設備や接続方式にポイントをおいて紹介しました。今後も、新しい技術を積極的に採用することで、MVNOならではといった多様なサービスを開発し、快適なインターネット環境を提供できるよう努めて参ります。

宮本 外英

執筆者プロフィール

宮本 外英(みやもと そとひで)

IIJ サービス本部 ネットワークサービス部 サービス開発課
1999年IIJ入社。専用線接続サービスの導入・運用業務を経て、ネットワークインテグレーション業務に従事し経験を積む。その後、VPNサービス、モバイルサービス等の法人向けネットワークサービスの開発を担当。

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